アルテルベ

薬剤師。国際中医師。漢方生薬ソムリエ(初級)。2021年11月8日平井常榮堂薬房を引継ぎ、平井常榮堂薬局を開業。日々目にする植物や生薬のこと、漢方のこと、出来事などを発信しています。京都市在住。Instagram 平井常榮堂藥局→ @yakusou_jyoeido

アルテルベ

薬剤師。国際中医師。漢方生薬ソムリエ(初級)。2021年11月8日平井常榮堂薬房を引継ぎ、平井常榮堂薬局を開業。日々目にする植物や生薬のこと、漢方のこと、出来事などを発信しています。京都市在住。Instagram 平井常榮堂藥局→ @yakusou_jyoeido

マガジン

  • 漢方薬局開局日記

    漢方薬局を開くまでの道のりを、時折更新します。

  • 自己紹介のまとめ

    私のことや思いを書いたものをまとめました。どうぞよろしくお願いいたします。

最近の記事

開業して2ヶ月が経ちます。

2021年、11月8日に開業して、明日で2ヶ月。 江戸時代から320年続いた京都の老舗薬草店を全く関係のない第三者が継いだ、ということで、地元新聞やテレビの取材、掲載、放映があり、予想に反して忙しいスタートとなりました。 カフェのように気楽に入れる、気楽に相談できる薬局を作りたい、と思って開業しましたが、その目的は果たせたのかなぁと感じています。年齢も性別も問わず、様々な方々にご来店いただけています。 また、「漢方に興味はあるのだけどどこに行っていいのか分からなくて、で

    • 白南天と赤南天

      noteでのご報告が遅くなりましたが、2021年11月8日、平井常榮堂薬局、無事開業いたしました。 応援してくださった皆様ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。 紅白の南天を、開業のお祝いに友人からいただきました。 納品に来られる生薬問屋のみなさま、白南天に、おっ!と、反応します。 「珍しいね、白いのは。本来は白が薬用として使われるのだけど、カラスにすぐ食べられて、今は市場には出てこないのよ」と。 「漢方のくすりの事典」には、「古くから薬用にはシロナ

      • 漢方薬局開局日記⑨ 薬局開設許可申請しました。

        本日10月14日、無事薬局開設許可申請することができました。2、3週間後に許可証が発行される予定です。 棚類や小さなところはまだですが、内装、ほぼ出来上がりました。 古民家が好きな設計士さんと、京都の茅葺の里で有名な美山町の大工さんが作ってくださったお店は、木がたくさん使われていて、とても気持ちの良い空間となっています。 オープンまであと3週間ほど。 もう一度to do list を作り直して、準備万端でオープンの日を迎えたいと思います。

        • 漢方薬局開局日記⑧ 工事が始まりました。

          9月18日、店舗の工事が始まりました。 施工の株式会社木村さん、茅葺の里として有名な美山町から来てくださっています。 毎日出かける前に、薬草茶とお菓子を用意して出かけています。 昨日はこんな感じ。 飲みやすさ重視のブレンドです。 夕方お茶が空になっていると嬉しいです。 インスタグラムのアカウントを作りました。工事の様子はそちらで更新していきます。よろしくお願いいたします。 Instagramアカウント→ @yakusou_jyoeido

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        • 漢方薬局開局日記
          9本
        • 自己紹介のまとめ
          5本

        記事

          薬局の工事の日程が決まり、氏神神社である下鴨神社に清祓(きよはらえ)をしていただくお願いに行ってきました。一歩一歩。

          薬局の工事の日程が決まり、氏神神社である下鴨神社に清祓(きよはらえ)をしていただくお願いに行ってきました。一歩一歩。

          ヤブランが咲いていました。葉が蘭に似ていて、藪に生えているから藪蘭というそうです。生薬名は大葉麦門冬(たいようばくもんどう)。秋に塊根を水洗いして日干しにしたものです。麦門冬(ばくもんどう)の代用として利用されてきました。滋養強壮、咳止め等に用いられます。

          ヤブランが咲いていました。葉が蘭に似ていて、藪に生えているから藪蘭というそうです。生薬名は大葉麦門冬(たいようばくもんどう)。秋に塊根を水洗いして日干しにしたものです。麦門冬(ばくもんどう)の代用として利用されてきました。滋養強壮、咳止め等に用いられます。

          仙人のヒゲを持つ、センニンソウ。

          鴨川は今出川通りで賀茂川と高野川に分かれます。 分れた川の東側、高野川を歩いていると、良い香りがしてきました。 白い十字の花、センニンソウです。他の植物などにからみついて成長します。 なぜ仙人草というかと言えば、種になった時に仙人の髭のような綿毛になるからだそうです。まだ実物を見たことがないので、今年は忘れずに見たいです。 センニンソウは有毒植物に分類されます。この草の汁が皮膚につくと赤く腫れて、火傷の時のような水疱ができます。 民間療法では、わざと水疱を生じさせて扁

          仙人のヒゲを持つ、センニンソウ。

          漢方薬局開局日記⑦

          前回の日記が3月14日。約5ヶ月経ってしまいました。 不安がピークだった3月。そして今、8月の私は緊張しつつも気持ちは穏やかです。 この5ヶ月、いろんなことがありました。一番大きなことは、昨日書きましたが、江戸時代から続く薬草店を正式に引き継ぐことになった、ことです。 また、なかなか決まらなかった物件も、5月に決めることができ、設計士さんとも出会うことができました。 薬局の許可を出すところ(京都市は医療衛生企画課)にて、設計案を進めて良いとのお言葉をいただき、今は、予

