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ビートルズ曲解説(番外編)SO BAD

ビートルズに出会って40年。
集大成として1曲づつ曲解説を書いています。
今回は、水ようかん様からの曲解説リクエストにお応えして
ポールのソロ曲「SO BAD」です。

アルバム「Pipes Of Peace」収録曲。
ポールの美しいファルセット(裏声)ヴォーカルのソウルフルな一曲。
ベース(*1)もソウルフル。(*2)

きっと自信作だったのだろう英国では「Pipes Of Peace」のB面、米国ではA面にシングルカットされている。

前作の「Tag Of War」は戦争をテーマに、「Pipes Of Peace」は平和をテーマにした壮大なコンセプトアルバムとも言える。

「Pipes Of Peace」は学生の時によく聞いたアルバムだった。裏ジャケットの写真でポールはK-SWISSのスニーカーを履いており、憧れて私も真似して購入したものだ。
 


曲名のSO BADは「とても悪い」という意味だが、「I love you so bad」では「わたしはあなたをとても深く愛している」といった意味で歌われている。
少し前、若者の間で流行った「ヤバイ」といった言葉の使い方に似ているのかもしれない。
因みに「Boy, I Love You」という節は、この曲を家族に聞かせた際に、機嫌を損ねた息子ジェームズのためにポールが書き足したものらしい。
 
ドラムはリンゴ、ギター・コーラスは元10CCのエリック・スチュワート(*3)、リンダもキーボード、コーラスで参加している。
流石にエリック・スチュワートのコーラスは美しい。10CCの代表曲「I’m not in love」を彷彿させる。

ポールはジョンに代わるパートナーをずっと探していたのだろう。パートナーの変遷は以下の通り。
ウイングス期(デニーレーン)、ソロ期(スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、エリック・スチュワート、エルビス・コステロ)

パートナーのタイプは様々で、ポール自身、当時は手探り状態だったようにも思える。

 
(*1)バイオリン型のヘフナーベースも良いが、個人的にはこの曲でも使われたウイングス時代から愛用しているリッケンバッカーの独特な音色が好きだ。もう一度使ってほしいな。
 
(*2)「アートオブ・マッカートニー」ではポール憧れのソウルシンガー、
スモーキーロビンソンがカバーしている。ポールも感無量だろう。

 (*3)10CCのバンド名由来はメンバー全員の精子を集めたら10CCだったという都市伝説があるが間違いである。正しくは所属レコード会社の社長が夢の中で思いつき、「神のお告げかもしれない」と考え名付けたとされている。


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