山に帰ってこれたよ ~長野・入笠山~
ブラタモリ 松本編、面白かったですね (タイムリー)
通い慣れたエリアでも知らないことだらけで「へぇ~」って言いながら観てました笑
それはさておき……
高尾山で2020年の”登り納め”をし、
「来年もたくさん山に登れますように!!!」と祈願した私。
しかし、その直後に膝の痛みを発症。登山なんて出来やしない強烈な痛みに襲われ、リハビリをしなければならなくなった。
(詳しくは『膝を治して、また山に登りたい』にて)
日常生活に支障が出ていることより、この先もしかしたら山に登れなくなるんじゃないかということの方が怖かった。
それくらい、私にとって登山は自分になくてはならないものになっていた。
リハビリを頑張って、登りたい山にまたガンガン登れる時がくることをひたすら願う日々。辛かった。
そして、今年2021年6月。
理学療法士さんから「高尾山みたいな軽めの山だったらチャレンジしてみて良いかも」「もし登っていて膝が痛むようならすぐ下山するってことにすれば」というアドバイスをもらったため、ついに山へ行くことに!
行くのは前にも一度行った入笠山!今回は母も同行。
地元長野県にある1955mの山だけど、途中までゴンドラに乗れるため実際に登山するのは1時間程度。復帰するにはもってこいだと思った。
ゴンドラのチケットを購入し、売店や食堂の横を通り過ぎる。
入笠山の麓へ来た時、ちょっとグッときてしまった…。
登りたいのに登れなかった日々、他の人が登っているのをSNS等で見て嫉妬した日々、本当にまた登れる日が来るのか不安になりながらリハビリを一人やっていた日々。
たった半年だったはずなのに、随分長く感じた。
周りに人がいないのを良い事にマスクを外して息を吸い込んだ。
山の匂いがした。
私はここに、戻ってきた。
ゴンドラの待機列はそこまで長くなかったが、ソーシャルディスタンスを保つよう指示があった。消毒用のアルコールも置かれていた。変わってしまった世界。いつか何も気にせず笑い合える日が来ますように。
母はこのゴンドラで高度を上げていく時がとても好きなんだそう。
私は長野県に生まれ、周りにある山に飽き飽きし、上京するまでは山になんか目もくれず、プールや海が好きだった。
そして私の母もまた、山よりも海が好きな人だった。海の写真集は何冊も買っていたが、山へ改めて目を向けることは滅多になかったと思う。
そんな母が、ゴンドラから見る八ヶ岳に目を輝かせている。
人生は、何があるのか本当に分からない。
ゴンドラを降りると、すぐそこにすずらん畑と八ヶ岳の絶景が広がっている。
みんなすずらんにカメラを近づけて写真を撮ってる。
※加工なしでこれです。
入笠湿原へ移動。湿原に入る手前は少し林の中を通る。「あぁ…木に囲まれてる…懐かしいなぁ…」と感慨にふける。
スズラン。かわいい。
クリンソウ。
湿原はこんな感じで本当にたくさんの花が育っている。季節によって咲いている花が異なる。
さすが花の百名山。
山に何月頃、どんな花が咲いているのか書かれた冊子を配っていた。
山初心者には超絶ありがたい!!
そんな冊子を片手に、木道を歩きながら花や木々を撮っていく。
撮る角度によって、木道が本当に神秘的な道に見える。
膝がまだ大丈夫そうだったので、頂上へ向かうことにした。運動に慣れていない母が一緒だったこともあり、お互いに無理しないようゆっくりゆっくり登った。
ぴったんこカンカンで、安住アナと女優兼日本トレッキング協会理事こと市毛良枝さんがこの山に登っていたことを思い出す。良い山だよね、本当。
熟練者じゃなければ立ち入れない山域ももちろん魅力的で、いつか絶対行ってやるって思ってるけど、私は入笠山みたいに、色んな人に門戸が開かれた山が好きだ。
人と山とを結び付けてくれる大事な存在だと思うから。
こういう山をきっかけに、ちょっとだけ自然を好きになる人もいるし、ここをきっかけにしてどんどん上級者向けの山に向かっていく人もいる。
色んな人たちの交差点。ここには色んな可能性が秘められていると思う。
私には、何ができるかな。
話がちょっとそれたけど……山頂が近づくと、少し坂が急になる。
少しだけ踏ん張る。母はスニーカーで登っているから、無理をしていないか気にかける。
私は私で、膝に負担をかけ過ぎないよう、ふくらはぎやお尻の筋肉も意識して登る。理学療法士さんから言われてきたことだ(私には理学療法士が付いている!って思えば、1回怪我をしても心強いです)。
そして、無事山頂に着くことができた。
しかも、前回登った時は真っ白だったが、今回は全方向視界が開けていた!
ようやく入笠山の一番の醍醐味を味わうことができた笑
八ヶ岳方面。
諏訪湖越しの北アルプス方面。
常念山脈や乗鞍岳。槍ヶ岳も頂のとんがりがぴょこっと見える。白馬も見えてるのかな?教えて詳しい人。
御嶽や中央アルプス方面
南アルプスも見えます。
駅からのアクセスはタクシーやバスですぐ。
ゴンドラを降りてから1時間登るだけでのこの景色は、本当にすごい。贅沢。
県内の名峰の大半がここから見えるんじゃないだろうか。
長野の山々のスケールはやはりすごい。
ずるい。
喉から手が出るほど、長野にいたい。
いつ帰ってこようか。
そしてこの山々、まずはどれから登ろうか。
そんなことを考えながら、食事を摂っていた。
この日履いていたのは、ちょっと奮発して買ったトレッキングパンツ。初見時は、値札を見て「ひょえ~~~!買えねぇ~~~!!」と思ったけれど、結局買ってしまった笑
好きな山を、好きな装備で登った経験は、きっと私に自信をくれると思ったから。
臆病すぎる私は、登山に背中を押されながら、生きていく。
だから、山に帰ってこれて良かった。
理学療法士さん、本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
ただいま。
●みやげ話➀
ルバーブ味のソフトクリーム、甘酸っぱくて美味しかった。
●みやげ話②
入笠山、登ると高山植物の苗をもらえたりします。なので、実家の庭に高山植物がいくつか植えられてます。
種類によって、育たないものもあれば、土が合うのかめっちゃ育つものも。それぞれの成長過程を見守るのも楽しいです。