三岳酒造の酒蔵見学
屋久島で一番有名なお酒を作っている三岳酒造。
全国の焼酎・泡盛メーカーの2020年(1~12月期)売上高は堂々の第17位。
別の焼酎人気売れ筋ランキング(2021年9月)では第6位!
そんな三岳酒造の工場が平野区の「平野」バス停前に堂々と建っています。今日はご協力を頂いて酒蔵見学をさせていただきました。
今回、ご案内していただいたのは工場長の日高さん。以前、仁田鉱山跡にご一緒していただいた方です。今日は平野区の役員3名と一緒に来ました。
いつも感じるのは、三岳酒造さんの敷地内外とてもきれいに行き届いています。塵ひとつ落ちていないのは”意識の高さ”なのだろうと思います。
三岳酒造では小売りを一切していませんので、島内で購入するには酒屋かスーパーになります。価格設定はバラバラで、稀にどこかの某ドンキの方が安い事も。
今日は事務所で日高さんの説明からスタートです。
焼酎三岳のつくり方、どういう原理で出来上がるのかを事細かにご説明いただきました。
ひとつひとつの工程の意味とこだわりを分かりやすく聞かせていただきました。集落の育成会のこども達にも理解しやすい図解入りです。とはいえ、素人の私には100%理解しているかと聞かれると、そうとも限りません。
この後、実際の工場を見学させていただいたのですが、酒造工程が逆だったので、工程順に編集して紹介します。
三岳酒造で使っている原料米は100%タイ米です。焼酎は全て芋から出来ている訳ではありません。タイ米を使っているのは、三岳酒造の場合は国産米とタイ米を比べておいしく出来上がる方を選んでいるからとのこと。
米を洗い、漬けて、水切り、蒸し上げて、冷まします。
発酵の元となる麹を頂きました。酸味と甘みのある不思議な麹。
麹を醗酵させて酵母菌を増やしながら、芋との出会いを待ちます。
もうひとつの原料となるのが芋です。
鹿児島から輸送されるため、収穫から少なくとも4日間がかかるとのことです。芋は言わずと知れた農作物です。大きさや形は様々です。虫くいや傷んだ箇所も出てくるでしょう。
三岳酒造ではそのまま原料として使用するのではなく、苦味や渋み、体によくないと思われるような箇所を一つ一つ手作業で除去して使用しています。
敢えて機械化をしないこだわりの工程です。お金をかけるところはかける。効率化出来るところは機械化するのが三岳流といったところでしょうか。
現在、この工程で一緒に働いていただける方を求めています。
この原料芋を蒸して、冷やして、粉砕してから、先に醗酵させた「もろみ」と合わせます。
醗酵工程には水が必要となります。勿論、三岳で使うのは屋久島の水。地下からくみ上げた澄んだ水を使用しています。
この後、蒸留、製成、ろ過し、熟成します。
そして、オートメーション化した瓶詰、ラベルを貼って、箱詰めをして出荷します。
最後の最後は必ず人の『目』で検査をしています。
もうひとつ、三岳では、利用する瓶の一部は町内で使用された瓶を洗浄して再利用しています。どんなリサイクルもコストが余計にかかります。これはゴミ問題、資源活用の大きな課題ですが、敢えてお金をかけて取り組んでいます。
以前、取り上げた育成会が行っている空瓶回収がここにつながっています。
日高さんは『折角、子供たちが持ってきてくれた空き瓶を断る訳にはいかない』と利益度外視で行っているのだそう。なかなかできることではないと思います。
そして、この工程でも貼付されたラベルの”のり”によっては手作業で剥離作業が出るのだそう。
リサイクルの為に全国で剝がしやすいノリを統一すればいいのに。
最後に課題を伺いました。
芋の廃原料です。製造工程で撥ねられた”悪い部分”の処理の改善をしているところです。
水分を含み、家畜の餌としてはオススメしない有機物なんだそう。
素人考えで「肥料にしては」「埋めれば」「川に流せば」など諸々ありますが、日々積みあがる量を処理できる具体的な方法があれば知りたいのです。一緒に考えていきたいと思います。
この度は快く工場見学をさせていただいてありがとうございました。
そうそう、平野区の運動会の参加賞はここでつくられた焼酎三岳です。
私はこの参加賞で焼酎好きになりました。