【新企画】Marines Monthly Draft Report #1
どうも、やまけんです。
長らく更新が途絶えてしまいましたが、またnoteでも野球のことについて発信していければと思います。マイペースな更新にはなると思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
早速ではありますが、今回から新企画「Marines Monthly Draft Report」を始動します!
企画内容
既に企画名で察しがついた方もいらっしゃるかもしれませんが、Marines Monthly Draft Reportでは、毎月千葉ロッテマリーンズのチーム状況を簡単に振り返りつつ、アマチュア野球サイドにもフィーチャーし、筆者である自分が独断と偏見でマリーンズにオススメしたい選手を数名紹介する、という企画です。
シーズン中毎月更新することで、二軍まで包括したチーム状況の推移を確認し、それによりチームが10月のドラフト会議で狙うべきポイントを明確にできればと思います。その上で、そのポイントに合致したダイヤの原石(ドラフト候補)を1人でも多くのマリーンズファンの方に知ってもらえればこれに勝る喜びはございません。
また、ドラフト候補の紹介は他球団ファンの方でもお楽しみできる内容にしようと思っておりますので、他球団ファンの方も(ドラフト候補紹介コーナーだけでも)お読みいただけると幸いです。
3・4月のチーム状況
一軍は開幕ダッシュに躓き、現時点で首位の楽天とゲーム差7.5の5位。開幕投手を務めた石川歩やロメロ、そして4月10日のオリックス戦で完全試合を達成した佐々木朗希など先発投手陣の奮闘によりチーム防御率はリーグ1位の1.88を記録するも、打線が全体的に低調で、チーム打率はリーグ5位の.213、本塁打はリーグ最少(タイ)の10本。昨季打線の柱を担っていたマーティンが打率.131、1本塁打という大不振にあえいでおり、それがチーム全体の得点力不足に大きく影響しています。加えて、昨季までの強みだった救援陣が終盤に粘りきれず決勝点を献上してしまう試合が目立ちました。
二軍も一軍と近い部分があり、投手陣はイースタンリーグ2位のチーム防御率3.35を記録している一方で、チーム打率.232と打撃陣の突き上げが弱い状況が続いています。特に、順調に調整が進んでいると思われた荻野貴司や角中勝也らベテラン勢が故障により再び戦列を離脱してしまった点はチームにとって大きな誤算となったのではないでしょうか。
このような状況を踏まえた上で、今月のおすすめドラフト候補紹介に移りたいと思います。
今月のおすすめドラフト候補紹介
1. 羽田野温生(右投手・東洋大)
チームの絶対的守護神である益田直也の安定感は今季も光っていますが、昨季セットアッパーを務めた国吉佑樹や佐々木千隼、唐川侑己らの状態が芳しくなく、トミージョン手術明けの西野勇士や新外国人のゲレーロ、ルーキーの廣畑敦也らに頼らざるを得ない状況が続いています。各投手とも一定の活躍は見せているものの、現状益田に繋ぐまでの投手、あるいは将来的に益田の後釜を担う投手という点で不安が残ります。
羽田野投手は最速156キロの角度あるストレートが武器で、スライダーやフォークなどの変化球も交えて奪三振を量産する投球スタイル。昨年秋のリーグ戦では9試合8回1/3を投げ12個の三振を奪っています。
188cm95kgという大柄な体格ながら50mを6.1秒で走る脚力があり、東洋大の杉本泰彦監督に「潜在能力は150キロトリオ(上茶谷大河、甲斐野央、梅津晃大)よりも上」と評価されるほど。大学通算で投球回数(20回)と同じ数の四死球20を記録している制球面で課題が残るものの、ここが改善されれば将来的には日本を代表するリリーバーとなってもおかしくありません。
2. 吉田賢吾(捕手・桐蔭横浜大)
3,4月はとにかく貧打に悩まされました。好投手の多く揃うパ・リーグ全体が投高打低の傾向にあることは間違いないものの、打力、特に長打力のある選手の絶対数が他球団に比べて少なく、チーム長打率.282は12球団中11位。チームとしては確固たるレギュラーを確立できているポジションが少ないため、ポジションを問わず長打力のある選手を指名しに行くのも選択肢のひとつとなり得るでしょう。
そこで今月おすすめしたいホットな選手がこの吉田賢吾選手。打力に秀でた選手で、レギュラーに定着した2年秋から昨秋まででリーグ通算130打数52安打、打率.400を記録しています。加えて、昨秋5本塁打、今春のリーグ戦でも既に5本塁打を記録しており、まさにホームランアーチストとしての才能を開花させつつあります。捕手としての守備面でも二塁送球1.8秒台を計測するスローイングなど及第点レベル。
