高齢者・基礎疾患のある家族と同居で感染した時どうするか?
しばらく投稿ができずにいました。
私の実家に下宿中の大学生の娘が陽性になったからです。
どこでいつ誰が陽性になるか分からない状況です。
なんとなく周りで陽性だったと聞いても、どこかでウチは大丈夫、前にもこんなことがあったけれど無事だったからと、今の状況がもう2年半にも及び、自分事として考えられなくなっていないか振り返ることが大切です。
そして、いくつかのケースを想定して予めシミュレーションしておくこと。
それを家族や協力者にも共有しておくことも必要でした。
おそらく、当初から報道等で知っている、軽症者・ローリスクの若年層は療養ホテルで療養できると思っている方もいらっしゃるのではないかと思います。
ここでは、私が実際に体験した基礎疾患のある高齢者と同居している人が
陽性者になった場合、今、自治体・保健所ではどのような対応になっているのかを中心に書いていきます。
今後のご参考にしていただけたら幸いです。
都道府県によって記載方法が違ってわかりにくい
お住いの都道府県によって、ホームページの記載に違いがあります。
陽性になった本人についての記載は、各自治体共にホームページに記載されているようですが、書き方がまちまちなのでわかりにくい自治体と、わかりやすい自治体があります。
ちなみに神奈川県では「新型コロナウイルス感染症の検査(PCR検査等)を受けたすべての方へ」「抗原検査キット等で陽性判定が出た方へ(医療機関を受診していない方」と細かくケースごとに分けて書かれています。
医療機関のPCR検査で陽性が確定されなくても、自主療養届出制度を利用して保険会社に保険金請求が可能なことも書かれていてとても親切で分かりやすいです。
ただ、今回のように、本人は若くて基礎疾患もなくローリスクでも、同居家族が高齢で基礎疾患のあるハイリスク者であるケースについての記載は見つけることができませんでした。
高齢者でなくても、妊娠中や循環器系疾患、高血圧などのハイリスク者と言われている人と二人暮らしの場合は、都度、問い合わせて聞いてみなければなりません。
埼玉県のホームページには、神奈川県で書かれている自主療養届出制度についての記載はなく、あくまでも医療機関で陽性の判定が無ければ、自主的に療養していてもカウントもされません。
普通、自分が住む自治体のホームページ以外は比べてみることも無いので、ここまで書かれていることに差があることに驚きました。
このホームページしか見なかったら、神奈川県が自主療養届出制度や療養証明書を発行していることも知らないでしょう。
次に、大阪府です。
大阪府のサイトには、重症化リスクを持たない75歳未満は、原則宿泊療養だが、40歳未満で重症化リスクが無く感染管理対策が可能な場合は原則自宅療養と書かれています。
ただし、同居家族に高齢者、免疫不全等要配慮者、医療・介護従事者がいる場合は宿泊療養も可です。
と明記されているのです。
私は自分の住む大阪府のホームページを見ていたので、各都道府県共に同様だと思っていました。
そのため、娘が万一陽性になったら娘は当然、ホテルの宿泊療養ができると思い込んでいたのです。
宿泊療養できれば、ハイリスク者である高齢の母と娘は同じ家の中で過ごさなくてもいいと。
これが大きな誤算でした。
娘の陽性から療養の流れ
娘は、民間のPCR検査で、検査の二日後に陽性が分かり、センターに今後どうすればよいかを聞くと、保健所に届けるよう言われたそうです。
その日は保健所に電話がなかなか繋がらず、やっと午後に繋がった際、保健所からは若いことと基礎疾患が無いと言う理由で自宅療養になると言われました。
同居の祖母の事を説明すると、発熱外来のある医療機関を受診し、そこで陽性反応が出れば自動的に保健所に登録されるという説明のみ。
医療機関で陽性の判定が出れば、もしかしたら宿泊療養の申込みだけでもできるかも?と娘が言われた発熱外来で確定検査を受けることにしました。
