見出し画像

【番外編】Winter Rose/Love Awake ウイングス解散の原因は?

大阪で開催されている【ポール・マッカートニー写真展】で出会ったMIMI様からのリクエストにお応えします。

映画「ワンハンド・クラッピング」を観た。映像は1974年に撮影されたもので、成功の絶頂期にあったウイングスのレコーディングセッションを収めている。
楽曲の素晴らしさは勿論のこと、演奏テクニック・コーラス・結集力、改めてウイングスの実力を感じた。

映画「ワンハンド・クラッピング」


何故こんなに良いバンドが解散してしまったのだろう?
以前、解散理由は以下との記事を読んだことがある。

① ポール大麻所持逮捕による活動休止
② バンドメンバーの低給与
③ リンダの存在

① については、ごもっともだと思う。
② について調べてみたら次の通り。
歩合制ではなく定額制で、結成当初は週35ポンド、途中から改定して週75ポンドになったらしい。現在の貨幣価値に換算すると当初は年収560万円、最終的には年収1,200万円に相当する。
*情報の出どころは「ブラックバード ポール・マッカートニーの真実 」より

定額制なのでレコードが何枚売れても、ツアーで何万人動員しても給与は変わらない。世界トップクラスの人気バンドのメンバーとしては、なるほど少ないと感じるだろう。
ポールの相棒、デニー・レインすら収入への不満を訴えていたので、信憑性は高い。

③ については、「ワンハンド・クラッピング」を観て確かにリンダの存在感は大きいと感じた。
リンダはドラマーに対して執拗にテンポが合っていないと発言していた。プロのミュージシャンにとって、音楽経験の浅いリンダからの発言、結構キツかっただろうな。

ウイングス中心メンバー ポール、リンダ、デニーレイン

本題に入ります。Winter Rose/Love Awakeはウイングス最後のアルバムとなってしまった『Back to the egg』収録曲。

ビートルズ時代、リンダとの新婚旅行中に書かれたらしく、日の目を見るまで10年程かかったことになる。

前半のWinter Roseは冬を描写したもので、後半のLove Awakeは雪解けや春の訪れを描写したような穏やかさを持っている。冬から春への移ろいを歌ったこの2曲は別々の曲を結合したもので、ポールお得意のメドレー形式となっている。
それほどメジャーではないが、コアなファンにとっては人気曲である。

以前、雑誌『レコード・コレクターズ』に”ポールマッカートニー ベスト・ソングス100”というランキング企画があった。
音楽評論家25人の人気投票によるものでWinter Rose/Love Awakeはランク外だった。

尚、『Back to the egg』から選ばれた楽曲は以下の通り。
Arrow Through Me(22位) Getting Closer(40位) Baby's Request(54位)
ちなみに堂々の1位はAnother Dayだった。納得!

Spies Like Usが98位にランキングされていた。個人的にはWinter Rose/Love Awakeの方が上位だと思うのだが・・・。

この曲では、おそらくバンドメンバーは参加していない。この頃のポールにとって
ウイングスはどのような存在だったのだろう?

残念ながら『Back to the egg』は商業的に失敗作と言われており、ヒットアルバムとはならなかった。後に発表したソロアルバム『McCartney II』の方が良く売れたようだ。

『Back to the egg』(1979年製作)はその名の通り”卵に帰る”(原点に戻る)。ビートルズ時代の『Get Back』(1969年製作)とコンセプトは同様である。
  
ポールは60年代末にビートルズを脱退した。同様に80年代の幕開けに更なる新天地を目指すため、70年代末にウイングスの解散を決意したのかもしれない。

【あとがき】
「ワンハンド・クラッピング」の海外レビューについて、ゆめ参加NA様のnoteを紹介させていただきます。👇


いいなと思ったら応援しよう!