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美容整形医療過誤なのに健康保険適用?

脂肪吸引とリフトアップの施術中に救急搬送されたという女性が、医療過誤として訴えたいと言って来た話があった。
脂肪吸引術は保険外診療で、手術は全身麻酔下で小さな切開孔から「盲目的に」広範囲の脂肪吸引を行う外科手術である。

通院での手術で行われる場合が多く、全身麻酔から覚めて数時間後に帰宅する日帰り手術で行われている。
しかし、時々術後当日に救急搬送される患者が発生し、救急で合併症治療に迫られることがあり問題視されている。救急搬送された半数が輸血を要するケースだったと言い、救急とはいえ「保険診療」で行われることの問題がある。

そもそも自費診療であったものが、その医療過誤で保険診療とされると公的医療費の負担増になり、保険外診療による合併症を保険診療にすると矛盾が生じると思えるが、保険病名が付きそれに対する治療であれば健康保険適用になる現実がある。

アメリカの場合などは美容外科専用の保険があり、仮に合併症などの問題が起きた場合は、事前に加入した保険で医療費をカバーする形になるので問題がない。
同じように、日本も自費診療を発端にする関連合併症の治療は、保険病名が付いても健康保険を使えないようにし、それをカバーする事前に加入する民間の保険商品を作るのが良いのではないかと思えてしまうのは、私だけだろうか?

もともと脂肪吸引術における合併症の多くは出血であり、かつて脂肪吸引は輸血を要するものであった。
それが、1980年代に開発されたtumescent法の導入以降は、止血作用のあるエピネフリンや、麻酔効果のあるリドカイン溶液などを生理食塩水で薄めた溶液を使い、食塩水で薄められた溶液は、脂肪をふやかすために皮下に注射され、その後、ふやかしたあとの脂肪細胞を吸引する方法となり、脂肪吸引の際に必要だった輸血をしなくても済むようになったことも、術後合併症の要因なのかもしれない。

いずれにせよ、保険外治療で起きたトラブルを保険適用で行われることは、やはり腑に落ちないものである。
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【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

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