発熱外来は全て電話による予約制。
全く電話が繋がらず、繋がった時には明日の予約は定員に達したので締め切り。やっと予約が取れたのは発熱してから3日目で、その時はすでに熱は下がっていたのです。
予約ができて安堵していたところ、受診する医療機関(市立病院)から娘に電話がかかり、民間で陽性が出たのに再度受診するケースは珍しいので詳しく状況を聞くとのこと。
説明すると、すでに解熱している事や咳が出ないことなどから、もし受診しても他の受診者は発熱して来るので、再感染するかもしれない。それを承知して来るように。
受診しても出せる薬は熱があれば解熱剤、咳が出るなら咳止めと対処療法のものになる。
それでも来るかを決めて、キャンセルするなら連絡するようにと。
あなたがキャンセルすれば別の一人が受信できるとも言われたそうです。
娘の症状から軽症だと判断されたのでしょう。
本当に毎日多くの患者さんを診察していて、なるべく軽症の人は来ないで欲しいのが本音でしょう。
保健所からは発熱外来を受診するよう言われたにもかかわらず、医療機関のこの対応。連携が取れていないのを感じました。
もっと熱が出ていたり咳が酷い人が連日予約の電話を続けるのは、相当キツイと思います。
母をリスクから遠ざけるための選択
陽性が出る前に、私からも状況を説明して保健所に問い合わせてみました。結果は、本人に基礎疾患があれば若くてもホテルで宿泊療養もできるが、同居家族にリスクがあっても難しいとの事。
大阪府なら、条件に当てはまるので娘は宿泊療養できていたと思います。
現状、娘は家から出せないので、母の感染リスクを考えると母を家から出すのが一番だと電話に出られた保健所の方のアドバイスでした。
娘はPCR検査をした日から、部屋にこもりましたが、母には廊下まで食事を運んでもらったり、娘が必要なものを運んでもらうことになります。
明らかに高齢の母のリスクが高くなることは目に見えています。
母にはとても申し訳なかったのですが、ホテルに移動してもらう選択を取り、私が母に変わって娘の食事などをすることにしました。
高齢の母の移動
本来は、母も娘と接触した日の翌日を1日目として5日間は自宅待機しなければなりません。
けれど、自治体も保健所も対応してもらえなかったので、やむなく母をホテルに逆隔離することになりました。
高齢ではありますが、普段は家事も自分のペースでできるので、ホテル暮らしも可能だとの判断からです。
実家からそれほど離れていなくて街の様子も分かっていて、緊張しない場所にあるシティホテルをネット予約しておきました。
当日は、母に宿泊の準備をしてもらいタクシーでホテルまで行ってもらいました。本当なら、私が先に母を車で送れたら良かったのですが、実家には車がなく私が到着するまで母を娘と同じ空間に居させないようにしたかったのです。
仕事を済ませ娘に送った食料を段ボールごと娘の部屋の前に置いてもらい、
そのまま結果的に陽性が出た当日、母はホテルに移動てもらいました。
その日は家から持って行ったものを部屋で食べてもらい、私が着いてからは母には食事を運びました。
結局、母には待機期間までホテルで過ごしてもらい、その日まで無症状だったので帰宅してもらうことになりました。
娘には、発症から6日目と7日目に2回抗原検査キットを使って、検査をさせ二回共陰性でした。
この抗原検査キットも、ドラッグストアでは品薄で、薬事認証のものはほぼ手に入りません。
研究用でも、見つけたら購入しておくことをおすすめします。
ネットで娘用に自治体に申し込んだ薬事認証のキットは後で届きました。
私が到着するまでに娘に送ったもの
娘がPCR検査をして発熱した翌日に仕事を済ませ、母に娘の食事の面倒をかけないために、すぐに食べられる食べ物を買い出し翌午前中着で宅配便で送りました。
この時、予め娘に紙の食器が部屋にあるか、割りばしや使い捨てスプーンなどがすでにあるかを聞けばよかったです。
すでに部屋にあると思い込み、後から器が無くて食べられなかったものもあったことを知りました。
