Oh Darling ポールの気持ち、ジョンには届かず
今回は高校の時の同級生、水野君のリクエストに応えます。
「LIVE BAR」での演奏がんばって。今度、一緒に演奏しよう!
ビートルズとして最後にレコーディングしたアルバム『Abbey Road』収録曲。
歌詞の内容はポールがジョンに向けたメッセージだと思う。
ポールは自身の心情を歌うことが多い。リンダと結婚したばかりのポールが女性に懇願する歌詞を書く理由は考えにくい。
ヨーコの影響でバンド活動に「心あらず」の状態だったジョンに対して書いたものではないだろうか。
そしてジョンの曲 Don’t let me downの歌詞の一節を模して訴えている。
Oh Darling:I'll never let you down
(君をがっかりさせたりしないから)
Don’t let me down:Don’t let me down
(私をがっかりさせないで)
ジョンを尊敬していたポールが、彼を引き留めてビートルズを存続させたいという切ない想いを込めて、次のように歌っている。
Oh! Darling, if you leave me
最愛の人よ もし私の元を去るのなら
I'll never make it alone
私は一人で何もやり遂げられなくなってしまう
後にジョンはインタビューで、この曲を「ポールの凄いやつ」と賞賛したうえで、「これはポールよりどっちかといえば、僕のスタイルの曲だ。でも彼が書いたものだし、しかたがないじゃないか。彼が歌うことになったのさ。彼にセンスがあったら、きっと僕に歌わせたさ」と語っている。
詳細は「ゆめ参加NA」様がブログにて解説されています。
つまり、ジョンにポールの気持ちは全く伝わっていないことになる。残念!
おそらく、こういった気持ちの行き違いが解散に繋がったのだろう。
レコーディングを開始したのが69年の4月20日で最終録音が8月11日ということで、ポールが相当こだわった曲であることはこの長期間からも伺える。
とかく、ポールの熱唱スタイルのボーカルが評価されるが、実はリンゴのドラムもすごい。
ロックドラマーはあまり叩かない複雑なフレーズ。まるでジャズドラマーみたい。👇
この曲、南佳孝の「スローなブギにしてくれ
(I want you)」とよく似ている。
前奏のチャラン ♪ という感じとか。
サブタイトルのI want youも『Abbey Road』に収録されていたな。
ビートルズへのオマージュかな。
【あとがき】
日本では独自にシングルカットされた。
A面 Oh Darling、B面 Here Comes the Sun
近年、Spotifyの再生回数では圧倒的にHere Comes the Sunが上位である。
しかし、当時のパワーバランスではポールの方が上位だったのでA面を獲得したのだろう。