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火鍋ではない薬膳を関西の皆さんと味わって来ました
薬膳と言うと「火鍋でしょ?」と3,4年前は言われていました。
今では、薬膳も市民権を持つようになったかもしれませんが、まだ薬膳は「火鍋」とか「臭いが独特で食べにくいもの」と思われている方がいたら、ぜひこの料理を見てください。
昨日は、モーリー薬膳ラボの受講生の方、以前受講してくださった方々との交流会を兼ねた忘年会でした。
※受講生の方、以前受講してくださった方とは連続講座を受講された皆さんを指します。
関西を中心に対面で講座を開催していた時に受講していただいていた方や、対面でスタートしたのに、途中からはオンラインにせざるを得なかった状況の方もいらっしゃいます。
リアル忘年会は4回目。
世の中の状況からリアルでの開催はできない年もありました。
去年はリアルとオンラインの二本立て(笑)今年も明日がオンライン忘年会です。
今回はリアル忘年会のレポートです。
なぜこの会にこだわるのか
なぜ、この会をリアルで開催したいのか?
それは、本格的な薬膳料理を味わって欲しいからです。
普段お伝えしている薬膳講座では、最初から凝った料理や特別な食材を使わなければ作れない料理をお勧めしていません。
その理由は、薬膳は特別な日に出かけて食べるものではなく、毎日三食の食事で実践するものだからです。
けれど、やっぱり自分で作るものばかりではなく、本格的な中華の薬膳を味わって欲しいということ、食べた後の体感も感じて欲しいので毎年企画しています。
寒さが増しバリアを高める薬膳
今年は、大阪ヒルトンプラザイーストにある聘珍樓の薬膳ランチコースを堪能しました。
聘珍樓は1884年に横浜中華街に開店した広東料理の中華レストランです。
現在、横浜本店は移転のため一旦クローズしているようですが、大阪聘珍楼は通常通り薬膳コースがありました。
12月のテーマは「培元固表」(ばいげんこひょう)です。
中医学用語なので、初めて聞かれるかもしれません。
その人の大元である「精」を宿す五臓の腎を滋養して、体のバリアを張る体表の強化。つまり五臓の肺の滋養も兼ねた薬膳と言う意味です。
12月に入り寒さが増し風も冷たくなっています。
寒さで弱りやすい腎の強化と、風邪をはじめとしたさまざまな病から体を守るためのメニューでした。
料理の紹介をしますね。
1.三種前菜の盛り合わせ
2.例湯(らいとん)本日のスープ
3.海老と色どり野菜の炒め
4.イトヨリの梅菜、生姜蒸し
5.銀杏、落花生入りちまき
6.黒ごま入り白玉団子シナモン香る糖水
使われていた食材
1.三種前菜の盛り合わせ
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カリフラワーの酢漬け
カリフラワーは腎に作用する食材で、ビタミンCが豊富です。
腎が弱ると、抱え込む力が弱くなり本来、出してはいけないもの(出過ぎる汗や尿漏れなど)が出てしまうのを引き締める酸味の効果も使われています。
里芋の海老子蒸し
里芋は消化器系を強める効能がある食材です。
どんなに栄養のあるものを食べても消化器系が丈夫でなければ、消化吸収力が悪く栄養にはなりません。
粘り成分で粘膜を保護したり、体に溜まったものを排泄させる働きもあると言われる里芋。海老子をかけて腎の底上げにも。
牛すね肉の醤油煮込み
すねと言えば脚。
腎の老化の一つに足腰の弱りがあります。
薬膳には「同物同治」の考え方があり、そこをよくしたければその部位を食べるというものです。
牛肉は体の構成要素「気・血」を補いたい力を高めるもの。
風味づけに使われていたのはクローブ(丁子)や八角などのスパイス類で、これらが温める性質だということにも注目です。
2.例湯(らいとん)
例湯(らいとん)はその日、その季節に合わせて出される香港などで日常的に出される「本日のスープ」です。
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薬膳が食べられる中華レストランでは例湯(らいとん)を必ず注文して欲しい。
— モーリー薬膳ラボ代表|森澤孝美@簡単エイジングケア薬膳講師 (@yakuzen__molly) December 7, 2022
例湯とは本日の日替わりスープの事。
スープにその日に必要なエキスや出汁がたっぷり。
これを頼まないのは実にもったいない事なので。
今日はバリアを張るための白キクラゲ、鶏肉、はと麦、棗入り#薬膳#例湯 #聘珍楼 pic.twitter.com/eFv9Opravn
聘珍樓では、月ごとに変わるとのこと。
白きくらげは、潤いアップさせるきのこです。鶏肉は「気」を補う肉。
はと麦は要らない水分の排泄や胃腸を丈夫に保つ働きがあり、湿度の多い日本に住む日本人の胃腸を守ると言われる食材です。
普段は手軽に炊飯用のはと麦を米と一緒に炊いて食べるようにおすすめしていますが、スープに入れるのも美味しいです。
薬膳と言えばナツメと連想する人もいるくらい最近ポピュラーになったドライフルーツが入っていました。エキスがしっかりスープに入っている事でしょう。
受講生の方たちも、家族が嫌がった時にナツメをどう料理に使うかで盛り上がりました。皆さん工夫しています。
日本人は料理にフルーツ(生でもドライでも)を使うことを嫌がる人もいます。ですが、苦手なら食べなくてもスープにはエキスが出ているので良いのです。スープ、万歳!
