ワクワク
占いが苦手だ。
たくさん分析されて、あなたはこんな人間です。と、改めて客観的に言われるのが、どうしても苦手だ。
朝の占いも、あの数秒で今日の自分を決めつけられている感じがして、あまりいい気分じゃない。
身近に、占い好きな人が多いので、お金を払って占いに行っている人が多い。
私は、全く理解できなかった。
そもそも、占いで過去や自分の性格を言い当てられたから何になるのだろう?
未来のことだって、分からないから面白いのだ。
ある日、占い好きな友達の「なっちゃん」に聞いてみた。
「なっちゃんさ、占いよく行ってるけど、何のために行くの?お金を払って、あたるかどうかも分からない未来のことを聞いて、何が得られるの?」
なっちゃんは言った。
「あのね、占いは、ワクワクするんだよ。当たってるかどうかなんて私は考えたことない。 良いこと言われたら信じればいいし、悪いこと言われたら、信じなければいい。自分の未来なんて、自分にしか分かんないんだから。占いは、エンタメなんだよ。一種のパフォーマンスなの。」
目から鱗だった。
そんな楽しみ方もあるんだ、そんな楽しみ方をしていいんだ、と分かって、なんだかワクワクした。
私は、占いに真剣に向き合いすぎていたのかもしれない。
なっちゃんは、500円で占ってくれる手相占いに行ったとき、2000円払わされていた時も、変わらずワクワクしていた。
やくにき
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