町中華
私は黄色看板とか、赤いカウンターとかの町中華が好きである。安価な値段で、気軽に空腹を満たすこともできるし、気軽に1杯やることもできるからである。
私の個人的な条件に過ぎないが、町中華というからにはやはり最低でも40年以上前からやっている店でなければならない。つまり昭和からやっていることが第一条件となる。
店内はカウンターとテーブル、もしくはテーブルや座敷の店でなければならない。間違ってもラーメン屋のようにカウンターだけの店は町中華と私は呼ばない。これが第二条件である。
味は美味しくなければならないのは当然だが、かといって美味し過ぎる必要はない。気軽に寄って、気軽に食べられる、気軽な味があれば十分である。
本格中華屋のような贅沢なメニューは要らないが、麺類や丼類や一品物の中華以外にも、とんかつやカレーなど洋食もあって欲しい。無くても良いがオムライスなどがあると実に嬉しい。これが第三条件である。
第四条件としては、千円程度で飲み食いできる値段設定である。ラーメンもしくは中華そばは400円~550円までが限界である。その値段の町中華は幾らでもある。定食類は700円程度が良い。アルコールはビールが500円、日本酒や紹興酒だと400円くらいだろう。餃子は5個以上で350円~450円が限界だ。
そして最後の条件は、それが近所にあるということだ。仕事場の近くでも構わない。いずれにせよ生活圏内の近場に無ければ「町」中華とは言えないではないか。営業時間も限りなく遅くまでやっているのが嬉しい。
最近はめっきりと少なくなってしまった、私にとって本来の意味での町中華(上記の五条件を全て満たす店)だが、下町にはまだまだ何軒もある。でも、店主の高齢化、後継者不在、コロナ禍以降の経営(昨今の食材物資や光熱費の高騰)などがあり閉店してしまう店も増えているので、何とか残して欲しいものだ。
#note #エッセイ #高齢者 #フリーター #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))