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「高輪築堤」、今度はどう処理するのでしょうか。

 11月16日の朝日新聞デジタルに、「「高輪築堤」とみられる石垣出土 田町駅近く、羽田アクセス線予定地」という記事が出ています(読売新聞オンラインには15日に同様の記事が出ていました)。

 2019年、高輪ゲートウェイ駅周辺で計約900メートルにおよび「高輪築堤」が見つかり、そのうち状態の良い2か所、計約120メートル分が国史跡に指定されました(国指定史跡「旧新橋停車場跡及び高輪築堤跡」のうち、特に高輪築堤跡の文化財的価値を広く普及することを目的とした『概説 高輪築堤』(港区教育委員会)の抜粋が、港区のホームページに出ています)。現地保存ということになり「開発エリア内に建設予定だったビルの設計を変更し」、その他の部分は記録を取って解体したという経緯があります(港区立郷土歴史館のホームページには、詳細な経緯や関連する資料が載っています)。非常に貴重な近代化遺産ですので、本来は全部保存しても良いくらいだったのですが、今回はどう処理するのでしょうか。

 今回はJR田町駅の北東約100メートルという場所なので、現在の田町駅の北から旧品川停車場までの約 2.7㎞区間とされている「高輪築堤」の、北の始まりあたりの部分なのではないかと想像されます。陸上から海上に切り替わる部分がどのようになっているのか、大変興味がありますし、つなぎの部分はその処理がどのようになっているのかは現物があるとわかりやすいですので、そのような部分ならば、保存という判断が望ましいと思います。

 ただ、今回の発見場所が「東京駅と羽田空港を直通18分で結ぶ新線計画「羽田空港アクセス線・東山手ルート」で、「新ルートがJR東海道線に乗り入れる」予定地だということなので、2031年度開業をめざすJR東としては、アクセス線の工期に影響があるかどうか、大変気になるところでしょう。
 有識者による検討委員会で、調査、保存方法について議論されるとのことなのですが、前回イコモスから見直しの申し入れがあったくらいですから、かなり慎重な判断のうえで、対処する必要があるでしょう。個人的には「保存」の判断が必要だと思いますが、どうなるでしょうか。


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