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薬の質問になんて答える?~新型コロナワクチンの予診票チェック~

どうも、薬剤師の川島敦です。

関わっているワクチン業務

私は現在薬剤師として、3つの市の新型コロナワクチンの業務に関わっています

後方支援(安定供給)

1つの市では、ワクチン供給のサポートをしています。

ワクチンの配送スケジュールのチェックや解凍・配送業務のチェックですね。

実際に行なうのは市の職員の方々なので、その方々が安心して業務にあたれるためのマニュアル作成などです。

残りの2つの市は、ワクチン調整予診票のチェックです。

ワクチン調整

これはワクチンの薬瓶から注射筒(シリンジ)にうつす業務です。

1本あたり0.3ml採るのですが、老眼の入り始めた身(目)としては、なかなか疲れる業務です。

ミスできない業務なので慎重に、ダブルチェックしながら行なっています。

予診票のチェック

これはワクチン接種する方の予診票に記載漏れがないか、

注意すべき薬を飲んでいないか、といったチェック業務です。

この業務は、普段から行なっている薬局業務と通ずる部分が多いので、個人的には理にかなった役割分担を担わせてもらっている、と思ってます。

前置きが長くなりましたが、ここから本題です。

薬の質問にどう答えてるか?

予診票のチェックをしている時に、薬を飲んでいる方から

「この薬を飲んでいるんだけどワクチンを接種しても大丈夫?」

と聞かれることがあります。

この時に、どう考えて、どう対応しているか?を書いていきます。

大前提として、ワクチン接種に問題ない、として進めていきます。

「なんで、そんな質問をしたんだろ?」

薬の成分だけ見れば「問題なし。大丈夫」と即答できるものも多いです。

でも『なんでわざわざ質問したのかな?』を深堀しないと、その方の不安は消えない可能性があります。

例えば質問をした理由が

「単純に薬の成分とワクチンの成分がケンカしないかな?」

ならば

「問題ないですよ」

これで大丈夫です。

でも質問をした理由が実は

「私の病気でワクチンを接種しても大丈夫?」

だったら、薬の成分の回答だけでは足りないですよね。

なので、まずは『なんでその質問をしてきたんだろ?≒本当に知りたいことは何だろう?』を確認しています。

知りたいこと&伝えるべきこと

知りたいことによって回答も変わりますね。

上述の前者なら

「薬の成分とワクチンがケンカすることは無いので大丈夫ですよ」

が回答になります。(表現の仕方の議論は置いときます。)

後者の場合は、前者の回答に加えて

「この病気の人がワクチンの副反応が起こりやすい、というデータはないです。また、ワクチンによってその病気が急に悪化する、というのも考えにくいです。」

とお答えします。

ワクチンの働きから薬学的に推測して問題ないという結論を出してます。

さらに

「ただし、病気をもってない・薬を飲んでいない方でも、一定の割合で副反応は起こる可能性があります。なので15分(薬の内容によっては30分)待機していただく必要があります」

ここまで説明すると納得してもらえるのではないでしょうか。

実際に「主治医にワクチンを打っても大丈夫と言われてきたが、一応、確認させてください。」と言われるケースも複数経験しており、上記の内容をお答えすると、納得してもらえました。

薬局での『服薬指導』と同じく大切なのは〇〇

まとめに入りますが、質問に回答するとき、一番大切なのは何でしょうか?

正確な回答をすることでしょうか?

もちろん正確な回答をすることが大前提ですが、何故、わざわざ「薬剤師」に薬の相談をしてくるのでしょうか?

何か不安なことがあるからです。

であれば私が一番大切にすべきは

不安を取り除くこと

少しでも安心してワクチンを打っていただく

ことです。

これは普段の服薬指導と同じですね。


新型コロナワクチンの副反応の報道が色々とされていますが、現時点では私はメリットの方が大きいように思っています。

ですが、他のワクチンの話にはなりますが、心因性の反応(強いストレスが原因)で失神を起こすことも報告されています。なので、ワクチンを打つのであれば少しでも不安が少ない方が良いに決まっています。

ワクチンを打つ方の不安が少しでも減るための情報提供を続けられるよう、情報収集にも努めてまいります。

※ワクチンを打たない判断を否定しているわけではありません。よかったらこちらもご覧ください。


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薬剤師 川島敦
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