見出し画像

禿頭と白髪

少し前、自分の頭頂部に3箇所禿げ始めている箇所があるのを見つける夢を見ました。

なんであんな夢を見たのでしょう? 自分が禿げるということに関して僕は一度も切実に考えたことがありません。

というのも、小学校低学年のときに親戚中が集まった大きな法事があって、そのときに来ていた多数のおじいさんたちがいずれもハゲではなく白髪であることに僕は気づいたのです。

僕は

あ、僕も同じ血を引いているとしたら、きっとハゲじゃなくて白髪になるんだろうな

と思いました。

その予想はほぼ当たったと言って良いでしょう。もっとも、当時の親戚にはフサフサ総白髪の人もいましたが、現時点で言うと、僕の場合はまだそれほど白髪が進んでいるわけではありません。

初めて白髪染めを使ったのは満53歳になる誕生日の前日で、それ以来、毎日ではないですが定期的に白髪を染めているので、これを止めてしまうとどれだけ白いのかはよく分かりませんが、控えめに見積もってもまだ半分以上は黒髪なんじゃないかなと思います。

ちなみに僕の場合は白髪に強いコンプレックスを抱いて必死に染めて隠しているという感じではなくて、ある種の「身だしなみ」みたいな、男性がヒゲを剃ったり女性が化粧したりするような感覚なのかなと思っています。

まだ会社にいたころに、エレベータで社長と一緒になったことがあります。

僕より3~4歳年長の社長が僕の顔を見て「やまえー※、髪の毛黒いなあ」と言うので、「いや、染めてますよ」と言ったら、僕が何を使っているかという話になりました。

※「やまえー」は「山本英治」を短縮した僕の愛称です

「商品名は忘れたけど、トリートメントタイプのやつです。髪の毛洗ったあと、水分を拭ってから髪につけて、しばらく馴染ませてから洗い流すだけ」
「え、そんな簡単に染められるやつあんの?」
「はい」
「専用のくしとか手袋とか使わんでええの?」
「はい」
「嫁はんに『あなたが染めた後はお風呂の壁に黒いシミがいっぱい付いてる』って怒られたりせーへんの?」

みたいな会話をした記憶があります。

そもそも小さい頃から僕の髪は量が多くて、太くて硬くてゴワゴワでした。通っていた散髪屋のおっちゃんには

兄ちゃん、髪の毛ぇ硬いなあ。ハサミいたむわ

などと嫌味を言われたものです。

朝起きたら寝癖がひどくて、何をつけても、どんなになでつけても言うことを聞いてくれず、まるで髪の毛が意思を持っているみたいでした。高校の数学の授業中に、僕は

そうか! 自分の髪の毛は質量と方向性を持つベクトルだったんだ!

と気づきました。

そんなタイプの髪の毛は禿頭とくとうタイプではなく白髪はくはつタイプであると聞きます。

でも、別にハゲだけはなんとしても避けたいとか、白髪が増えてくるのは恥ずかしいなどとは思っていません。ま、年を取れば少なくともどちらか一方は進むものだと理解しています。

ただ、自分としては「これはちょっとな…」と思うのは、行きつけの理髪店で以前見かけた高齢のお客さんのようなパタンです。

この人は理髪店で毛染めをしてもらっていて、染め終わった髪の毛は、もうカラスも驚いて逃げて行くばかりの、艶々の真っ黒けなのです。

なのに、その人の、昔の村山首相みたいな爆発的な眉毛はと言えば、さながら雪のように真っ白なのです。それって、おかしくね?

その人を担当していたのは僕の髪を長年切ってくれている木村さんだったので、訊いてみると、

そうなんですよ。わたしも一応「眉毛も染めますか?」って訊くんですけど、頑として「要らない」」とおっしゃるので…

とのこと。

ま、確かにそんなことは個々人の自由です。余計なお世話でしたね、すみません。

髪の毛で一喜一憂しても仕方がありません。

ただ、その一方で髪の毛で死ぬほど悩んでいる人がいることも知っています。

薄毛をものすごく気にしている人。カツラをつけていることをひた隠しに隠している人。

その一方で、自分のハゲを平気でネタにして笑いを取っている人もいます(でも、そんな人たちも本当に全く気にしていないのかどうかは分かりません)。

白髪を完全放置している人もいれば、ものすごく小まめに染めている人もいるでしょう(僕はその中間かな?)

人それぞれ悩みの大きさも悩み方も違います。

でも、年を取ればみんなハゲか白髪になるわけだから、ある程度の年齢まで生き延びれば、もうそれ以上悩むこともないんじゃないかな。そもそもハゲや白髪になるのが遅いか早いかを競っても全く意味がありませんしね。

年を経るに従って僕の髪の毛も、若い頃に比べたら相当柔らかくなってきました。まあ、髪の毛はどっちでも良いけれど、脳ミソはやっぱり柔軟な方が良いかな、と思う今日このごろです。

なお、今回のタイトルはできたら「ハゲとしらが」ではなく、「トクトウとハクハツ」と読んでくださいね(そんなところには妙にこだわっている僕がいますw)。

いいなと思ったら応援しよう!

山本英治 AKA ほなね爺
この記事を読んでチップをあげても良いなと思ってくださった奇特な皆さん。ありがとうございます。銭が取れるような文章でもないのでお気持ちだけで結構です。♡ やシェアをしていただけるだけで充分です。なお、非会員の方でも ♡ は押せますので、よろしくお願いします(笑)