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【耳サタ】手帳で人生を変える―文房具ソムリエ・石津ヒロシさんに聞く

毎週土曜日8:00からの「耳ビジサタデー(耳サタ)」は、平日朝8時からの「耳で読むビジネス書(耳ビジ)」の新人著者応援コーナーにご出演していただいた著者さんにもう一度出てほしいとお代わりをしているclubhouseのルームです。モデレータは、伊東綾子さん、宮村麻未さん、山本祐子さん、ざはたかのりさん、佐々木靖子が毎週順番に新人著者さんにインタビューをします。

今回は『文房具ソムリエの手帳時間』の著者であり、文具業界で40年のキャリアを持つ石津ヒロシさん、通称「文具さん」にお話を伺いました。

みなさんは、手帳を使いこなせていますか?新年を迎え、手帳を買ったはいいものの、「どう使えばいいのか分からない」「結局続かない」と感じている人も多いのではないでしょうか。

手帳の選び方から、手書きの重要性、自分の目標を叶えるコツまで、手帳の可能性を深く掘り下げてご紹介します。

ー(佐々木靖子)文具さん、まずは自己紹介をお願いできますか?
(文具さん)私は文具屋の息子として福岡で育ち、7歳からレジに立ち続け、文房具業界で約40年のキャリアを積んできました。その間、文具チェーンの経営や独立を経て、現在は「文房具ソムリエ」として活動しています。昨年12月には初めての著書『文房具ソムリエの手帳時間』を出版しました。この本では手帳を使う意味や自分に合った手帳の選び方を解説しています。

ーすごいですね!7歳から文具に携わっていたなんて。小さい頃から文具が好きだったんですか?
そうですね。子どもの頃から文具に囲まれて育ったので、自然と好きになりました。7歳でレジを任され、8歳ではレジ締めもしていました。中学生の頃には「売れそうな文具」を自分で選んで仕入れたりもしました。同世代のニーズを理解していたからこそ、当時の経営もうまくいったのだと思います。

ー日本の文房具は世界的にも評価が高いと聞いたのですが、それは本当ですか?
そうです。日本の文具は世界中から憧れられています。私もドイツの展示会でヨーロッパのメーカーと商談しましたが、日本市場で商品を展開することが彼らの夢だと言っていました。日本の文具は種類も多く、競争が激しいため、品質やデザインが非常に高いレベルにあります。

確かに、日本の手帳に関しても、種類が豊富ですよね。でも、私みたいに「手帳難民」の人も多いんです。自分に合う手帳を見つけるにはどうしたらいいですか?
「手帳難民」の方には、まず自分が何を手帳に求めているのかを考えることをおすすめします。スケジュール管理が目的なのか、それとも目標達成や自己実現のために使いたいのか。それを明確にするだけで、選択肢は絞られます。私はかつて店頭で「自分に合う手帳を選んでほしい」という相談をよく受けていました。その際には、生活スタイルや仕事の内容を伺い、一緒に手帳を選ぶようにしていました。本書にも、選ぶヒントをたくさん載せているので、ぜひ参考にしてくださいね。

ー今年は私も手帳を使いこなしたいと思っているのですが、具体的なおすすめはありますか?
例えば、1年間使い続けることにこだわらず、合わないと思ったら思い切って買い替えるのも大切です。また、手帳をテーマ別に複数使うこともおすすめです。例えば、仕事用、趣味用、家族用など、目的に応じた使い分けが有効です。
確かに「もったいないから1年使い切る」という考え方を持っている方は多いです。でも、手帳はあくまでツールです。自分に合わないと思ったら、思い切って買い替えるべきです。最近では、3ヶ月ごとに使う手帳も増えてきました。短いスパンで目標を立てると、達成感を得やすくなりますし、柔軟に手帳を選び直すことで、本当に自分に合ったものに出会えると思います。

ー3ヶ月ごとに手帳を見直すって、目からウロコです!でも、そもそも手帳を活用できない人にとっては、どうしたらいいか分からないかも…。そんな人に向けてアドバイスをお願いします。
手帳を使いこなすコツは、とにかく「まず書いてみる」ことです。そして、自分の目標ややりたいことを手書きで書き出してみてください。手書きには、脳を活性化し記憶に残りやすくする力があります。また、手帳を「自分に予約を入れるツール」と考えると、もっと楽しく使えるようになります。書き出すことで行動が変わり、小さな成功体験を積み重ねることができますよ。

ー自分に予約を入れる」という考え方、素敵ですね
例えば、3ヶ月単位で目標を設定し、それを手帳に書き込むと、達成感が得られるだけでなく、次の目標も自然と見えてきます。また、手帳にやりたいことを細かく書き出し、実行していくことで、徐々に「できる自分」を実感できます。手帳を使うことで、やりたかったことが実現し、それが当たり前になっていく感覚を味わえるんです。これは本当に人生を豊かにしますよ。