現在、チームでは高卒ルーキーの松川虎生と3年目の佐藤都志也がスタメンマスクを託されており、捕手として見た時にドラフト指名は現実的ではないかもしれません。しかし、右打者として見れば大学生の中でトップクラスの打撃力を持っている選手であることに違いはなく、充分にドラフト指名対象の選手となるでしょう。今後もその打棒に注目です。
3. 福永裕基(内野手・日本新薬)
4月18日に中村奨吾が国内FA権を取得。攻守両面でチームの核となっている選手であることは今更言うまでもなく、ファンとしては当然残留を願いたいものの、仮に残留したとしても後釜を考え始める時期に差し掛かっていることは事実です。
福永選手はその中村の高校の後輩にあたる強打の内野手。専修大を卒業後、日本新薬に入社し4年が経ちますが、その打撃力は年々凄みを増してきており、今やアマチュア野球界で最もNPBに近いと言っても過言ではありません。今年も社会人野球の公式戦で既に5本塁打を記録しています。守備では二塁、三塁を守り、堅実さが光ります。
来年27歳になるという年齢面の不安はどうしても付きまといますが、個人的には現段階での打力でも既に一軍のレギュラー争いを演じることができるだけの能力はあると思います。昨年2位で指名した池田来翔とは同じ右打ちの二塁、三塁手という点でキャラが被りますが、打力のある選手の絶対数確保という点においては補強ポイントに合致すると言えるでしょう。
4. 田中幹也(内野手・亜細亜大)
貧打と同時に、今月は守備面でも課題が露呈されました。19失策はリーグワースト2位、そして守備率.982はリーグワースト1位タイ。打線のみならず、守備陣までもが好投を続ける投手陣の足枷となってしまっているのが現在のチーム状況です。また、19失策のうち13失策が内野手によるものと、内野守備が課題と言えそうです。
そこでおすすめしたいのが、アマチュア球界ナンバーワンの守備職人・田中幹也選手です。先ほど紹介した福永がアマチュア野球界で最高レベルの打力を誇る内野手だとしたら、この田中選手はアマチュア野球界で最高レベルの守備・走塁力を誇る内野手と呼べる選手です。
ポジショニング、打球反応、捕球・送球技術、身体能力とどれを取っても超一流。セカンド、ショート両方のポジションを高いレベルで守ることができる選手です。また、4月14日の國學院大戦では、東都大学野球連盟における1試合最多盗塁記録となる6盗塁を記録、今季通算でもここまで11盗塁を記録するなど足のスペシャリストになり得る素養も持ち合わせています。
小柄な体格ながら、守備走塁のスペシャリストを欲しているチームは上位での指名を狙っていてもおかしくない存在。それだけの価値がある選手と言えます。
5. 海老根優大(外野手・大阪桐蔭高)
一軍には藤原恭大や髙部瑛斗、和田康士朗ら若い年代の外野手が顔を並べているものの、二軍では故障者が出ている関係もあり、本来捕手を本職とする谷川唯人らが外野手としてスタメン出場する試合もあるなど、貴重な実戦機会の場を充分に活用できているとは言い難い状況です。外野手は他のポジションと比較するとコンバートによる補填も比較的容易なポジションとはいえ、場当たり的に他のポジションの選手を埋め合わせするよりは、高いポテンシャルを秘めた本職外野手を指名して育成の場を有効活用したいところです。
その点で是非推薦したいのが、大阪桐蔭高校でセンターを守る海老根優大選手。競輪選手の父と元陸上選手の母を持つアスリート一家で生まれ育ち、力強いスイングやベースランニング、外野からの送球を見るだけで「フィジカルエリート」であることが十二分に伝わります。3月に行われた選抜高校野球大会では19打数8安打2本塁打を記録し、チームの優勝に大きく貢献しました。
まだ全体的に荒削りである点は否めませんが、実戦経験を積極的に与えたいと思わせてくれる稀有な存在。千葉出身ということもあり、今後も楽しみに追いかけたい選手です。
〈知ってもらいたい!隠れた逸材〉松井颯(投手・明星大)
最後に、個人的におすすめしたい「隠れドラフト候補」を紹介したいと思います。
今月紹介したいのが、首都大学野球連盟の2部リーグに所属する明星大のエース・松井颯投手。最速は152キロで、先発でも常時147キロ前後を計測する馬力の高さに加え、落差の大きいシンカー系のチェンジアップやスライダーなどの変化球を交えて三振を奪います。今春のリーグ戦ではここまで23回1/3を投げて30奪三振、防御率1.16と圧巻の投球成績を記録しています。
今年のドラフト候補の中で、先発で常時145キロ以上のストレートを投げ込める投手はほとんどおらず、その点においては上位級の存在であると言えます。首都リーグの2部ということで陽の目を浴びる機会は多くありませんが、皆様にも是非一度見ていただけたらと思います。
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