登山用品や災害時の食料が便利
器などが要らず水さえあれば食べられるものは、わが家で非常用に備蓄しているアルファ米やアルファ米の炊き込みご飯など。
これは陽性になった一人暮らしのご家族に送る場合におすすめです。
容器に移さなくてもお湯を沸かさなくても水さえあれば食べられるので。
また、ペットボトルの水の買い置きが無く、歩くのも辛い状況であれば2Lのペットボトルを送る必要があるかもしれません。
送る前に本人に聞いておくことをおすすめします。
経口補水液はゼリータイプ
経口補水液は、ペットボトルよりゼリータイプにしました。
熱があって体を起こすのが辛い時でも、横になって飲むことができるからです。
ペットボトルだと、中途半端に体を起こして飲むとこぼす可能性がありますが、ゼリータイプならその心配が減ります。
キシリトールガム
家族と洗面所やトイレなどを共有することは感染リスクを高めます。
娘には1階の洗面所トイレは使わないように最初に連絡しました。
歯磨きができないので、せめてキシリトールガムがあれば口の中がスッキリするかと思ったのです。
結局はシャワーが浴びられるようになった日まで歯磨きはしていなくて、夜はお風呂場で磨き、朝は2階のトイレの洗面で磨いていたようです。
これも状況に合わせて本人に聞いてみると良いと思います。
水の要らないシャンプー
特に女性の場合は、髪が洗えないだけで不快感が強くなります。
災害時の備蓄袋に入れたあった水の要らないシャンプーを一緒に送りました。
これは入浴できるまでは使っていたようです。
入れたら良かったもの
後から忘れたことに気づいたのが、体を拭けるボディシートです。
発熱時でも、体を拭くとスッキリするのと、なるべく浴室を共用しなくていいように、ボディシートは入れて送ればよかったです。
まとめ
反省になりますが、以前、娘から友人やバイト先で陽性者が出たことを聞いていました。直接接触していなかったり、接触していてもずいぶん前だったりと、何とか今まで無事で過ごせてきたことが、どこかで油断になっていました。
娘自身も考えてワクチン接種も3回しましたし、私自身にも油断があったのかもしれません。
いざ、陽性が出てから調べるのでは、リスクの高い同居の家族を危険にさらすことになります。
予め、喉が痛いとか熱っぽいなどがあったらどうするか?
家族でしっかり話し合って、シミュレーションしておくと私のように慌てなくて良いと思います。
そもそも同居しないという選択肢もあります。
祖母と二人で暮らしていると言うあまり例のないパターンかもしれませんが、夫婦で奥さんが妊娠中にご主人が陽性になることもありますし、高齢の親と子供の二人暮らしで、子供が陽性になる場合もあります。
基礎疾患のあるお子さんと同居の他の家族が陽性になることだって考えておいた方が良いと思います。
保健所も管理しきれない陽性者の人数。
医療機関のひっ迫状況。
自分で回復できる人は自宅で養生してくださいと言うのは理解できます。
ただ、同居の家族に重症化するかもしれないリスク者がいる場合の対応が自治体によって違うのは公平性に欠くのではないかと。
どこまでが国で統一なのか、自治体独自の判断なのかが一般市民にはわかりにくいです。
とにかく、ご自身の住む自治体のホームページを見て、自分の家庭ではどうするのかを予め考えて家族で共有されることをおすすめします。
全ての自治体のホームページを比較したわけではなく、読み込み方も不十分かもしれませんが、自治体によってはホームページを読んでも、「で?結局どうすればいいの?」になる場合があると言うこと。
疑問点は例えば神奈川県のホームページと比べて、まとめて質問しておくと良いかもしれません。
一番は、感染しないことですが現状ではいつ、誰が、どこで感染するかはわかりません。
娘にはLINEでのやり取りだけで全く会わずに帰って来ました。
こんなことも初めてです。
私の自戒も込めて、他人事だと思わずに必要な方に届けば嬉しいです。