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人を動かすのが人の仕事

聞いて、考えて、語り継ぐ

会社の後輩が修士論文を送ってきました。前にここに書いた H君です。

僕に相談に来たときには、彼の関心事は

一体どう動機づけしてやれば若い後輩たちに新しい学びを体験させてやれるんだろう?

ということでした。そこから少し変わってきた部分もあるのですが、彼は社員に対するさまざまなインタビューを実行し、そこで得たさまざまな発言について分析を重ねて、「新しいアイデアが実行に移されて、仕事として立ち上がってくるのはどういう状況であって、その障害となるのはどういうものか」ということを、まことに学術論文らしい筆致でまとめ上げてありました。

それをここで仔細に語ることはしませんが、それは却々なかなかよくまとまった面白い読み物でもありました。

それを読んで僕は彼に LINE を返したのですが、読んだ感想を書く上で僕が思ったのが、

なんであれ、いろんな人の話を聞いて、それを自分なりに考えて、そして次の世代に語り継ぐことって大切なんだな

という、考えてみれば極めて当たり前のことでした。でも、その当たり前のことを彼の論文が思い出させてくれたのです。僕は、

そうやって聞いて、考えて、語り継ぐことは重要ですね

と書きました。

で、自分で書いてみて改めて、これは我ながら却々の名言だ!と妙に気に入ってしいました(笑)

繋がって広がる

僕が昔から頻繁に使ってきたフレーズに

繋がって広がる

というのがあります。

これは僕が twitter をやり始めて如実に感じたことです。

初期の、あの平和で歓喜に満ちて活力に溢れた twitter の世界では、一人ひとりの参加者がどんどん繋がって行き、そこに新しい文化みたいなものが形成されるのを、僕らは驚きを以て見つめ、そこに喜びを以て参画してきました。それは楽しくて楽しくて仕方のない体験でした。

その頃、テレビとインターネットは自然に繋がろうとしていました。でも、テレビの側にはそれをなんとか阻止しようとする、頭の硬い上司や同僚が何人かいました。

僕は社内でこのことば「繋がって広がる」を使って彼らを諌めようとしたのでした。

これからの時代はテレビもインターネットと繋がってどんどん広がって行くのが必然です。

繋がって広がることこそがユーザの利便性を高め、テレビの可能性をさえ高めるのです。

と。

「聞いて、考えて、語り継ぐ」は「繋がって広がる」に続く、僕の二大名言じゃないでしょうか(笑) と言うか、2つとも同じこと言っているような気もしますが。

繋がって、聞いて、考えて、語り継いで、広がって、人を動かす

まずは他人の話を虚心坦懐に聞いてみることが肝要です。そこには何かがあるはずなのです。

その何かについて、僕らはその都度それを真面目に考えてみる必要があります。考えれば何かが得られるはずです。

そして、そこで得られた何かを、僕らは次の世代を担う人たちに語り継ぐ義務があるんじゃないでしょうか。

誰かに語り継げば、それはまたそこから誰かに語り継がれ、そんな風にして世界は繋がって広がって行くのではないでしょうか。

と言うか、そんな風になればいいな、と。そうやって人を動かすことこそが人の仕事ではないでしょうか。

話が繋がり、考えが繋がり、語り継がれて世界が広がって行きさえすれば、まだまだ世界は捨てたもんじゃないなと、そんなことを彼の論文を読みながらしみじみと考えたのでありました。


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山本英治 AKA ほなね爺
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