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ビートルズ曲解説 Hey Bulldog

はたして私には「ビートルズを語る資格」はあるのだろうか?
そんな事を考えながら、今回は「エアポート'80様」からのリクエストにお応えします。

曲を聴いた後、オノ・ヨーコはジョンに次のように尋ねた「なんでブルドックなん?」
実際は関西弁でないと思うが、単純に疑問に思ったのだろう。

本作は当初「ヘイ・ブルフロッグ(ウシガエル)」というタイトルで作曲され、リハーサルが行なわれていたが、ポールが犬の吠え声を真似たコーラスを入れることにより、「ヘイ・ブルドック」に改題する事になったそうだ。

歌詞には以下、同じような言い回しが3回出てくる。
Some kind of happiness is measured out in miles
幸せというものは、遠のいてしまった時に気付くものさ
(個人的な意訳なので、他の和訳とは異なると思います)

これはジョンお気に入りの詩人T.S.エリオットの「J・アルフレッド・プルーフロックの恋歌」の有名な句である。

自論だが改題については、次のようなプロセスを辿ったと思う。
「プルーフロック(詩のタイトル) ⇒ ブルフロッグ(ウシガエル) ⇒ ブルドック(犬)」

この日は「レディ・マドンナ」のプロモーション・ビデオの撮影が計画されていた為、カメラで撮影されながらのレコーディングとなった。
映画『GET BACK』以外、実際のレコーディング風景をとらえた映像は「ヘイ・ブルドック」のみとなるので大変貴重である。
この中でジョージはギブソンの名器SGを使用し、珍しくエッジの効いたフレーズを弾いている。

詳しくは「夢参加ポール・マッカートニー」のブログで紹介されている。

この後、メンバーはインドへと旅立つ。

冒頭のヨーコのジョンに対する問い「なんでブルドックなん?」の答え。
インド旅行を前にテンション高まり過ぎて、ポールは曲の終盤に犬の鳴き声を発してしまった。それに対しジョンは「Quiet!(だまれ)」と返し、二人はノリノリだ。

過密なスケジュールに縛られていたメンバーにとって行動制限のないインド旅行ほどテンションが上がるものはなかったのだ。加えて、未知の精神世界を体験する事も魅力的だったはずだ。

エンジニアのジェフ・エメリックによると、メンバーが仲良く力を合わせて全力でレコーディングした最後の曲だと言われている。

あとがき
68年に公開された映画では、「ヘイ・ブルドッグ」が流れる場面はカットされた。頭が4つある青い犬(ブルードック)がグロテスク過ぎて、市場では受け入れられないのではとの判断らしい。

ブルードック

ビートルズの楽曲の中では、隠れた名曲の部類に入ると思う。何しろ露出度が低かった。この度、新青盤に収録されたことを喜んでいる方も多いのでは。音の粒立ちがはっきりして、増々かっこ良くなった。特にyou can talk to meの部分では「シュコーッ パーン!、シュコーッ パーン!」みたいな音が入る。
また、繰り返し半音ずつ上昇していく。それにより、聴いている方もインド旅行前のメンバーと同様にテンションが上がる。


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