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【プロ志望届提出選手】金村尚真(富士大)インタビューを大公開!!

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2022年3月31日発売の『別冊野球太郎2022春』に掲載したインタビューです。

★Profile
金村 尚真(かねむら・しょうま)
富士大(4年)
投手
右投右打
176cm80kg
沖縄県出身。小学3年時、豊見城ジュニアに入団。豊見城中では軟式野球部に所属し、3年夏に全国優勝。侍ジャパンU-15(軟式)に選出された。岡山学芸館高では2年秋に県大会で優勝するも、3年夏は準優勝に終わる。富士大では1年春からリーグ戦に登板し、通算26試合17勝3敗で防御率0.87。3年
春には完全試合を達成。完成度が高く、最速149キロのストレートとスライダー、カーブ、カットボール、スプリットでゲームメークする。

強気で打者に立ち向かう

ーーアンケート結果を見て、率直な感想は?

金村 コントロールは自信を持っているところなので、そこを評価していただけたのは素直に嬉しいです。また、東北部門で1位の評価をいただいたので、次は全国でしっかり評価してもらえるような選手になりたいです。

ーー東北部門の1位は2019年が佐々木朗希(大船渡高→ロッテ)、20年が宇田川優希(仙台大→オリックス)、21年が風間球打(ノースアジア大明桜高→ソフトバンク)と投手が並び、うち2人がドラフト1位。プロ関係者の話では、宇田川投手も大変よくなっているそうです。

金村 自分もそのような選手にならないといけないなと思います。

ーー同じ部門でランキングに入った大学生は昨年12月の侍ジャパン
大学日本代表候補強化合宿で一緒だったと思います。

金村 日体大の矢澤(宏太)選手はバッターでもすごくて、ピッチャーでも即戦力投手部門の2位。ピッチャーで負けたくないなと思いました(笑)。慶應大の増居(翔太)投手はコントロールがすごくよくて。(4位だが)自分よりいいんじゃないかなと思います(笑)。キャッチャーのミットが動かないボールを投げていて、すごいなと思いました。

ーーボールをコントロールする上で大切にしていることは?

金村 正直、意識しているところはあまりなくて。キャッチャーが構えたミットをめがけ、「そこに投げるぞ」という意識をしっかりと持って投げるとそのコースにいく。感覚で投げている感じで、具体的に「なにを」というのはないんですけど(苦笑)。ただ、リリースの位置がズレたら、コントロールが悪くなると思っているので、リリースの位置がブレないように練習はしています。

ーーどんな練習ですか?

金村 バッティングティースタンドの上にボールを置き、それをめがけてボールを投げる練習です。距離は10メートルくらいから徐々に延ばしていき、バッテリー間まで。たまに20メートルくらいの距離で投げることもあります。

ーーいつから取り入れている練習ですか?

金村 大学に入ってからです。高校生の頃は思いっきり、とりあえず、コースに投げればいいという感覚でした。でも、大学ではバッターのレベルが上がりました。僕は球がそんな速くないので、コントロールが大事なってくる。大学1年生の頃に、そう感じました。

ーーなるほど。投手として大切にしていることは何ですか?

金村 気持ちの面で負けないことです。1、2年の頃は弱い気持ちでいると打たれる傾向がありました。どんなにすごいバッターでも「自分なら抑えられる」という気持ちで挑むことで、その気持ちが球に乗ると思っています。

冬は球速アップに励む

ーー中学3年時、全日本少年で優勝、侍ジャパンU-15代表(軟式)にも選出されました。ここまでの野球人生において、その経験は?

金村 全国優勝して、代表にも選んでいただいて、自分ってすごいんだなって思ったんですけど(笑)、高校では負けることが多く、甲子園にも行けなかった。挫折とまではいかないですけど、自分の力のなさを痛感しました。その経験により、大学でより一層、頑張ろうと思いました。

ーー大学3年間を振り返ると?

金村 1年生の春から投げさせていただきましたが、秋はケガをしてしまった。体作りや柔軟性を意識するようになりました。ケガをすると練習がストップして、なにもできないですし、チームに迷惑をかけてしまう。その経験は、その後の成長につながりました。

ーー大学でのベストゲームは?

金村 うーん……、やっぱり、(昨春の)完全試合をした試合。リーグ戦の開幕試合で投手戦となり、負けられない試合で集中して投げられた、というのは価値が高いのかなと思いますね。

ーーこの冬の強化ポイントは?

金村 球速がまだまだ。ウエートトレーニングに力を入れ、投球フォームも見直しました。雪も多くて、そんなに外で投げられていませんが、キャッチボールや遠投をすると球が力強くなったかなと感じます。

ーー4年生のシーズンでアピールしたいところは?

金村 ピッチャーなので速い球を投げたいという気持ちはあります。コントロールや投球術はもちろん、その上で球速で「これだけ成長したんだぞ」というところを見せていきたいですね。

ーーエースとしての目標は?

金村 最終学年になるので責任感は強くなってきています。昨年は大学選手権2回戦敗退だったので、自分の力で、全国で勝たせることができるピッチャーにならないといけない。全国で勝てるピッチャーになるというのが目標です。

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Player's Voice・早大・蛭間と勝負してみたい !
大学代表候補合宿で見て、蛭間(拓哉/早稲田大)選手と対戦してみたいと思いました。足も速いですし、打球を飛ばす能力には度肝を抜かれました。合宿の実戦形式で対戦がなかったので、勝負をしてみたい気持ちがあります。対戦した時の初球? もちろん、ストレートです!

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ライター取材後記
山川穂高(西武)、多和田真三郎(元西武)のように、沖縄県から(岡山県経由で)岩手県花巻市の富士大へやってきて、3度目の冬を越した。はじめは積もる雪に心が躍ったようだが、「何回か見たら、もういいと思いました」と苦笑い。しんしんと、時にはモサモサと降る雪が東北地方の野球人を強くする。今季の進化が楽しみだ。

取材・文=高橋昌江