私と漢方の出会い
今日は私と漢方の出会いについて。
私が漢方を知ったのは薬学部に入ってからです。それまでは漢方を意識したことはありませんでした。
大学の生薬学の授業で、いろんな生薬を実際に見て、触る実習でとても興味を覚えたのが最初の出会いと記憶しています。
その時に教えてくださったのが村上光太郎先生でした。
いないな、と思っていると、山に行ってた、ということが日常茶飯事。
薬草や漢方の話を際限なくしてくれる、面白い先生でした。
私は4回生で研究室を選ぶ時、どうしても生薬学教室に入りたかったのですが、希望者が多くて抽選になりました。
祖父にもらった永平寺の数珠を、手汗をかきながら握り、くじを引いたことを今でも覚えています。
そして無事希望の研究室に入ることが出来たのです。
週に一回、村上先生の漢方講座が研究室であり、それを聴くのが研究よりも実は楽しみでした。
また夏休みには毎年、私たち研究室の学生や卒業した先輩が、村上先生の指揮のもと、徳島県の民間薬調査を行っていました。
家々を訪問し、昔、どんな民間薬を使っていたかを聴かせていただき、資料やそのものが残っていれば見せていただいて記録しました。
猿の脳みその味噌漬けの話、猿の頭の黒焼き、マムシ1匹が漬かっている一升瓶…初めて聴くこと、見ることばかりで驚きとワクワクが止まりませんでした。
今も私が漢方・中医学だけでなく、民間薬に関心があるのは、この体験があるからです。
大学の薬草園にあった横断幕の言葉、「地球は大きな薬箱」。
ほんとにそうだなぁと今も思ってます。