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地球はいつぶっ壊れるだろうか?【プラネタリーバウンダリー】

こんにちは. ヤク学長です. 今回は地球はどのくらいで臨界し崩壊していくのか,  様々な理論を考える人達について取り上げます. 

ガイア理論 feat.ジェームズ・ラブロック

1960年代のNASA出身のイギリスの科学者ジェームズ・ラブロック(James Lovelock)は[ガイア議論]を提唱している人物である. 地球全体を1種の超生命体とみなす発想は環境学主義者の域を超えて多くの分野に影響与えたと言われている.

「ガイア理論」は地球や自然環境を神格化しているため反神論の1種と理解されることもある. もともとはアメリカの言語学者ノーバート・ウィーナーの「サイバネティック理論」や「人間機械論」の強い影響下にある説である. 

生命体と機械の間には一定の情報のやり取りや仕組みに関して類似性があるのではないかというところからが出発点だ. 

どちらかといえば、動的な「過去に入力た値や未来で入力する予定の値で決定する」システムに充足した考え方で生物や自然現象を捉えようとするアプローチとも言える. 

ラブロックの平衡状態感覚

火星の研究をしていたラブブロックは火星の大気が平衡状態にあるのに対し地球の大気は平衡状態からは程遠い状態にあることに気づく.

一見すると, 生物は動的であり、自然のような無機物は静的なものと考えるだろう.しかし, ラブロックの視点は異なっていた.

地球の自然環境は, 生命と環境の間に発生するフィードバックループによって1つの自動調節システムを形成していると考えた. この発想は無機的な自然環境を区別し動的に考える発想を促している. 

地球は1つの生命である」と言う比喩を用いるラブロックに対しては, 対抗馬に上がるのはリチャード・ドーキンスであろう. 

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利己的な遺伝子 feat.リチャード・ドーキンス

彼はイギリスの進化生物学者であり, ダーウィンの思想的後継者の一人として知られている. 「利己的な遺伝子」を始めとした著書で有名だ. 

どんな批判をしているかというと, 無作為な自然に目的性を持ち込んでいると言う批判である. =「生物の発生と進化というものは目的なんてない. そこにあるのは偶然と自然淘汰の結果であり, 地球を超生命体とする一つの地球生命とみなすのは人間の錯覚に過ぎない」と言う指摘があった. 

しかし, ラブロックは80年代にヒナギクの効果を例にとり閉鎖系の恒常性が自然状態でも維持されることを証明したシュミレーション「デイジーワールド」を提唱することで反論している. 

※ちなみにデイジーワールドはExcelでも表現が可能なので興味ある方は検索を. 

詰まるところ, ラブロックが提唱した動的な自然観は, 2000年代以降も地球システム科学の分野で重要な役割を果たしている. 

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プラネタリーバウンダリー feat.ヨハンストローム

SDGsの考えの基盤となったような考えと言われている. 2009年スウェーデンの環境科学者ヨハン・ロックストロームがプラネタリーバウンダリーと言う考え方を発表している. これは、2012年の国連持続可能な開発会議で発表され, 2015年に採択されたSDGsの環境項目の基礎と言われている. 

プラネタリーバウンダリーとは, 「地球の限界」とも呼ばれ地球温暖化や人類が抱える難題を理解するキーワードとして使われる. 自然環境はある転換点を超えてしまった瞬間に, 均衡状態から別の均衡状態へ, 急激かつ不可逆的に移行すると言うことを指摘している. 

皆さんは自然状態を深く考えたことがあるだろうか?

自然環境は現在の状態を保持しようとする力がずっと働いているのに注目である. 何らかの作用が発生し現状から変化しようとする力に対しては, 常にカウンターパンチ(ネガティブフィードバック)が働いている. これはをロックストームは「レジリエンス」として定義している. =生物学的には恒常生であるところのホメオスタシスであろうか. 

この「レジリエンス」状態で, ある平衡点を突破すると逆の状態を保とうとするネガティブフィードバックへと反転し, 新しい均衡状態へ向けて変化を後押しするようになる. そのため, 自然環境の変化は気まぐれに突如急激な変化となり、新しい均衡状態へと一気に進んでいく

レジリエンスの均衡状態

地球温暖化を例に上げると地球の生態系は人間が排出した二酸化炭素の約50%以上を吸収している. また温室効果に由来する熱は, 実際は海洋に90%が吸収している。こうした自然環境が持つレジリエンスの均衡状態は, どの時点で破られるのか。

ロックストロームは9つの分野で制御変数を示し、均衡が破られる可能性の高い値を, 地球の境界(プラネタリーバウンダリー)として算出している. 

人間の生き残りに不可欠な9つの「地球生存支援システム」を特定し, これらの7つシステムのうちが既に飛び越えてしまっているものがないかどうかを定量化しようとした. 

※限界値(気候変動, 海洋酸性化, オゾン層の破壊, 窒素とリンの循環, グローバルな淡水利用, 土地利用変化, 生物多様性の損失, 大気エアロゾルの負荷, 化学物質による汚染). 

人類の生存が脅かされる前に, 人類はどれほど開発を続けることができるかを見積もった. そういった環境境界を設定し,その上で持続可能性を議論していく事は環境問題と言うスケールの大きなシステムに向かい合ったときに大切になる。

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以上、環境問題に対する解像度が上がってきた昨今であるが、大喜利のような言言論戦争と何らかの恣意によって,うわすべりしているゲームチェンジバトルになっていると感じている. 

たまには環境に対して, 地球の限界に対してどうしましょうかと真剣に取り組む人々のことを考えてみるのは大切なことだと思う,,と思いに耽る.  


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