見出し画像

ぼんやりニート日記 2023/6/23~26「ぼちぼちやっていく」

2023/6/23(金)
実家にある私物を整理する。5年前に実家を飛び出してからずっと放置されてきた自室がゴミやら埃やら溜まって汚かったから掃除した。
机の引き出しの中に大学生時代に後輩からもらった色紙を見つける。

色紙には僕を褒める言葉がいっぱい書いてあった。大学時代の僕ってこんな風に見られていたのか。今の僕とだいぶ印象が違うというかもう別人だ。
まだ鬱病になっていなかった大学生の頃の僕は、今よりずっとテンションが高く活発で社交性がある人間だったと思う。人を笑わせるのが好きでよく冗談を言ったり、突拍子もないことをして人を驚かしたりするのを楽しんでいた。大学卒業後に体を壊してからは鬱になり、かつての元気もなくなってしまったけど。
病気になって失ったものはやはり多い。もうあの頃のように快活にはなれないし、仕事にも打ち込めないだろう。でも病気になってから手に入れたものもまた多かったりする。病気をきっかけにTwitterで知り合った人たちとか、東京でできた友達とか、シェアハウスで巡りあった人達とか、その他にも数えきれないほどの人との縁が。だから病気になってしまったことが僕の人生のマイナスであったかと聞かれるとそうは言いきれなかったりするのだ。複雑な気持ちである。


2023/6/24(土)
高校時代の友達二人と昼御飯を食べにいく。母校の近くにあるインドカレー屋「ビンディカ」でチキンカレーとナンを注文。

思ってたより数倍でかい巨大なナンが出てきてビビる。なんとか頑張って完食。旨かった。
食後、名古屋を車でドライブする。熱田神宮の近くまで来たのでせっかくだし参拝しようか、という話になり立ち寄る。


「今年は酷い目にあいませんように」とか「みんな健康で」とか祈る。
神社内にある宝物館で刀剣展示会がやっていたので暇潰しに入ってみる。大太刀が触れる体験コーナーを見つけてみんなテンションがあがる。ワーワー騒ぎながら大太刀を持ち上げて写真を撮ったりして遊ぶ。

大太刀は想像より遥かに重くて持ち上げると腰が抜けそうになる。こんな丸太みたいな重さの棒を振り回して戦っていたなんてすごいな当時の武士は。
帰り際に財布をトイレで落としたことに気づく。取り返しにトイレに戻ったがすでに僕の財布は跡形もなく血の気が引いた。一時間ほど探し回るが見つからず。諦めかけたところで僕のスマホから着信音が鳴った。近くにあった駐車場の警備部所からの連絡で、僕の財布らしきものが届けられたと言われる。大急ぎで確認しに行ったら、やっぱり僕の財布で中身は何も盗られておらず無傷だった。奇跡だ…。なんて日本は治安が良い国なんだろう。感激してしまう。

夕方。一緒に財布を探してくれた友達にお礼を言い帰宅。実家に戻るとちょうど弟が遊びに来ていた。近況を聞くと、「まあまあ」とのこと。弟は去年に鬱病になって仕事を休むほど落ち込んでいたが、最近は調子も良くなり職場にも復帰したらしい。僕みたく体を完全に壊して長期ニートにならなくて本当に良かったな。夕御飯を一緒に食べながら世間話をする。中学の同級生のだれそれが結婚して子どもを産んだとか、子供部屋おじさんになってニートをしているヤツもいるとか。おまえはこれからどうするんだ、と弟に聞かれる。「おれは東京で骨をうずめます」と適当に答えた。


2023/6/25(日)
晴れ。大学時代の友だちと大須に遊びにいく。4年ぶりの再会。学生時代によく通っていた「ソロピッツァナポレターナ」というピザ屋で昼飯を食べる。

ピザを食べながらここ最近の出来事を話し合う。友達はこの数年で仕事が合わず転職したり、精神を病んだりして大変だったらしい。なんかみんな仕事で病みすぎていないか。他の友達からも仕事で体を壊してしまったり、鬱病になったって近頃よく聞くし。こんなに人間を追い詰めてしまう現代の労働環境ってやっぱりおかしくないだろうかと思う。

昼食後、栄まで散歩する。途中、トー横キッズみたいに着飾った女の子の集団を見つける。友達に聞いたら、「ドン横キッズ」と呼ばれる子たちだ、と言う。名前の由来はドン・キホーテ栄店前の広場に集まっているから。その広場も去年に高層ビルの開発に伴って閉鎖されたとのことで、栄では居場所がなくなってあぶれたドン横キッズたちが色んなところで見かけるようになっているらしい。僕が見たドン横キッズの集団には小学生みたいな子もいてなんとも言えない気持ちになる。そんな幼い年頃で居場所がないってのはつらいよな。大人でも心のよりどころがない状態って耐えがたいほどつらいのに、子どもだったらもっとしんどいことだろう。どうにかならないものだろうか。僕らにできることってせいぜい変な大人が子どもに近寄らないように注意して見守る程度で、根本的な解決は難しいよな。それにその場しのぎの中途半端な支援はかえって子どもたちを傷つけてしまうことだってある。闇が深すぎてどう手をつけていいかわからないな、この問題。

帰り際にゲーセンに入って遊ぶ。バスケットゴールゲームやシューティングゲームとかやってみた。ゲーセンで遊ぶなんて何年ぶりだろうか。久しぶりに遊んでみたけど結構楽しめた。でもゲーセンって本気で遊ぶと一瞬で金が溶けるな。ハマりすぎには注意だ。

友達と別れたあと新舞子へ電車で向かう。駅を出た後、なんか無性に海が見たくなって新舞子海岸まで歩く。

浜に座って海を見ながらぼーっとする。別に綺麗な海でもないんだけど、見てると癒される。やっぱり海はいいな、でかくて。でかいものを見ると自分の悩みがちっぽけに見えて良い。だから子ども頃から海とか山とか広い川とか巨大な建物とかを眺めるのが好きだった。

来週には東京に帰らないとな、と思う。東京にはやらなきゃいけないことがたくさん残っているから。いつまでものんびり旅行してる訳にはいかない。しんどいけど、ぼちぼちやっていくか。

2023/6/26(月)
朝。身体が痛い。ここ最近外出が多かったせいか足が筋肉痛になってしまった。今日は体調が悪いし捨てる日だな、と決め昼まで二度寝する。

午後。犬の散歩に出かける。近所の田んぼや畑や竹やぶを巡りながら歩く。本当にここらへんは何時見ても変わらない土地だ。小学生の頃から全く風景に変化がなく、面白味が全然ない。けど昔から変わらない景色というのは見ていて少し落ち着くなと思った。そういえば散歩中に蚊をよく見かけたのだが、全く僕の血を吸ってこない。なんでだろう。もしかして、普段向精神薬や睡眠薬を飲みまくってるせいで、僕の血液はかなり不味いのだろうか…。

夜。明日東京に帰るので荷物を整理する。今回は長い滞在だった。良い気分転換になったんじゃないかと思う。のんびりした時間の中で、これからのこともいっぱい考えられたしな。東京に帰ってもせいぜい死なない程度に頑張っていくとしよう。


いいなと思ったら応援しよう!