          漢方薬局開局日記⑦

          江戸時代から続く薬草店を引き継ぐことになりました。

          始まりは去年の七月。 前々から気になっていた、店の入り口にサルやヘビが飾られ、とても古くて雰囲気のある薬草の店を、思い切って訪れました。 お店の中は、天井から紙袋に入った薬草が吊るしてあり、壁には日本の薬草の名前が書いてある古めかしい箱がずらりと並び、軒下には大きな古い薬の看板、店の奥にはひと際目をひく薬味箪笥が鎮座。 初めてご主人にお会いした日は、当たり障りのないことをお話ししてお店をあとにしたような気がします。 そしてその後、私がいつか漢方薬局を開きたいと考えてい

          江戸時代から続く薬草店を引き継ぐことになりました。

          冬でも青々、カンアオイ(寒葵)。

          寒い冬でも青々とした葉のカンアオイ(寒葵)。地元の山を散策している時に見つけました。ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草です。 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)に配合されている細辛(さいしん)の根と似ているため、土細辛(どさいしん)という名前もあり、代用品として用いられたこともありますが、香りも薬効も弱く、細辛には及びません。 好奇心からちょっと土を掘って根を見てみたら、細辛のような細い根が確かに出てきました。洗ってかじってみましたが、確かに香りも味も刺激は強くあ

          冬でも青々、カンアオイ(寒葵)。

          お香の材料と生薬

          お香の材料は生薬でもあります。 例えば高級香木の代表、沈香(じんこう)。ジンチョウゲ科の常緑高木が、風雨や病気、害虫などによって傷ついた時に、木が自分を守るために分泌する樹脂が長年蓄積、乾燥したものです。 特に質の高いものを伽羅(きゃら)、奈良の正倉院に収蔵されている、織田信長も切り取ったという貴重なものは、蘭奢待(らんじゃたい)と呼ばれています。 生薬名も沈香(じんこう)です。気の巡りを良くして痛みを和らげる、胃を温めて、吐き気を鎮める、呼吸を楽にする作用があります。

          お香の材料と生薬

          レンギョウから歓喜の音色が聴こえる。

          春の花の咲き方には、一気にエネルギーを爆発させるような、勢いを感じます。 レンギョウも黄色いエネルギーを爆発させていました。英名はゴールデン・ベル。春の歓喜の鐘の音が聴こえてくる気がします。 レンギョウは、生薬名も連翹(れんぎょう)。モクセイ科の落葉低小木、レンギョウの果実を用います。 清熱、解毒、排膿、消腫、利尿作用などがあり、喉の痛みを伴うような、熱型の風邪の初期や、慢性鼻炎や蓄膿症、にきびなどに用いられます。 銀翹散(ぎんぎょうさん)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょう

          レンギョウから歓喜の音色が聴こえる。

          赤い花がモクレン、白い花はハクモクレン。いづれのつぼみも生薬のシンイになります。 (今日は美しいモクレンの花に出会いました。)

          赤い花がモクレン、白い花はハクモクレン。いづれのつぼみも生薬のシンイになります。 (今日は美しいモクレンの花に出会いました。)

          note毎日更新から不定期更新になります。

          今日はお知らせです。 読んでくださる方、フォローしてくださる方、そして毎日スキしてくださる方々、ありがとうございます。 おかげさまで100日以上、毎日更新を続けることができました。 自分は生薬のことが好きなんだなぁと改めて感じました。 漢方薬局を開業すると決めたものの、自分に足りないスキルや、出来てないことがだんだん具体的になり、不安はつのるばかり。 不安を解消するには、その原因を一個一個地道に消していくしか無い、と思いました。そして、その時間を増やすため、note

          note毎日更新から不定期更新になります。

          はこべ塩を作ってみた。

          春の七草、はこべらとは、はこべのことです。ハコベはカーネーションと同じ、ナデシコ科の植物。よーく見ると花びらに切れ込みがあります。 生薬名は、「はんろう」と言います。利尿、催乳の作用があります。 胃腸病や便秘には、生の葉を絞って飲むか、乾燥させた茎葉を煎じて飲みます。 また生葉の汁をあせもやカミソリ負けの部位に塗る、という利用法もあります。 そして有名なのが、『はこべ塩』です。作り方はいろいろあるようです。 はこべ塩を歯ブラシにつけて歯を磨くと、歯槽膿漏、歯周囲炎など

          はこべ塩を作ってみた。

          下半身太りは水太り。

          上半身は痩せているのに、下半身が太い。これは、水太りのことが多いです。 水は冷たく重い性質があるので、下半身に水が溜まり、太くなります。 体に水が溜まりやすい体質を、東洋医学では痰湿(たんしつ)タイプと言ったりします。 ・少し動いただけで汗が出たり、息切れ、動悸する。 ・寒がりで暑がりである。 ・雨の日や湿度が高いと調子が悪くなる。 ・色白、皮膚がやわらかい。 ・元気がなく、疲れやすい。 ・手足がだるい。 ・頭痛やめまいがおこりやすい。 ・鼻水、痰、おりものが多い。 ・

          下半身太りは水太り。