転々暮らし 2/11 fri 一度きりでない作品の「継ぎ方」
今日から3日間、こちらの公演をお手伝いさせて頂きます。そのために会場にほど近い、九条にあるADDressの滞在拠点にやって来た。
京都で最初くらいに「コンタクトインプロビゼーション」という言葉を出して(多分西洋から輸入して)コンテンポラリーダンスの創作を牽引してきたMonochrome Circusが主催する公演。06年から始まったトゥールーズのダンサーとの共創や、このコロナ禍をダンサーがどのように捉えてきたのか、そして本年度の京都市芸術新人賞を受賞した斉藤綾子さんが出演して踊られる、Monochrome Circus坂本 公成氏が長年大切にされてきた作品『怪物』……さまざまな切り口から楽しめそうな3作品一挙上演。
以前の、他の方が踊られていた『怪物』を知らないので比較できないのが残念。どのようになるんだろう。ヒップホップなどの「あきらかに型の決まった形式のダンス」なら、そしてアーティストのバックダンサーやアイドルなど「言われた振り付けを寸分違わず踊ることができる」人なら、寸分違わず坂本氏が初演した当初のものを再現することができるんだろうが、そうなるのだろうか……。
腕をピンと伸ばして!とかが決まっているバレエは、曲げる振り付けもいちいち名前が付けられている。それが今まで連綿とその形が受け継がれてきた要因であり、強みだ。勿論そのバレエをもとに派生した形の「コンテンポラリーダンス」なら、振り付けもちょくに渡しやすいだろう。でも舞踏のような「立ち上がる」とか曖昧に言ってしまったり「獣の型」とかざっくりした名前しかないものは、より受け継ぐのに時間がかかる。
そもそもそのまま前の踊りを踏襲するのか?作品の「形」ではなく「精神」を受け継いでもらえれば良いのだ!とか、「形は違っても、以前見た人から『なるほど、前見た作品を同じものを感じた!」と言われたらいいのか?
そのへんの、いわゆる「どこを目指すのか」は、舵を握る坂本氏のみぞ知る、というところだろう。いぜんのものを知らない私がそれを知るには、本人と直接話すしかない。
ああ、飲みに行きたい。