Marines Monthly Draft Report #2
どうも、やまけんです。
Marines Monthly Draft Report、第2回です!5月も激アツだったアマチュア野球界から、将来のマリーンズを救ってくれるであろう選手を紹介してまいりたいと思います。
5月のチーム状況
開幕ダッシュに躓いた先月に引き続き、チームは未だ調子に乗り切れず5位と低迷が続いています。
先月、チーム防御率1.88と好調だった投手陣も、5月になりチーム防御率リーグ4位の2.89まで悪化してしまいました。とはいえこちらはトータルで見たら及第点であることに違いはありません。
問題は打線で、チーム打率が12球団ワーストの.215と深刻な状態。チーム得点数も12球団ワースト3位の177と、依然として得点力不足で頭を悩ませている状況です。レアード、マーティンの両外国人が本塁打を打つ試合が増えてきてはいるものの、日本人で打線の中心を担える選手がいない点は長期的に見てかなり危険な状態であると言わざるを得ません。
この2年間一軍で積極的に起用されてきた安田尚憲ら若手選手の成長が滞っており、これがチーム全体の歯車を狂わせている要因の一つとなっているのではないかと感じます。今年以降のドラフト戦略、また育成戦略も見直す必要性があるのかもしれません。
【2022年版】千葉ロッテマリーンズ年代表
本来であれば前号#1で添付すべきでしたが、すっかり忘れてしまっていたので2022年版の千葉ロッテマリーンズ年代表ファイルを添付させていただきます。選手の入退団や支配下昇格等のイベントが発生した際には翌月に更新しアップロードしようと思いますので、その都度最新版をご確認いただけると幸いです。※PCでのダウンロード、閲覧を推奨します!
⚠️注意⚠️
選手のポジションはなるべく現実の起用に即した形で記載していますが、詳細部分(先発or救援、二塁or三塁etc…)は作成者である私の主観で決めさせていただいておりますので、現実の起用法と多少の誤差があるかもしれません。その点ご了承ください。
この年代表では、19歳から24歳までを「若手世代」、25歳から30歳を「中心世代」、31歳以上を「中堅・ベテラン世代」として世代分けしました。
投手・野手ともに世代分布のバランスは取れていますが、ここで大事なのは何歳の選手がどのポジションに何人いるかという点ではありません。果たして中心世代の選手は正常に機能しているのか、中堅・ベテラン世代の後継者候補の準備は進んでいるのかという観点で見る必要があります。この辺りは次号以降でも掘り下げていければと思います。
今月のおすすめドラフト候補紹介
1.曽谷龍平(左投手・白鷗大)
開幕以降好調だった先発投手陣も、5月に入りやや調子は下降気味。また、二軍でも故障者やコンディショニング不良の投手が増加傾向にあり、特定の投手にかかる負担が大きくなっています。このようなチーム状況を鑑みると、ある程度即戦力性を担保でき、かつ将来的に一軍のローテーションを担えそうな大学生・社会人投手は今年のドラフト指名ポイントに入ってきてもおかしくありません。
その点でオススメしたいのがこの曽谷投手。速球が自慢のサウスポーで、最速152キロ、平均145キロ前後と既にプロの一軍投手級のボールを投げています。また手足が長く、リリースポイントが打者に近いため、球速表示以上に更に速く感じさせるのも特徴です。変化球もスライダー、カーブ、カットボール、ツーシーム、チェンジアップなど多彩で、速球を軸にこれらの変化球を交えることで相手打者の左右を問わず打ち取ることができます。
今春のリーグ戦では46回を投げ被安打19、奪三振55と圧巻の成績。特に5月1日の松本大学戦ではノーヒットノーランを達成するなど、今年のドラフト候補の中でナンバーワン左腕と呼ぶに相応しい投手です。現状、常時一軍にいる日本人左腕が小島和哉のみということもあり、チームとしても左腕は狙いどころ。その点で言えば、曽谷投手も当然候補に入ってくるでしょう。
2.門別啓人(左投手・東海大札幌高)
近年、マリーンズでは二木康太、種市篤暉、佐々木朗希ら高校生右腕を積極的に指名してきましたが、昨年のドラフトでは2015年以来に左腕の秋山正雲を指名。チームの課題のひとつである慢性的な左腕不足の解消に向けて、徐々に動き出している様子が窺えます。
上で挙げた曽谷投手が今年のドラフト候補全体におけるナンバーワン左腕であるならば、高校生の中でナンバーワン左腕に位置付けられそうなのがこの門別投手です。182cm85kgとスケール感抜群の体格から投じられるストレートは最速149キロを記録。昨年から既に道内外で評判の投手でしたが、今春の地区予選3回戦の札幌新陽高校戦で9回20奪三振完封、全道大会準々決勝の知内高校戦でも9回6安打14奪三振2失点完投と驚異の奪三振能力を発揮しており、一冬超えて更に成長した印象を抱きます。
