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「文学から読み解く屋久島・児童文学作家:椋鳩十」
こんにちは、屋久島自然学校です。
さて、今回は日本の児童文学作家の椋鳩十(1905~1987)をご紹介いたします。
動物文学の第一人者として知られ、国語の教科書にも採用されていますのでご存知の方もいるかもしれません。
「片耳の大シカ」 「大造じいさんとガン」「マヤの一生」といった作品が有名ですが聞いたことありますか?
椋鳩十の生まれは長野県ですが、鹿児島県で教師をするかたわら創作に励みました。
後に鹿児島県立図書館長、鹿児島県女子短期大学教授の要職につくなど鹿児島にゆかりのある方です。
その為、屋久島にも何回もフィールドワークに訪れて屋久島を題材にした作品をいくつか発表しています。
屋久島の湯泊と呼ばれる集落には椋鳩十の文学碑が建てられていますので興味のある方は屋久島に来た際に訪れてみてください。
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・・・屋久島を訪れ、以後、三十回以上、屋久島の地を踏んでいる。
特に、この地の佐々木吹義さんとの交友は、長く、作品の多くは二人の語らいの中で生まれたという。
屋久島を題材とした代表作として「片耳の大鹿」「海上アルプス」「ヤクザル大王」「大ワシと猿」等々あるが、中でも1950年に発表した「片耳の大鹿」は文部大臣奨励賞を受け、椋鳩十の名を一躍児童文学の世界に鳴り響かせるとともに屋久島の存在を世に知らしめることになった。
なお、自らも、屋久島を大変好きで「こういう島に住むことができたら、どんなに幸せだろう」とも書いている。・・・
屋久島を題材にした作品
屋久島の山中を舞台に,作品が描かれている。主人公の「ぼく」は,そこに住む鹿狩りの名人である吉助おじさんから誘われ,鹿狩りに行く。そこで,「片耳の大鹿」と呼ばれる,鉄砲で片耳を撃ち落とされた一匹の大鹿に出会う。
狩人と鹿の織りなす心温まる物語となっており,荘厳なまでの生命のふれあいを描いている。
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「ヤクザル大王」椋鳩十最後の名作!
著者が屋久島の猟師に取材した伝説の大ザルの物語である。
内容:森深い屋久島の若ザル・ホシは、母を人間のわなに捕らえられ父を鉄砲で傷つけられますが、たくましく生き抜き、ヤクザル大王と呼ばれるまでに成長します。
このホシの一生が感動的に描かれます。
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「黒いギャング」:椋鳩十全集3に含まれる短編
村人から「黒いギャング」と呼ばれ、おそれられているカラス。村人の怒りをはらそうと、猟銃を肩に森に入った狩人の房吉が見たものは…。屋久島の大自然を舞台に「いのち」のドラマを優しく語る。
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「洋上アルプス」:椋鳩十全集21
周囲百キロの屋久島に、千メートル以上の山が三十もある。有名
な屋久杉と野生のシカとサルのいる神秘な島が今・・・。
作品からはその当時の暮らしや自然の厳しさなどを思い描くことができます。
また、全体を通して、命の尊さ・命に対しての平等な眼差しを感じます。
ぜひ、これからの自然や動物との共生を考えるうえで、子供だけでなく・・・むしろ大人に読んでいただきたい作品です!
最後に椋鳩十の言葉
「感動は人生の窓を開く」
すっかり椋鳩十のことが好きになってしまいました。
余談ですが、椋鳩十は小学6年生の時に「アルプスの少女ハイジ」(1880年発表)と出会い、影響を受けたようです。
アルプスの少女ハイジがそんなに古い作品だとは知りませんでした。
また、ジブリ作品が好きな私としては、宮崎駿監督と共通項があるのが驚きでした。
思わず、「アルプスの少女ハイジ」をAmazonで注文してしまいました。
ホームページでは、屋久島に関する書籍を紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
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