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ブラック病院に就職 有給消化なんて幻だった話

新卒で入職した病院は、一言でいうなら「ブラック」でした。
当時はそんな意識もなく、「社会人とはこういうもの」と思い込んでいたが、今振り返ると、よく耐えたものだと思います。

今回は、そんな私のブラック病院時代の体験談を紹介します。

有給休暇は存在するけれど…

入職した病院では、有給休暇は“存在するだけ”のものでした。
以前は有給消化取得義務もなかったので
誰も使っている人はおらず、新人だった私は先輩に「有給って使えるんですか?」と何気なく聞いたことがあります。

返ってきたのは、「使えないでしょー、俺も◯◯先輩も誰も取ったことないよ」という反応。
その言葉に、「そういうものなんだ…」とすぐに理解しました。

実際、同僚も上司も誰一人として有給休暇を取っていませんでした。
「有給休暇は法律上あるけれど、取る人はいない」という不思議な状態。

ブラック病院もあるという噂は聞いていたので入社面談の時に有給取れるか薬剤部長に聞いていたけど「業務とか他の人との調整次第になるけどもちろん取ってもらっても」という返答。

後々考えると「先輩達が有給消化しないから新人はもちろん無理だよ?」ってことだったのかな・・

そんなのわかるわけないよー

体調不良でも出勤が当たり前

当然、体調不良で休むことも許される雰囲気はありません。
38度以上の熱があっても、「すみません、今日は熱があって…」とは言えず、解熱剤を飲んで出勤しました。

当直中に40℃近くまで熱が上がって意識が混沌とする中、点滴の相談(患者の病態を言われランジオロールの推奨使用法とガンマ計算)がきたのを今でも覚えています。

それでも休んでしまうと、「月曜日に休むなんて、週末は何してたの?」
まるで犯罪でも犯したかのような目で見られ陰口を言われる日々。

そんな環境では、「無理してでも来るのが当たり前」と自分も思い込んでしまっていました。

先輩たちの武勇伝に驚愕

さらに驚くべきは、先輩方の「武勇伝」。

「点滴をしながら調剤してた」
「朝、吐きながら仕事に来た」

そんな話が次々と出てくる。

「社会人とはこれくらい厳しいもの」と刷り込まれ、
「これくらいで辛いなんて言えない」と、ますます無理を重ねる日々でした。

ストレスで大きな声が出なくなる

そんな生活が続いた私はストレスから職場で大きな声が出なくなってしまいました。

職場のプレゼンや何気ない会話でも、意識しても相手になんとか届くくらいの声量しか出なくなっていた。

その時、自分ではストレスが溜まっていることに気づいておらず、声が出なくなったことにただただ困惑していました。

転職して知った“普通の職場”

そんな環境に染まりつつ、仕事もある程度できるようになったと自負した頃にさらなる成長のため転職して別の病院に勤めるように。

そこでは、有給休暇を取るのは当たり前。
体調不良なら「無理せず休んでください」と言ってもらえる。

最初は「37℃台の熱くらいで休んでいいの?しかも月曜だよ⁉️」と戸惑いの連続。

染まりきったブラック体質が抜けるのに数ヶ月以上かかりました。

自分がいた職場がいかにおかしかったのか、転職してようやく気づきました。

もし、今辛いと感じていたら

現在は、有給休暇取得が義務化されるなど、働き方も少しずつ変わってきています。
それでも、まだ「休みにくい」「無理して働くのが当たり前」と感じている薬剤師もいるかもしれません。

けれど、はっきり言いたいのは

「有給は使っていい」
「体調不良なら休んでいい」
「無理しなくていい」

私もあの時、「こんなものか」と諦めず、もっと早く転職していれば…と後悔する部分もあります。

もし今、同じように辛い思いをしているなら、「職場を変える」ことも選択肢に入れてほしいです。

働く場所を変えれば、見える景色も、感じる空気も、きっと変わる。
薬剤師としての仕事も、もっと楽しく感じられるはずです。

あなたに合う職場はきっとあります。

そして今から就職、転職する人は私みたいなブラック体験をしないように気をつけましょう!

ちなみに、私は民間病院よりも公立・公的病院を推しているのですが安定だけでなくこのブラックへのなりやすさも関係しています。

詳しくは、こちらもご覧ください。

失敗しにくい職場の見つけ方については改めてお伝えしたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました😊

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