やくのしま㉒
カンヒザクラ
やくしまはお花見の季節です。桜は本州で4月にみられるようなソメイヨシノ桜ではなく、寒緋桜です。寒緋桜は桜の仲間の中でも、最も紅色が濃い種類のひとつで寒い時期に咲く緋色の桜ということから、「寒緋桜」と名付けられました。元々は「緋寒桜」ヒカンザクラと呼んでいたようですが、別種の「彼岸桜」ヒガンザクラと混同しやすいことから、カンヒザクラに改められたと言われています。
旧暦の正月あたりに咲くことからガンジツザクラ(元日桜)と呼ばれることもあります。(今年の旧正月は2月1日です)別名タイワンザクラ(台湾桜)、ヒザクラ(緋桜)とも。
先日、集落で行われるお花見会(お茶のみ会)に参加しました。幸い天気がよく、晴れになったことで、とても暖かく上着が要らない程でした。
昨年は2月に満開だったようで、今年は早い開花です。
カンヒザクラは花見などの鑑賞用に利用されるほか、台湾では紅色で卵形の果実(サクランボ)を「山櫻桃」と呼び、砂糖、塩、甘草などを加えて煮つめて、保存食や土産品としたり、ジャムにしたりします。花びらも塩漬けにして、スープや菓子の彩りに使われます。沖縄県では泡盛に漬けて果実酒にしたりします。
カンヒザクラとしての効能を見つけることができませんでしたが、原種の一種とされるヤマザクラの花と葉には咳を止めたり、喘息をやわらげたり、肺機能を高めたり、腸をうるおすなどのはたらき、解毒作用があるそうです。
桜の花
ビタミンA、B、Eが含まれていて、咳、喘息以外にも、美容、新陳代謝にも効果があるそうです。
桜の果実
桜の実は酸っぱくて渋いので、食用には使われません。かつては強壮薬として利用していたそうです。
桜の樹皮
山桜の樹皮を日本独自の生薬として使っていたそう。