1stEP『今日と』リリースに寄せて
アコースティックユニット「ワタリドリ」
ボーカル:たけおかあや子
ギター:山田哲也
この度、活動11年目にして初めてのEPを配信しました。
※Apple music/Spotify/Amazon musicなど各配信サイトよりストリーミング、ダウンロード可能です。
せっかくなので、リリースした全3曲の制作所感や思い入れなどを書いていきたいと思います。
1.epilogue 作詞:棚瀬葵 作曲:竹岡綾子 編曲:山田哲也
ずっとくま子オリジナルと呼んでいた楽曲。今回のリリースにあたって、竹岡が昔一緒に曲を作った相棒と相談して曲名を決めてもらいました。葵さんありがとうございます。
ユニットを組むずっと前から竹岡の勝負歌としてあった曲で、僕自身この楽曲を初めて聴いたのは、彼女がサークルに入会してから最初の定期演奏会だった。その時からずっといい曲だなぁと思っていたので、ユニットを組んで一緒にやれて嬉しかったことを覚えています。組んでからもしばらくこの曲以外のオリジナル曲ができなかったので、この1曲とあとはカバーでライブをしていました(今考えると結構無謀)
そんな感じだったので、自分が作っていないけれども、ユニットの精神的支柱になっていた大切な曲でした。
今回収録するに当たって、自分の曲ではないので、全3曲の中で1番アレンジに気を遣いました。全体の雰囲気は「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」っぽさを意識しつつ、エレキでシンセっぽいバッキングやディレイのフレーズを入れてみたりしながらも、印象的なアコギのフレーズはちゃんと聞こえるようなmixを心がけたりなど、とにかく昔の竹岡が弾き語りでやっていた時の雰囲気を壊さないように楽曲の世界を拡張していくのが大変でした。
その分完成した時の達成感はひとしおで、3曲の中でもこの曲が1番自信があります(お前が作った曲が自信あるとかじゃないんかい)
2.煙 作詞:竹岡綾子 作編曲:山田哲也
ユニットとして最初に作ったオリジナル曲。2014年の4〜5月にかけて制作。
当時の僕は、竹岡の激渋な歌詞にいたく感動して、自分もとにかくオシャレでカッコイイ曲を作るぞ!という確固たる意思の下、ギリギリ弾けるテンションコードや難しいフレーズを凝りに凝って詰め込みまくって形にしました。初合わせの時に「この曲難しい〜」と言われた事をよく覚えています。ライブでもかなり好評で嬉しかったけど、弾いててめちゃくちゃ難しかったので客席の方を見ている余裕はなかったです(笑)
当時、ライブの録音を島村楽器が行っていたコンテストにも応募したのですが、全然ひっかかりませんでした(スマホで撮った録音を適当にmixした音源だったので致し方ない)
今回のレコーディングでは、当時のままを再現するという方針で制作したので、ボーカル、ギター、パーカッションだけのシンプルな編成になっています。今弾いてもやっぱりギターが難しいので、100%満足いくテイクではないものの、なんとか昔の勘を取り戻してそれらしく仕上げることができました。
※久しぶりに練習で弾いた時、全然演奏できなかったのはここだけの話……
3.汐リ 作詞:竹岡綾子 作編曲:山田哲也
ユニット2つ目のオリジナル曲。2014年の9月に制作。
読み方はしおり。造語(少年時代の風あざみみたいで良くない?)
今改めて聞くと、竹岡の歌詞がめちゃくちゃ爽やかでいい。
煙とは打って変わって、とにかくシンプルな曲を作ろうと意識して制作したので簡単なコード4つで演奏できる。個人的には2番のAメロの歌詞の乗せ方がめちゃくちゃ気に入っている所です。
ライブでは必ず最後に演奏していたので、今回も3曲目に収録されています。
今回のリリースで、この曲は通常版、SoundCloud版、シングルカット版(近日発表)でアレンジが全く違うのでぜひ全部聞いてほしいです。
そういえばEPの中で唯一僕がコーラスで参加しております。
楽曲に関してはこんなことを考えたりしながら制作作業をしていました。
ちなみに今回のEP、メインボーカルと1曲目の作詞作曲、2.3曲めの作詞、ジャケットのデザイン以外は全て山田がやっております(2.3曲目の作曲、全部の曲のアレンジ、レコーディングのディレクション、MIX、マスタリング、ディストリビューションの申請諸々……)フリーランス最高
ついでにこぼれ話ですが、配信リリースを今日にしたのは、3曲目の汐リをライブで初めて披露したのが2014/10/24だったからです。
※2014/10/24のライブで初披露した時の録音
あれから10年、こうやって形にして発表できたのが本当に嬉しく思っています。あの頃のライブすることでしか音楽を表現することができなかった自分たちに、やっと光を当てられた感じがして胸がいっぱいです。どうか、少しでも多くの方々に形になった曲を聞いていただければ幸いです。
※SoundCloudにはそれぞれの曲のアレンジ別バージョンと、ボーナストラックが2曲ありますので、こちらも合わせてぜひお願いします。