昨年指名した秋山は既にイースタンリーグ公式戦で既に 試合に登板するなど、着実にステップアップを重ねています。今年のドラフトではこの育成計画を踏襲できるような高校生左投手を指名する可能性も充分に考えられるため、門別投手を筆頭とした有望なサウスポーから目が離せません。
3.門脇誠(遊撃手・創価大)
開幕から内野手の低調が目立っています。不動の二塁手である中村奨吾は徐々に調子を上げてきているもの、三塁、遊撃に関しては藤岡裕大の故障もあり攻守とも一軍で勝負できる水準にある選手が皆無という危機的状況。二軍に目を向けても、一軍の内野手陣に発破をかけられるような選手が少なく、今年のドラフトにおける重点補強ポイントのひとつになりそうです。
前号でも2人の内野手を紹介させていただきましたが、今回紹介したいのがこの門脇選手。打撃、守備、走塁とどれをとっても非常にハイレベルな選手で、個人的に今年の大学生の中で最も総合的な能力に優れている内野手だと捉えています。
171cmと小柄ながらバットの出方が非常に良く、またスイングに力強さもあるため長打も見込めます。それでいて一塁駆け抜けのタイムは3.9秒を切ることもある俊足の持ち主。今春のリーグ戦では7盗塁を決めています。
ショートの守備面でも一歩目の速さとハンドリングの柔らかさ、そして強肩を活かし多くのアウトを奪います。高校、大学と下級生時代にセカンドを守っていた経験があり、二遊間両面での起用も選択肢に入れられる選手です。
全国的に注目の集まるリーグではないため知名度はまだ低いかもしれませんが、攻守にアグレッシブなプレーを魅せてくれる選手でもあり、起爆剤としてうってつけな選手であると言えそうです。
4.三塚琉生(外野手・桐生第一高)
前号でも触れた外野手問題。前回は素材として非常に高いポテンシャルを秘めた右打者の海老根優大選手(大阪桐蔭高)を紹介しましたが、今回は左打者として非常に魅力的な選手を紹介したいと思います。
桐生第一高の三塚琉生選手。なんと言っても持ち味は豪快なスイングから繰り出される規格外の打球です。高校通算本塁打数は今春時点で22本と決して多くはないものの、春季群馬県大会で2本塁打を記録しており、夏には量産体制に入っていてもおかしくありません。
チームでは現在主にセンターを任されていますが、投手としても最速143キロを記録するなど身体能力も高く、順調に成長すれば将来は総合的に勝負できる選手となりそうです。ちなみに前号で紹介した海老根選手もこの三塚選手も千葉出身で、いわゆる“地元枠”としての指名される可能性も充分に有り得る選手ではないでしょうか。その点でも夏まで注目したいと思わせてくれる存在です。
5.杉澤龍(外野手・東北福祉大)
今季、3年目の髙部瑛斗が主に1番に座り、徐々に一軍の投手のレベルに適応しつつあります。ハイポテンシャルな高校生も魅力的ですが、荻野貴司や角中勝也ら外野手の高齢化、そして前号でも触れたファームの外野手起用を鑑みると、髙部のように2~3年を目処に一軍に顔を出し、勝負できるような即戦力性のある大学生選手も狙い目でしょう。
その点で今回オススメしたいのが杉澤龍選手。東北の名門・東北福祉大学の3番センターに座り、今春のリーグ戦では打率.550、4本塁打、14打点でリーグ三冠王を獲得。東北ナンバーワン打者と言っても過言ではありません。
東北高校時代から評判の選手で、大学進学後も早い段階からスタメン起用されていましたが、ここにきて打撃の才能が一気に花開いてきた印象を受けます。バットのヘッドが身体の近くを回って出てくるスイングは、今のマリーンズの選手に少ない理想の形。このスイングだからこそ、高打率と本塁打を兼ね備えられていると言えます。
現在開催中の全日本大学野球選手権でも活躍が期待されるほか、侍ジャパン大学代表の候補メンバーにも選出されており、今後のアピール次第では評価を一気に高めるかもしれません。
〈知ってもらいたい!隠れた逸材〉田中達朗(二塁手・東芝)
今月の隠れた逸材紹介は東芝の田中達朗選手。
正確な送球が持ち味で、セカンド、ショートを中心に複数のポジションを安定した水準で守ることのできる選手です。その高いユーティリティ性を武器に、高校、大学、社会人と常にチームの穴を埋めてきました。
社会人3年目の今季は打撃面でも能力の高さを発揮しています。チームでは主に3番に座り、3月のJABA東京スポニチ大会で4戦12打数6安打、5月のJABA東北大会で3戦10打数5安打と2つの大会でいずれも打率.500を記録しており、存在感を発揮しています。
一軍と二軍の内野手の能力が乖離している現状、安定感があり攻守両面で一定水準以上の働きが期待できる田中選手のような存在は現在のマリーンズに必要なピースなのではないかと思います。豪快なホームランや陸上選手並の脚力など「いかにもプロ野球選手」といった派手さや華々しさにはやや欠けるかもしれませんが、求められた役割を果たす仕事人タイプの選手として、プロで野球をする姿を見てみたいと感じさせられる選手です。
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