【特別編】Baby’s Request 「バック・トゥ・ジ・エッグ」もコンセプトアルバム
今回は【ゆめ参加NAブログ】で知り合ったお仲間、ABBYさんからのリクエストにお応えします。
1968年にビートルズが発表したアルバム「Sgtペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」は50年以上経った現在でも高い評価を得ている。
架空の楽団が演奏するというロック初のコンセプトアルバム(概念、構想、演出の統一)に起因するところが大きいようだ。
あくまでも自論なのだが、ウイングスのラストアルバム「バック・トゥ・ジ・エッグ」も同様にコンセプトアルバムだと思う。
以下の通り、ラジオというメディアコンセプトで繋がっている。
1曲目 Reception:この場合、Receptionの意味は受信。ラジオが放送局からの電波を受信するという意味。タイトなベース音が印象的な曲の終わりには、ラジオのチューニングを合わせる音が入っている。
2曲目 Getting Closer:チューニングが合ったところで「ジャーン!」と始まる。
3曲目以降:様々な楽曲がラジオから流れる設定。
最終曲 Baby’s Request:ラジオ局に思い出の曲をリクエストするという歌詞の楽曲で幕を閉じる。
「バック・トゥ・ジ・エッグ」とは、その名の通り”卵に帰る”(原点に戻る)の意味。
ポール自身、幼い頃に聴いていたラジオから流れるメロディーを懐かしく思ったのかもしれない。
そういえば同時期、ラジオの黄金期を懐かしむバグルスの「ラジオスターの悲劇」という曲もヒットしていた。
「バック・トゥ・ジ・エッグ」LPではA面は“Sunny Side Up”( 半熟片面の目玉焼き)と名付けられ、B面は”Over Easy”(ひっくり返して黄身側も少し焼く)とクレジットされ、アイデア満載。
本題に入ります。
Baby’s Requestに関してポールは次の通り回想している。
南フランスで休暇を過ごしていたとき、キャバレーでミルズ・ブラザーズを観たんだ。既に引退したと思ってたけど現役で頑張っていた。健在ぶりに感激して控室を訪ねた時、彼らの一人が「やあ、ポール。ミルズ・ブラザーズに曲を書いてみないか」って。それで僕は「ああ、いいよ」って答えたんだ。
ホテルに帰って翌日、彼らのために曲を書いて、ロンドンに戻ってからデモを作り、彼らに渡したけど、残念ながらマネジメント側でちょっとした手違いがあったんだ。それで結局、WINGSでレコーディングする事になった。
ポールが得意とするジャズ・スタイルのバラード。
ポールの父はジャズバンドで活躍するピアニスト兼トランペッターで、休日は父親の弾くピアノを楽しんだ。これが後の自分の音楽的才能に多大な影響を与えたと語っている。
PVではリンダがウッドベースを弾く真似をしている。このベースは、エルヴィス・プレスリーのバンドのベーシスト、ビル・ブラックが使用していたベースで、リンダがポールにプレゼントしたもの。96年のアンソロジープロジェクト“Real Love”では、このウッドベースを使用している。
PVの設定は軍楽隊の演奏なので、これも「Sgtペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」とコンセプトは同一。
それにしても、砂漠の真ん中での演奏シーンに違和感を感じるのは私だけだろうか?(笑)
【あとがき】
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