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しがみつかない人生

4年ほど前から知っている女性であるが、今年60歳になったのを契機に、あっさり保健師を辞めた人がいる。特にコロナ禍の頃であったので、保健師は激務で大変だったのを傍らから見ていた。

保健師を持っているということは看護師資格も持っていることになるから、その専門知識とスキルを使えば、看護の現場や保健分野の現場から少し離れても、60歳まで積上げた実践経験を活用した仕事を発展させれば良いのに、と思った次第である。

でも、こういう人はサバサバしていて気持ちが良い。
定年までは保健師として働いたので、もう保健師は辞めよう、医療分野もおさらばしよう、という姿勢が清々しいと思った。この、「やり切った感」に重要さがある。

ともあれサラリーマンたるもの、会社や専門に未練を持たず、過去をキッパリ捨てて別の道を歩く姿勢が大切だ。
しがみつく人生は良くない。そもそも定年まで仕事をして、やりきった感を覚えないのはサボっていたからではないのか?との疑問も抱く。
その意味でも、しがみつく人生ではなく、やりきった感の後の新天地を切り開く人生こそが、人生100年時代の生き方ではないだろうか。

で、これから彼女は何をやるのかというと、「日本語教師になります」との回答だった。
私はかつて留学生を教えていたこともあるので、異文化交流の楽しさを知っているから、その言葉は素晴らしいと思った。

私は日本語教師ではなかったが、ビジネスや経営を教える中で日本語も教えていた。多くはアジアからの留学生だったが、ヨーロッパの留学生もいた。皆アニメが好きだった。一度留学生を教えてしまうと、もう日本人学生には興味が無くなる。

それだけ現代の日本人学生の覇気の無さと、逆に、留学生の漲るパワーの差が現場にはあるのだ。
#note   #エッセイ   #高齢者   #フリーター   #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

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