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2017旅行記その16:大自然の国アメリカ

深夜なのか早朝なのか、よくわからないままアラームに起こされて、何とか集合時間には間に合った。日本人向けのツアーなので、ガイドも参加者も全員日本人。時期的に春休みなので、家族での参加だったり学生らしき若い人が多かったような気がする。そんな中、今回も私は一人ぽつねんと参加。こちらはもう慣れたので特に意識しなかったが、周りの方が気を遣ってくれていたのかもしれないな。

この日最初に向かったのはアンテロープキャニオン。鉄砲水が生み出した地形ということで、現地に雨が降ってなくても上流で降った場合は、入場できなくなるんだとか。この日は特に問題なく観光することができた。そして、ここはアメリカ先住民のナバホ族の居留区の中にある。現地でナバホ族のガイドさんと合流したのだが、サイモン・シン著「暗号解読」を読んでいた私としては、旧日本軍が解読できなかったあの「ナバホ・コードトーカー」か、と別の意味で感動していた。

入り口でトラックを改造したような車に乗り換え、実際の渓谷へ。その道すがらももう異世界というか、荒涼たる岩と砂の景色が広がっている。アメリカというとITというか最先端というか、科学や文明を引っ張っていっている国という面もあるが、一方で美しい自然が残っている国でもあるんだな。実際に触れて、初めて実感できた。

アンテロープキャニオンはいくつか分かれていて、このツアーではアッパーとローワーの2箇所を回るとのこと。そして、渓谷内にはいくつか日光が地面まで届くポイントがあり、時間が来るとまさにビームのように光の柱が現れる。この時期は午前中に訪れないと見れないそうで、ラスベガスから4時間以上かかることを考えると、集合時間もえらい早くなってしまう、というわけで。

もうたくさんの観光客を相手にしているからだろう、ガイドさんはビームの綺麗な撮影方法を熟知している。地面の砂を軽く巻き上げると、砂つぶが光に当たってビームがはっきりと見えるようになるのだ。参加者がスマホを渡し、サクサク撮って返していく様子を見ていると、ありがたみが薄れるくらい。しかし、それくらいテキパキやらないと、狭い渓谷内で別のツアーの参加者が詰まってしまう。私も写真を撮ってもらいつつ、先へ進む。

狭い道を登ったり降りたり、曲がったりくねったり。周りは水に削り取られ、地層を露わにした美しい岩肌と、かすかに見える青い空。自然にできた迷宮を進んでいるようで、それだけで何だか心が躍る。無事にアッパーとローワーを歩き切ると、流石に疲れた。アンテロープキャニオンに別れを告げ次は昼食。中華のビュッフェだったので、ここぞとばかりに食いだめ。だいぶ貧乏旅行に体が対応してきたらしい。

そしてホースシューベンドへ。有名な景色だが、実際に目の前にすると迫力が違う。アンテロープキャニオンもだが、長い長い自然の営みの結果生まれた絶景を、そして今もなお変化し続けている姿を見ていると、言葉が出ない。帰る時間ギリギリまで、夕日に染まる大地の歴史を飽きずに見続けていた。

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ラスベガスにたどり着いたのはもうすっかり夜になってから。明日もツアーに参加するので、コンビニで軽く夕飯を調達してベッドに潜り込む。もはや時差ぼけは解消されたので、即寝落ちした。

お世話になったツアー会社
ネバダ観光サービス
https://www.nevakan.com
日本人向けにラスベガス発着のツアーを催行している会社。私はベルトラ経由で申し込んだ。押さえるべきポイントを無駄なく押さえていくあたりは、さすが日本人観光客のニーズをよくご存知。日帰りとはいえ長時間のツアーだったが、大きなトラブルなく終えることができて感謝している。

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