内臓の場所、気にしていますか?
普段、50代前後の女性を中心に不調予防の簡単エイジング薬膳をお伝えしているため、食材のことだけでなくその基となる中医学もお伝えしています。
昨日、ツイッターにつぶやいたら、意外にもたくさんの方に反応していただきました。
ここで、言いたかったことは生理の時に下痢になるのは子宮後屈が原因で、それは良くないよ!ということではありません。
そもそも、本来前傾(お腹側に)している子宮が直腸側に後傾している状態を子宮後屈といい、全体の20%程度の女性に現れるそうです。
骨で守られている訳ではないし、赤ちゃんが育てばそれにつれて大きくなるものなので柔軟に動く臓器ではあります。
でも、なぜ、80%の人が前傾なのに20%は後ろに傾きその位置にいないのでしょう。
中医学では、消化器系の働きをする脾が弱っていると子宮も本来の位置に居られず後屈になると考えられているのです。
昔は不妊の原因だと考えられていた
実は私も子宮後屈です。
妊娠前に婦人科医にそう言われました。
その後、妊娠出産しているのでもしかしたら変わったかもしれませんが。
子宮が後屈だと、妊娠がしにくいと言われてかつては、手術で前傾にした人もいたそうです。多分、子宮口の向きが男性の精子を外に出してしまいやすいと考えられていたからでしょう。
都市伝説のように、子宮後屈の人は性交後うつ伏せで安静にしていると妊娠しやすいという説も飛び交い、検索キーワードにもあるほどです。
でも、エビデンスがしっかり出て、今では不妊と子宮後屈の関連性は否定されています。
中医学では、人の体を知るためにその人の観察をします。
観察の中には、外から見える各部位の色や表面の状態だけでなく、見えない部分や見せられない部分やモノもすべて入るので、こんな状態が起きていると体はこうなっている(ことが多い)といくつかの観察またはヒヤリングを積み重ねて行きます。
その中で、子宮の位置が後傾していることもひとつのヒントになるのです。
そして、私自身の体質が子宮後屈になる要素満載でした。
臓器が本来の位置でキープされているのは気のお陰
子宮に限らず、胃や腸がその場所にあるのは、体の構成要素「気血津液」の「気」の力です。
食べたり飲んだりしたものから「気血津液」は作られますが、「気」が少ないとその位置にキープしていることができなくなります。
五臓で言うと、特に脾の気がこれを担っています。
脾とは消化器系のことを指します。
つまり、消化器系が弱ると、脾の気が減っていることになり(脾気虚)全体的に下がるとうことが起きやすいのです。
例えば胃が下がると胃下垂、腸が下がって脱腸、子宮が後ろに傾き子宮後屈などがこれです。
下がるのは臓器だけではない
脾は肉の付いている場所ともかかわりが深く、脾が弱ると頬のたるみ、目の下のたるみ、バストやヒップの下がりなど、美容的にも残念な結果となります。
目の下が弛むと若い頃にはなかったシワが増え、頬が下がればほうれい線も濃く深くなってしまい口角が下がって一気に老け顔に。
もちろん表情筋を鍛える口周りの体操も大切ですが、それだけやっても足りません。
やはり胃腸系を弱らせないことが大切です。
消化器系を弱らせる食べ物をまずは控えるところから
消化器系を弱らせないためには何を食べたら良いですか?
これは、よく訊かれる質問のパターンです。
現代人は必要なものは足りなくて、要らないものを溜めているケースが殆ど。それは、あれが良いと言われれば食べ、これが良いと言われればまた別の物を食べるという健康迷子も影響しているかもしれませんね。
弱っているものを元に戻すときにやって欲しいことは、更に弱らせることを止めることからです。
ここで言うなら、脾を弱らせる食べ物を止めること。
では、どんな食べ物が脾を弱らせるのでしょう?
こう言ってもピンとこない人のために言い換えますよ(笑)
どんな食べ物がたるみやほうれい線を作る原因となるのでしょう?
✅冷たい食べ物飲み物
✅脂っこいもの
✅砂糖を使った甘いもの
✅こってりしたもの
✅大量または毎日習慣にしている乳製品
✅大量のアルコール類
こういったものを毎日大量に食べ続けると、脾の負担となりやがて下がり系の症状が出てきます。
消化器系が弱ると体に必要な栄養も生産されにくくなるため、体がだるく、気持ちも下がるという下へ下への連鎖が起ってしまうのです。
できることから始めよう
とはいうものの、全てを一度に止めてしまうとそれがストレスになってしまいますよね?
なので、まずは一つから取り掛かってみて下さい。
例えば、冷たい食べ物飲み物を控えるとかです。
毎日アイスコーヒーを飲んでいるなら、日中の温かい時間に1杯だけにするとか、食事をするためのレストランで出される氷入りの水を飲むのを止めるとか。
脾を強くしておくことは、体全てを健康にしておくための基本です。
よく、元気な高齢者は朝から肉を食べていると聞きます。
脾が弱い人はまず脾を丈夫にしてから出ないと、逆効果です。
それでなくても消化能力が弱く、エネルギーを生み出す力が弱いのに、肉を消化するためにエネルギーを使ってしまうからです。
肉を消化することのできる高齢者はすなわち、消化器系が丈夫だということになります。
そんな方は、お年の割にほうれい線もあまり目立たず下がり系ではないはずです。
まとめ
中医学を学び始めて直ぐに、自分の体の中に起きていることの点と点が繋がり始めました。
私で言うなら、もともと子どもの頃から胃腸が弱かったのに、社会人になっって仕事や職場のストレスを毎日デパ地下のジェラートで紛らわせていました。しかも必ずダブル。時にはトリプル。
フルーツも大好きで毎日欠かさず、朝食にはヨーグルトとフルーツはセットでした。チーズもバターも大好き。
この私の食生活は更に脾を弱らせて気づいた時には子宮後屈だけでなく胃下垂にもなっていました。
子宮後屈だけでなく、臓器をあるべき場所にとどめておけないのは脾の気の不足です。つまり脾が弱っているということ。
脾が弱れば、臓器だけでなく肉のたくさんついている部分も下がって見た目にも老けて見えてしまいます。
脾をしっかり働かせるために最初にするのは、弱らせる食事を控える事からです。
アラフィフ世代は、脾を強く保ち、胃下垂や脱腸などの臓器の下がりだけでなくメンタルも下げず美味しく食事ができる元気なシニアを目指しましょう!
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