食べられる人は、残さず食べると尚よしです。
3.海老と色どり野菜の炒め
これのメインは何と言っても海老です。
体を温める性質で、腎の補強のための海から獲れるシーフード。
れんこんと松の実の潤わせる効能がしっかり使われていて粘膜強化と寒さ対策薬膳の代表ですね。
ブロッコリーもビタミンCが豊富で、粘膜保護や抗酸化力が高い野菜です。
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4.イトヨリの梅菜、生姜蒸し
イトヨリは温める性質の白身魚です。
何と言っても腎の補強の効能が高いのです。
乾燥しがちな太平洋側の冬には蒸し料理もおすすめです。
梅菜は初めてでしたが、塩漬けのからし菜の一種を天日干しした広東省の漬物だとのこと。
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ピリッとした辛味と上に載ったパクチーとの相性がバッチリでした。
香りのよいものは気を巡らせる効能がありますが、冬は運動量が減り気も巡りにくく、そのために水巡りや血巡りも悪化しがちなので。香りのよい香味野菜のトッピングは、家庭でもすぐにできる薬膳ですね。
ちなみにパクチーも温める性質です。
5.銀杏、落花生入りちまき
熱、熱で出て来ちまきは、蓮の葉に包んで蒸されたもの。
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取り皿に移して、開いていただきます。
銀杏や落花生、干し椎茸、干し貝柱、干しエビなども使われた地味豊かな冬のちまきです。
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もち米はうるち米より「気」を補う効能が高く温める性質があります。
美味しくてもっと食べたいくらいでしたが、白米より少な目でちょうど良いのです。
ナッツ類はそれを土に埋めておけば木の芽となる生命力の塊です。
エイジングケアにはナッツ類と言われるのはそのため。
その上、良質の油脂が含まれるので潤わせる効果もあります。
銀杏は、肺や腎に作用して、五臓の肺を潤わせカラ咳や喘息などにも良いとされる食材です。頻尿や子供のおねしょなどにも良いとされますがs、食べ過ぎには要注意です。
子どもは大人の半量にしてください。
落花生は薄い皮が「血(けつ)」を補うとされます。
6.黒ごま入り白玉団子シナモン香る糖水
温かい甘いスープのような糖水です。
これをいただいたら、つま先から体全体が温まりました。
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それもそのはず。
ショウガ・シナモンが使われていてナツメと共にスープにエキスが入っています。
ナツメには「気」を作る力もあるので、温めてお腹の状態を良好にし、今までの料理の吸収力を高めるデザートになっています。
白玉団子の中の黒ごまは「腎」の補強の黒い食材の代表です。
エイジングケアのためには黒ごまは欠かせません。
家庭でも、お浸しや胡麻和え、納豆、ご飯にかけるなどいろいろなものに手軽に使える簡単エイジングケア薬膳の基本ですね。
夕方にはスッキリお腹が空くのが薬膳の良いところ
コースは軽そうに見えますが、ちまきを食べたので胃に溜まった感じがしました。
デザートもいただいているので、みんなまあまあお腹がいっぱいになりました。
普通、ランチでコースをいただくと、その日の晩ご飯は、あまりお腹が空かなくて、軽い物にしようかと思いがちです。
ですが、私も含め参加された方は「夕方にはスッキリお腹が空きました。」と言われる方が何人もいらっしゃいました。
これも中華とは言え、油で揚げたりコッテリの料理ばかりではなく、仮に、そうであっても必ず消化を助ける食材の組み合わせを使う薬膳だからこそ。
喉の違和感を感じつつ参加されたお一人は、ランチをいただいてから気づくと喉がスッキリしていたとの事。
潤わせる「肺」を意識した食材がこれだけ使われていたからでしょうね。
全ての料理が家庭で簡単にできる訳ではありませんが、食材の組み合わせ方はナッツの使い方などは取り入れられるのではないでしょうか?
美味しくて楽しくて体のためになる忘年会は来年も続けます。
今年ご参加が叶わなかった方も、ぜひ来年はご参加くださいね。
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薬膳レストランに行かなくても、家庭でできるエイジングケアレシピのご紹介をしています。
炒め物に使われていたれんこん。あと一品何か作りたい時のレシピもご参考にどうぞ。
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