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仕事でやってた twitter 初期の牧歌的ないい話

徳力基彦さんが「個人でツイッターやブログを使っていたら、仕事に役立つ出会いやハプニングがあったよ、という話を是非教えて下さい」と書いておられたので、呼応してみます。

ただ、徳力さんの投稿自体は3月のもので、本のネタにしてもらうには遅きに失したのかもしれません。ひとえに私が気づくのが遅かったのが悪いので、それはそれで良いです(笑)

おもろそうやな。やってみよか

私は大阪の放送局に勤務しており、2009年に「ほなね君」というハンドルネームで twitter を始めました。会社の公認アカウントなどではありません。同僚と2人で「おもろそうやな。やってみよか」と始めたのです。

「ほなね君」自体は会社の視聴者向けメールマガジンのレギュラーコーナーの書き手として2002年の10月に誕生しており、6年間で約300本の業界裏ネタ的なものを書きました。文末を「ほなね」(「じゃあね」の関西弁)で閉めるのでその名前になっています。

その連載が終わってしばらくしてから出会ったのが twitter でした。

そしてその後、私自身が年を取るに従って、ハンドルネームは「ほなね君」から「ほなね君、いや、そろそろ爺か?」と変わり、今ではシンプルに「ほなね爺」と名乗っています。

この11年間、それこそいろんなことがありましたが、2つだけエピソードを挙げてみます。

ホームページ間違うてるよ

ある日、視聴者の方から「ホームページが間違ってるよ」とのご指摘をツイートいただきました。見ると本当に間違っています(日付の部分だったかな?)。

何を隠そう、その時私はまさに会社のホームページを作っている部署に所属していたので、背中合わせに座っていた Web編集長の K君に「おい、ここ間違ってるで」と言いました。

K君は「ほんまや。訂正します」と自分でカタカタとキーを叩いてアップして、約5分で訂正終了。僕がそれを受けて「訂正しました。ほなね」とツイートしたら、教えてくれた人が「は、はやっ!」とどんだけびっくりしてたか(笑)

視聴者センター経由ではこのスピード感は絶対に出ません。こういうのが多少は局のイメージアップに繋がっているのではないかと思います。

営業妨害じゃ!

別の例。

ある日、ウチの会社に対して猛烈に毒づいている人がいるのを発見しました。大阪市内の居酒屋の店主のようです。いろいろ読むと、ウチのドラマのロケに店の前を占拠されて営業妨害されたとのこと。

そもそもこの人、なんで怒ってたかと言うと、腹が立つので twitter で文句言ってやろうと思ったら、この局には twitter の公式アカウントもないやないか!と怒り始めたようなのです。で、誰かが「公式ではないけど、ほなね君というのがいるよ」と教えてあげたみたいで、その粒で私も気づいたという次第です。

私は、中身を読んですぐに「ああ、あのドラマか」と分かりました。そして、東京支社編成部所属のそのドラマのプロデューサーが歩いているのを先ほど見かけたので、とりあえず「調べるからちょっと待ってね。ほなね」とメンションしてから、本社の編成部に飛んで行きました。

何しろ公式アカウントじゃなく勝手にやっているので、こういうとき説明するのは大変面倒なのですが、たまたまその場にいた編成部員が「ほなね君」のことを知っていたので話はスムーズでした。ただ、その P は今東京行きの新幹線の中だとのこと。

私はその下で D を務めていた関連会社の K君を訪ねました。それまでいっぺんも話したことない人でしたが、ともかく事情を話して状況を聞くと、当初はちゃんと取材許可を取ったところで撮影し始めたのですが、あまり環境が良くないので少しだけ移動したのだそうです。それが例の居酒屋の前でした。

私が「おっさん、怒っとんねん」と話すと、K君は「分かりました。謝りに行ってきます」とすぐに行ってくれました。

私は内心、「これで治まるかな。下手してもっと怒らせたりせんやろか」と心配したのですが、結果は OK でした。

なぜなら、この居酒屋店主は腹立ち紛れにツイートしてみただけで、まず、私から返事が来るとさえ思っていなかったようなのです。それなのに「すんませんでした。D が話しに行くので聞いてやってください」との返事が来て、ほんとに菓子折り持った D が謝罪に現れたことですっかり気を良くしてくれたようです。

そして、その日のうちに彼は私をフォローしてくれました。

繋がって広がる

いずれも twitter初期の牧歌的な時代の出来事です。でも、これは局にとっての新しいコミュニケーションでした。

今ではしっかり局の公式twitterアカウントができて、私より遥かに若いスタッフが中の人として運営しています。

ただ、twitter というメディアで苦情処理するのは結構難しく、私が自由に動いていろいろな対応を取れたのは、ひとつには私にはそこそこ地位も経験もあったということもありますが、むしろ(自らプロフィールに書いているように)「未公認・非公式アカウント」だったからかもしれません。

なんであれ、私は twitter を始めた日から、全くつぶやかなかった日は1日しかありません(1日だけ忘れてた日がありましたw)。

最近では随分減りましたが、twitter 上で意気投合して、「あんたおもろいな。1回会おうか」と言ってリアルに会った人は100人近いのではないかと思います。そのうちの多くの人といまだにオンライン/オフラインの交流が続いており、仕事にも自分の息抜きにも趣味にも役立っています。

繋がって広がる──これが twitter の醍醐味だと思います。それは企業のアカであっても個人のアカであっても、基本的に変わらないところではないでしょうか。

と言うか、個人も組織もぐちゃぐちゃに繋がって広がって行くわけで、そこには企業のアカも個人のアカもないような気がします(笑)

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山本英治 AKA ほなね爺
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