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Hey Jude 元祖 応援ソング

今回は高校の時の同級生、水野君のリクエストに応えます。
「LIVE BAR」での演奏がんばって。今度、一緒に演奏しよう!

ビートルズが設立したアップル・レコードからの第1弾シングルとして68年8月に発売。この曲がビートルズのシングル中最も売れ、全世界で1,300万枚のセールスを記録した。

本作は、ジョンがオノ・ヨーコと交際を始めた事をきっかけに、ジョンとシンシア夫妻の離婚が決定的となり、精神的に不安定な状態にあったジョンとシンシアの息子ジュリアン・レノンを慰めるためにポールが書いたバラード。

ジュリアンの愛称はジュールだが、発音の都合上ジュードにして、現在のタイトルとなった。
もともと5歳の子供を励ますための歌ではあったが、歌詞は恋に積極的になれない友を励ますという内容になっている。
そういった意味では、元祖 応援ソングともいえる。

ポールは実際、当時よくジュリアンに会いに来ていたそうで、ジュリアンも後年ポールの優しさに感謝している。ポールの温かい人柄を示す逸話である。

ポールとジュリアン


ポールとジュリアン(近影)

他にも、この曲には様々な逸話がある。
①    96年、この曲のレコーディング用の楽譜がオークションに出品された際、「ポールが僕のために書いてくれた曲だから」との理由で2万5千ポンド(日本円で約500万円)で落札したのがジュリアンだった。

②    ポールが出来上がった曲を初めて披露した相手は、ジョンとヨーコだった。ジュリアンの憂いのもとになった張本人の二人に聴かせるというポールの感覚、それを喜んで聴いたというジョンとヨーコの感覚も共に理解しがたい部分がある。天才には天然なところがあるのだろうか。

③    しかもジョンは、この曲を自分自身とヨーコに向けられた励ましの曲だと勝手に思い込んで喜んでいたそうだ。

④    歌詞について、ポールは“The movement you need is on your shoulder"(君に必要な行動は君の肩にかかっている)をちょっと気取ったセリフのように感じていた。そこでジョンに、「この部分はあとでカットするから」と言うと、ジョンは驚いて「どうして?その部分が歌詞の中で一番美しいじゃないか!」と言って、それを止めたという。

⑤    また、“Remember to let her under your skin"(心を開いて彼女を受け入れるんだ)の後、ポールのFuckin’Hell(くそっ)と声を上げるのが聴こえる。ピアノを間違えて思わず声に出してしまったようだ。ジョンが「消さずに残しておけ」と言ったので、そのまま残しておいたそうだ。
どのような意図があったのだろう?凡人の私には理解できない。

⑥    リンゴのドラム。2番になってようやくドラムが入るが、トイレから戻ったリンゴが叩き始めたのが、たまたまそこだったらしい。
映画「GET BACK」にて明らかになったが、ビートルズのメンバーはビール&ワインを飲みながらスタジオで演奏していた。結構、自由な感じでレコーディングしていたようだ。

BUMP OF CHICKENのボーカル藤原氏は「この曲の好きなところはジョンの変だけど、かっこいいコーラス」と語っていた。確かに他にはないコーラスだなぁ。
以下のコーラス解説動画 4分20秒あたり 👇



この曲を聴くと2012年ロンドンオリンピックの開会式を思い出す。
こちらは、選手に向けての応援ソング。
オリンピックのように絶対ミスが許されない会場では音声トラブルを避けるため、ボーカルも含めた演奏を事前録音しておき、バックで流して、実際の音声と重ねることが多い。いわゆる口パク。しかし、ポールはそれを断り、あくまでライブにこだわった。さすがポール、プロ意識が高い!

そういえば、71年制作の英国映画『小さな恋のメロディー』の中に以下のセリフがあった。
「ヘイジュードを唄いながら家へ帰ろう」
英国では、きっと当時から国民的な曲だったのだろう。

映画「小さな恋のメロディ」

【あとがき】
毎回楽しみにしているビートルズ・ファンブログはこちら。👇
「One Hand Clapping」 日本での劇場公開が決定したようだ。
楽しみ!


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