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屋久島で最初に電気が灯った集落
仁田鉱山。
平野集落には鉱山跡が見られます。山の縦に横に穴が掘られており、場所によってはトロッコレールが敷かれています。これは昭和9年にはじまったタングステンの採掘に使われたもので、今もその姿を覗かせています。
タングステンは金属のなかで最も融点が高く、金属としては比較的大きな電気抵抗があることで知られています。一般的に白熱電球や 電子レンジ、携帯電話、空気清浄機、腕時計といった身近なものから、2000℃を超える炉のヒーターや反射板、また硬い合金にすると切削工具に使われたりします。
当時、このタングステンの産出量は日本国内の2位にまでなりました。昭和18年には平野集落の鉱山配給人員だけで545人。戦中・戦後には1000人を超す村だったと言われています。
多くの住人が生活をするために、森に家を建て、畑を耕していました。今でも残る水耕跡がとても趣があり、神秘的でもあります。
更に驚きなのは、山で水路を作り、電気を作っていたことです。当然、水力発電です。
現在、屋久島はCO2フリーの島として注目されています。これは人口11,926名(2021年3月31日)が住む島で使う、ほぼ全ての電気を水力発電で賄っているからです。屋久島は年間降水量8,000mm、平均標高が600mという豊富な水力資源を持ち、屋久島電工が3つの水力発電所で民生電力を安定供給しています。
欲を言えば、この豊かな自然電力をもっと身近に得られるライフスタイルを一周132㎞という屋久島で実現できるのではないかと密かに思っています。
最後に、現在この仁田鉱山跡は私有地にあります。鉱山は素人が勝手に立ち入ると、とても危険な場所にもなり得ます。一人で炭鉱穴に転げ落ちたら、二度と戻ってこられなくなる可能性だってあります。今回、一緒に入山してくださった地主の方、前区長にとても感謝しています。
ありがとうございました。