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加賀一向一揆と水の時代

前回に続き、
白山登山のはずが大雨で金沢へと行き先を変え、
初めての金沢を満喫してきました。

ホテルに設られたお香の香りや、加賀友禅、
九谷焼の小皿、
飾られた鞠など、
加賀国の愛らしく美しいいろいろにすっかり魅せられ、
乙女心満たされる旅へとキャピキャピしておりました。

ところが、乙女旅が乙女旅にならないのが私という人間で、
この加賀国の魅力に触れたらどんな土地なのか歴史が知りたい…
いそいそと歴史博物館へ。

広大なお城の一帯の、最初にちょっとミーハー立ち寄ってみた21世紀美術館はものすごい人であったのに、
そこから先の方の歴史博物館側は本当に人がいない。
でも、明治時代の重厚で美しい建物が、広大な庭園に並んでいてそれだけでため息が出るような気持ちの良い場所でした。

博物館で歴史を追いながら、
一向一揆の文字を見つけ、そこからすっかり取り込まれました。

というのも、学生時代世界史選択だったこともあり、日本史をそれほど知っているわけではない私、
以前に安冨歩さんの日本近代史講義をyoutubeシリーズを夢中になった観ていた中で、
「一向一揆が日本史の中で現代に影響する最重要出来事であった」と言われていて、

一向一揆って…
習った覚えはあるけれど、それがそんなに最重要⁈と衝撃を受けたのでした。

安冨さんいわく、
この出来事によって、世俗的な権力に完全に叩きのめされてしまったと。

そして世俗権力は力を持たせないように徹底的に分断の仕組みを作ったと。

あ、あの一向一揆だ。ここ加賀の歴史の中で起きてきたことなのか、と、食い入るように展示を見て、それから一向一揆について考え続けており、全く乙女から遠ざかってしまいました。

蓮如によって飛躍的に広がりを見せた浄土真宗。

加賀国はもともと荘園(自治区のようなもの)も多く、また信仰心の厚さも深かったのでしょう(博物館で祭りの展示や映像を見ていても、アイヌに通じるような、神々とともに暮らしている感が強くありました)。

詳細は省きますが、足利の家督騒動で政治が乱れていたため、信徒達がそれを打ち破り、自治を獲得したと。

それが実に100年も!

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 僧が鐘をついて合図する。(絵本拾遺信長記)

これが信長など権力者との間での戦いが最終的には凄惨を極め、山城を何万人もの!信徒が取り囲んだとか、300名が磔に処されたとか!

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江戸の世になるときにはその宗教に基づく強さ、勢力を削ぐため、家康は浄土真宗を東本願寺と西本願寺に分断し、存続を第一に考えた浄土真宗の上の人たちは、権力者を逆撫でしない(政治とは無関係に宗教活動を行う)ことを現在まで続けていると。(それほどまでに犠牲者、いわゆる殉職者が甚大で、トラウマを宗教側は抱えてしまったという気がします。)

それが日本人の意識に大きく影響を及ぼしていると。

宗教という、世俗のことだけではない命や世界の捉え方でもって、現実の生活をより良いように自分たちで実際に変えてゆきたいと行動するという部分が削がれてしまっている。それが無力感、命の源との切り離された孤独や不安感、従うしかないという感覚が出来上がってしまっていると。

一向一揆の後はこの事件を徹底的に不穏分子の反乱という位置付けとしたので、民衆の側も恥というか、沈黙していたのだけれど、

石川県の白山山麓の鳥越という、最後の舞台になった地で、平成14年に鳥越一向一揆歴史館という施設が市民の側から作られ、自分達の歴史を誇りを持って伝えてゆこうという流れが出てきたと。


さてさて一向一揆の話が長くなったけれど、

星の観点で観てみると、2020年に土の時代から風の時代へと大転換を迎えましたが、230年くらいのサイクルで大きくエレメントを変えるこの移り変わり、

一向一揆の頃はバッチリ「水の時代」にあたります。

水の時代 (1425〜1663)

加賀一向一揆(1488〜1580)

水の時代は世界史でいうと大航海時代にあたり、様々なものが融合し、争いもまた多い時。また宗教は水にあたります(外側の物質的な世界ではなく、揺れる内側の感情やあの世などの見えない世界)ので、海外ではルターによる宗教改革などが起きました。

日本では一向一揆!まさに。

足利家のお家騒動(家族、感情)から世相が乱れ、宗教を基盤とした人たちが自分たちで良い世に変えてゆこうとする。戦国時代へと突入する頃でもあり、ゆらゆらゆらゆら、枠が壊され壊されしてゆく時代。

徳川の江戸時代に入り、星は火の時代に入ります。(1663〜1842)そこからは日本最大の宗派であった浄土真宗の水の部分は鎮まってゆくのが面白い。

そして加賀国も前田家を当主として、私が出会ったような豪華で優雅な加賀文化が豊かに花開いてゆく。


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水の時代も火の時代も、加賀国は強い。

エネルギーの方向が変わっただけで、どちらに向かっても大きなものが開かれてゆく。

そんな土地なのだなぁと思いました。

現代、そして未来の加賀国(石川県)、エネルギーはきっと変わらないだろうから、風の時代はどんな様相を見せてくれるのか、気になるなぁと思いました。

長々と書きましたー。

今年は伊賀の地で伊賀の歴史を知り、こちらも黒田の悪党という東大寺荘園からの完全自治、そして修験者に学んだゲリラの地であったということ、

そして金沢加賀の一向一揆の気概と信仰と。

同じテーマを何度も知ることが起きてるなぁと不思議に思っています。

いま、お上の締め付けからの民衆の自治という意識の芽生えを促されているのかしら。なんて。


金沢、白山、能登、

石川県をもっともっと知りたくなりました。






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