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書けなくなった訳とまた書こうと思った訳(1)

40歳過ぎに会社勤めを辞めて独立した。有限会社をつくってフリーのキャリアコンサルタントとして活動を始めたのだ。ちなみに、当時はキャリアカウンセラーと呼ばれていた。

お客さまに来てもらうためには、存在を知ってもらわなければいけない。前職がシステム関係の仕事だったので、普及し始めたインターネットを活用しようと思い立ち、ホームページを自作した。アップしてからドキドキしながら待っていたことや、初めてのお問合せが入った時のうれしさとか、思い出すな。

メルマガを発行したり、ブログを書いたりもしていた。自分をさらすことに抵抗はあったけれど、書くネタには困らなかった。フリーになって気持ちが解放され、何を見ても書きたいことが思い浮かんだし、キャリアコンサルティングがまだ今ほど普及していなかったので、キャリア支援の技法や理論は、書く方にとっても読む方にとっても、新鮮な情報だったと思う。そういう意味では、書くことが楽しかった。

書くことがつらくなったのは、自分がマンネリしてしまったことが大きかったかもしれない。そして、50歳前後にエネルギー量が激減してしまったこと。ちょうど更年期にあたる時期だ。

仕事の仲間や取引先には気づかれていなかったと思うけれど、へろへろの状態で何とか働いていた。情報発信する余力はまったくなかった。

若い頃に無理をしたつけが回ってきたんだなーなどと思いながら、自分の体調と折り合いをつけられるようになって、元気は回復したものの、今さらなにか言いたいこともないよな、と思ってしまったのは、キャリア支援の領域で活躍する人も増え、情報があふれているように感じられたから。新鮮な気持ちを取り戻せなかった。

時を経て、そろそろ社会復帰するか、と思った時に、ちょっと困ったなと思ったのだ。(続きはまた)