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AIは、パーソナライゼーションを実現するのか?

Customer Experienceの領域において、パーソナライゼーションは長く必須事項とされていました。但し、長くその現実は、Personalizationではなく、セグメンテーションでした。

Customer Exprerienceを実現するためのソリューション(SalesforceやAdobeなど)の製品は、Personalizationを実現する(少なくとも実態よりは)ことはだいぶ前から技術的には実現可能でしたが、その文字通りのPersonalizationを実際にやる企業は出て来ませんでした。

その理由は、大きく以下の3点です。

  1. それぞれのニーズ特定が追いつかない
    個々人に合ったものを、といっても、個々人のニーズが何か?という分析は簡単にはできません。この分析を、訪問者や会員数の分、すべて実施することは、作業が追いつきません。結局ニーズがわからなければ、Personalizationとして、何を訴求するとユーザが喜ぶのか分かりません。

  2. コンテンツ生成が追いつかない
    仮にニーズが特定できたとしても、それを訴求するためのコンテンツとして、文字や画像をつくる必要があります。これを個々人に合わせて訴求するためには、その分のコンテンツを事前に準備しておく必要があります。このコンテンツが仮に3セグメントなら3つで良いものを、人数分用意する必要があります。このコンテンツ生成作業を人数分実施することは現実的ではありませんでした。

  3. データ分析が追いつかない
    この様なパーソナライゼーションは、1回きりの作業ではなく、継続的にお客様を理解して、そこに適応していく作業です。そのため仮に上記のニーズが特定できて、コンテンツが生成できたとしても、その結果を分析して次にどうするか、検討する作業が追いつきません。

これらの理由から、Personalizationは必須といわれながらも、実現不可能でした。

ここにGenAIが出てきて、分析とコンテンツ生成(画像と文字)を勝手に行ってくれる可能性が出てきました
まだまだ本当の個々人という世界は難しいですが、マーケターの上記作業時間とコストを軽減してくれることは間違いありません。なので、これまで実現できていたセグメンテーションの粒度を大きく変えることができます。

Personalizationのためには、お客様のファーストパーティデータが必要不可欠だ、もっと集めなければいけない、という話をよく聞きますが、正直お客様のファーストパーティデータの種類を増やすことは、容易ではありません。何かしら接点を増やすかお客様の負担を増やす必要があり、大きな負荷を伴いがちです。

それならば、早々にセグメンテーションをより細かくし、新たなデータでなくとも同じデータの量を増やすことで、精度を高めることに注力するのが良いのではないかと思います。それもまだAIによってお客様の期待値が跳ね上がっていないうちにTRYすることが大切だと思います。