【甲子園出場！】浅野翔吾（高松商業）インタビュー公開【要注目ドラフト候補】
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2022年3月31日発売の『別冊野球太郎2022春』に掲載されたインタビュー（取材を行ったのも3月）です。
☆Profile★
香川県高松市出身。屋島小入学時は水泳スクールに通っていたが、3年時、屋島スポーツ少年団の指導者に誘われ野球に転向する。5年時にチームが合併し、屋島シーホークスで高松市大会優勝。「地元の仲間と全国出場を目指したい」と進んだ屋島中の3年時に全日本少年に出場、目標を叶える。自身は侍ジャパンU-15代表としてアジア制覇。高松商高では2年夏の甲子園に出場し、智辯和歌山戦で本塁打を記録。高校通算64本目を今夏の香川大会決勝で放ち、チームも勝利。2年連続夏の甲子園に出場を決めている。
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「お酢飲みストレッチ」実行中
－－高校生１位、長距離砲１位など多くの項目で上位ランクインしました。率直な感想は？
浅野 長距離砲１位ですか……。大学生以上は木製バットを使用されているので、単純に比較はできないでしょうが、そこが１位なのは素直に嬉しいです。
－－やはり、「長距離砲」は浅野選手自身もこだわりたい部分なんですね。
浅野 はい。そして、僕は負けず嫌いなので、他部門でも１位になれるように頑張っていきたいです。
－－昨秋は県大会・準々決勝で英明に敗れ、２季連続甲子園は叶いませんでした。あらためて振り返ってください。
浅野 自分自身はなかなか勝負してもらえる場面はなかったのですが、その中でも一発で仕留められる場面で打てなかった。そこが課題として残りました。
－－香川県内全域が対象「まん延防止等重点措置」に伴う部活動停止など、難しい状況もありました。その中で冬に取り組んできたことを教えてください。
浅野 自分がこの冬にテーマとしてきたことは、体を絞ることと、柔軟性をつけることでした。体重は昨秋の時点では92キロあったんですが、食事管理やランニングに取り組んで、現在は85キロまで絞りました。柔軟性も毎日自宅でストレッチに取り組んで、フィジカルの部分ではほぼ完ぺきに目標は達成できたと思います。
－－柔軟性の部分で具体的なアプローチはどんなことを？
浅野 長尾（健司監督）先生に「お酢を飲んだ方がいい」と教えていただいたので、温かいお湯を張った湯船で入浴した後に自分の部屋で「お酢を飲みながらストレッチ」を続けてきました。結果、これまでは開脚をして前屈をしても、ヒジがつけられなかったのが、ヒジがつけられるようになるまでになりましたし、脚もこれまでつることが多かったのがつらなくなりました。体重を落としたことで脚へ
の負担も減ったので、プレースピードが上がった実感もあります。
－－他に消化した課題は？
浅野 フリーバッティングから一振りで仕留めることと、チームで掲げる「守り勝つ野球」にもつながるスローイングの部分です。これまではどうしても雑に送球してしまう部分があったので、キャッチボールから正確性と丁寧さを追求しています。
「右の森友哉」が打撃の原型
－－チームとしては走塁の強化に取り組んできたと聞いていますが、ご自身を含めた成長度についてはいかがですか？
浅野 昨年12月にイチローさん（シアトル・マリナーズ会長付特別補佐）から指導していただいて以来、練習でよく理解してやっているので、みんなの状況を見ていてもイイ感じだとは思います。
１つ例を挙げるとリードオフの部分。これまでは跳ねるように取っていたリードを目線変えず静かに取ることで周りの状況も把握しやすくなり、以前より判断ができるようになりました。
自分も打撃面では以前から目線を変えないことを心掛けていたんですが、これが走塁面にも生かせることは今まで気づきませんでした。大きな収穫でした。
－－その「目線を変えない」打撃の意識はいつからですか？
浅野 小学校の時からです。ニュースで森友哉選手（西武）のバッティングフォームを映像で見て、あごから頭のてっぺんまでラインを引いた時に一直線でスイングした後もブレていなかったんです。当時の僕は右打ちでしたけど、「右の森友哉」とみんなからよく言われるくらいにフォームが似ていましたし、自分自身も森選手が好きだったので、その点を意識して取り組んでいるうちに、今のように目線をズラさないようになりました。
－－昨秋の公式戦を終えてからはスイッチヒッターにも挑戦しています。ここで意識している選手とかはいますか？
浅野 最近、左打者で意識しているのは楽天の安田悠馬選手。自分にタイプが似た選手はよく見ます。逆に右打席はもうスイングが固まっているので、今はあまり他の選手の動画は見ないですね。
「まずチーム」で１位指名へ
－－この本が発売される頃には春季香川県大会も開幕しています。最後に夏への目標をお願いします。
浅野 まずはチームのことを最優先に。「勝つために」と考えられれば、自分のプレー判断もいい選択ができるはずです。チームが勝つことができれば、自分が打たなくてもという感じで、夏は昨年届かなかった甲子園８強を目指します。
そして、多くの方々から一番評価される場が甲子園だと思うので、そこでチームを勝ちに導き、評価してもらって上位指名……。
－－いや「１位」で！
浅野 「１位指名」されるように頑張っていきます！
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Player's Voice・U-15のチームメートの制球力がすごい！
上加世田頼希（敦賀気比高）は侍ジャパンU-15代表のチームメート。当時も今も制球力や両サイドに投げ切る力はすごいと思っています。最近特に意識しているのは日本体育大の矢澤宏太選手。「ドラフト1位候補」と注目される矢澤さんを超えるものを備えていきたいです。
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ライター取材後記
浅野翔吾選手への初取材は2020年春の高校入学直後。当時は随所に「やんちゃ坊主」な雰囲気が漂っていたが、中学時代に続いて主将に就任した今では「負けず嫌い」は変わらずとも、常に調和を考えながら言動を考える男に。最近は浦和学院高の集団走や大阪桐蔭高のキャッチボールを「僕らもここを目指そう」とグループラインに紹介したそうだ。
取材・文＝寺下友徳