家族の債務や浪費をやめさせたい

家族の浪費やギャンブルを止めるため、今後借金をできなくする方法はありますか？、などという悲しい相談も良くある。しかし残念ながら契約社会の現代は家族であっても、本人が浪費したりギャンブルしたりすることを法的にやめさせることはできない。

何故かと言えば、お金を借りることは本人の自由意思であり、たとえその使い道が浪費やギャンブルであっても、家族を含め第三者がそれを強制的にやめさせることは「本人の人権無視となる」ので出来ないからである。当事者家族としては何とももどかしいことであろう。

ただし、本人が浪費をやめたいと考えている場合で、債務がある場合は法専門家に債務整理を依頼することができるし、債務が無い場合で今後の浪費や債務を止めたいと思うなら、「自ら貸金業協会等に対し、貸付自粛の申し出を行う」ことができる。

これを貸付自粛制度と言い、本人が浪費やギャンブルをやめたいと考え、今後の借り入れを望んでいない場合、貸付自粛の申告をすることができます。貸付自粛の申告とは、本人が貸金業協会等に対し、金銭の貸付けを求めてもこれに応じないよう求める申告で、いわゆる自分の名前をブラックリストに自発的に登録して貰うという行為となる。

この申告がされると（株）日本信用情報機構（JICC）と（株）シー・アイ・シー（CIC）と全国銀行個人信用情報センターに貸付自粛情報が登録されるので、今後の審査で引っかかる形になる。この申告ができるのは、本人又は本人の法定代理人（未成年者の親権者、本人の成年後見人等）等に限られる。

よって、認知症その他の精神障害などで浪費やギャンブルが行われ（本人が正常な判断能力を失っているために行われているような場合）ているならば、早めに成年後見制度を利用して、債務整理や自己破産の手続きを後見人にお願いするのが良いだろう。

成年後見制度を利用するには、家庭裁判所によって選任された成年後見人等が、本人に代わって本人の財産を管理したり、本人が行った借金等の契約を取消すことにより、本人を保護することになり、もちろん債務問題の法的行為（本人を代理して法的専門家に手続きを依頼する）も出来ることになる。

ある例として、精神疾患（統合失調症）の本人は10年前に自己破産の手続きを弁護士に依頼したが、その後の本人がやるべきことが出来ずに、10年来何も手続きが動かなかったので、家裁に成年後見を申立て、私が本人を代理して3か月で、費用を一切かけずに自己破産の免責決定まで持って行ったことがある。

もっとも精神疾患の当事者は私に一切の感謝をすることはなく、文句ばかり言ってくるのが困ったものであるが・・・・💦
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【記】やく・たたず（屋久 佇（竚））