ー手帳を使う上でのポイントを教えてください。
やはり手書きで書くことです。手書きの最大の利点は、脳を活性化させ、深い思考や記憶を引き出せることです。プリンストン大学やノルウェー大学の研究によれば、キーボードで入力するよりも手書きのほうが脳が活発に働き、情報が深く記憶に刻まれるという結果が出ています。紙にペンで書くという行為は、触覚や聴覚、視覚を刺激するため、五感を通じて情報が定着しやすいのです。
手書きは、自分の感情を文字に乗せることができます。例えば、感謝の気持ちや感動した出来事を手書きで記録しておくと、後で読み返したとき、そのときの感情や情景が鮮明に蘇ります。また、手書きは自分のペースで思考を整理するのにも役立ちます。手帳に書くとき、書きながら『こうすれば良いかもしれない』と新しいアイデアが浮かぶこともあります。

ー手書きが人間の思考にとって本当に大事なんですね。
そうですね。最近ではスウェーデンが教育の場でデジタル教科書を廃止し、手書きによる学習に戻すという政策を発表しました。デジタル化が進む中で、人々の思考力や記憶力の低下が課題となり、手書きの効果を再認識した結果です。また、シリコンバレーでも粘土遊びなど、手を動かす教育が注目されています。これは、手を動かすことで脳が活性化し、創造力が養われるという科学的な根拠があるからです。

手書きは単なる記録手段ではなく、自分の内面と向き合い、思考を整理し、夢や目標を叶えるための重要なツールです。手帳にやりたいことを書き出し、それを具体的な行動に落とし込むことで、日常が少しずつ変わっていきます。手帳は、単に予定を管理するだけでなく、自己実現のパートナーとして使うべきだと考えています。手書きを通じて、ぜひ自分の可能性を広げてほしいです。

ー先ほど、手帳に予定を入れるときに『自分のための予約を先に入れる』とおっしゃっていましたが、具体的にはどのように活用すれば良いのでしょうか?
多くの方が、仕事や他人との予定を優先して手帳に書き込む傾向がありますが、自分のための時間を後回しにしがちです。これでは、やりたかったことがどんどん後回しになり、結果として叶わないことが多くなります。そこで、まずは手帳に『自分へのアポイント』を入れることをおすすめしています。たとえば、『月曜日の午後2時からスーパー銭湯でリラックス』や、『木曜日の夜は映画を見る』など、自分のための時間をあらかじめ確保するのです。

ーなるほど、自分の予定を優先して確保するんですね
もちろん、仕事や緊急の予定が入ることもありますが、自分の時間をあらかじめ手帳に書き込んでおくと、その予定を守ろうという意識が働きます。また、自分へのアポを先に入れておくと、他の予定が入りそうなときに『この日は自分の時間を大切にしたいから、別日に調整しよう』と考えやすくなります。これにより、自分のやりたいことを犠牲にせずに済むんです。

大事なことは、具体的にいつ何をするのかを決めることです。例えば、『ハワイに旅行したい』という目標があるなら、『12月○日に出発』と書き込む。そして、その日に向けて必要な準備を小さなタスクに分けて手帳に書き込むんです。具体的な日付を設定することで行動が現実的になりますし、達成感を味わいやすくなります。これを繰り返していくと、自分で決めたことを着実に叶える力が身につきます。

ー手帳に先に予約を入れるというのは、自分の人生をデザインしていく感覚ですね。最後に、これから手帳を使い始める人に向けてアドバイスをお願いします。

そうですね。手帳はただ予定を書くだけのものではなく、あなた自身の未来を形作るためのツールです。やりたいことを手帳に書き込み、実際に行動に移すことで、少しずつ理想の人生に近づけます。まずは小さなことからでいいので、自分への予約を手帳に入れるところから始めてみてください。それが、より充実した毎日を作る第一歩になります。


■編集後記

文具さんのお話を聞いて、手書きで手帳をつけはじめました。最初は続くか心配でしたが、文具さんのアドバイスのとおり、ワクワクすることを書いたり、自分のやりたいことを先に書いていったら手帳を開くのがすごく楽しみになりました。手帳を使って、夢をどんどん叶えていきます!

文具さん、ありがとうございました!

1/18(土)のclubhouseはこちら(スマホのアプリから聞いてください)

https://www.clubhouse.com/invite/eX9cjEVGkWbG3oeB8Ya9LZVWKAZXUgybpvb:J2CFliKYAglUNDuZQSvgqz10IRtZXt1tSbADO7mBqNc

■今後の文具さんの活動はこちら
🟩1月31日 
19:00〜20:00
大阪 梅田 蔦屋
トークショー&サイン会
蔦屋さんから直接お申し込みです。
↓↓↓

https://store.tsite.jp/umeda/event/beauty-health/44733-1741461222.html

文具ヒロシ、しまちゃん 、渡邉有優美さん グルコン

■下間都代子コミュニケーション研究所(耳ビジ主宰者)

■耳ビジ(耳で読むビジネス書)(スマホのアプリから聞いてください)









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やーこ
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