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安らかに


タイトルをつけるとするなら『罪と罰』


地球人と、見た目が瓜二つな地球外生命体が主人公。

彼は地球で罪を犯したことが原因で
自分の星に帰ることができなくなってしまった。

そこから、地球での"罰"の日々が始まる。

現代人が想像する
いわゆる、刑務所のようなシステムは存在していなく
ここでは
どうやら、罪を犯した人に一人の一般人が
メンターとしてランダムにあてがわれるらしい。
留学生がホームステイ先に滞在するような

そして、
その"罰"の内容は
それぞれのメンターに裁量があるようだ。

ある中年の女性が、彼のメンターを担当することになった。
彼女が与える"罰"は、
彼女の飼い犬の散歩をさせることだった。

"罰"を受ける彼には、
これが、どのように"罰"なのか
全く分からなかった。
理解できなかった。

それでも
これがこの地球という星における"罰"なのであれば、受け入れる他ない
と、彼は毎日犬の散歩を行った。


しばらく経って
彼は、自らの犯した罪がなんなのかさえ、分からなくなった。
思い出せない。

それでも"罰"は続く。


一つだけ
確かになっていったことは
彼は、この"罰"が好きだということだった。

彼の"罰"という日常は
派手さはないが、
愛おしく、温かく、不可欠なものになっていた。


これは、私が昨夜みた夢。

不思議な夢だった。

罪とはなんだろう
罰とはなんだろう
それらを定める社会とはなんだろう
どう在るべきなんだろう
どう在りたいんだろう





先日、おばあちゃんが亡くなった。

ここ数日はバタバタしていて
やっと昨晩、自宅に戻った。

まだうまく消化できない
いや、まだうまく消化できるはずがないのかもしれない

きっと、これからいつまで続くか分からない人生のなかで
自らの想像を超越した色んな哀歓と対峙し、乗り越え
やっと、少しずつ消化できるようになっていくんだろうな

おばあちゃんから贈与されたものたちは
まだまだがきんちょな私の想像には到底及ばないほど
相当量が無自覚に蓄積されている

これからどう認識し、咀嚼するか、消化するかは
まだ見ぬ自分次第だ



ありがとう、おばあちゃん
安らかにね


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