カバー曲の制作17 藤田麻衣子/思い続ければ

この曲を選んだ理由について

2025年最初のカバー曲制作として、藤田麻衣子さんの「思い続ければ」という曲を取り上げさせていただきました。 始まりは小さな夢の一歩から…報われることもあれば、なかなか報われないこともあるけれど、コツコツと続けていく中で、自分を支えてくれる人たちとの出会いがあり、ひとつづつ夢を叶えていく…そんな歌詞が新年のスタートに相応しいように感じたからです。

松田聖子さん主演の「野菊の墓」という映画の中で、「花一色〜野菊のささやき(松本隆 作詞/財津和夫 作曲)という挿入曲が使われており、その歌詞の中で「人の夢とペンで書けば 儚い(はかない)って読むのですね」
という言葉が、今でもとても印象的に残っています。

またこの曲の冒頭でも、
「ひとりの少女は夢を見た 小さなむねを何度も踊らせて
 憧れは近く感じたのに 追いかけると程遠いと知った」
というフレーズが歌われています。

夢を抱くことはワクワクして楽しいことなのに、それを追い続けることはなかなかしんどくて、いつの間にか忘れ去られてしまう…
置き忘れ、取り残されたままになっている”夢”が目に見えたのなら、一体どのくらいの夢が世の中に転がっているのだろう、なんてことをふと思ってしまいました。

今回の制作で、表現してみたこと

自身の夢を語る時って、必ずしも周りから受け入れてもらえるわけでもなく、時には嘲笑されることもあるけれど、その思いは途切れることはなく、自分の中を流れているもの…そんなことを象徴したくて、曲の冒頭に、凍てつくような寒さのなか流れる水の流れの音を効果音として取り入れてみました。
そして、自分の夢に少しずつ近づいていく過程を、春が近づき雪解けの中を流れる水の流れに置き換えてみました。曲の間奏の効果音として、水の流れに鶯の鳴き声を混ぜてみたのは、そんな思いからです。

また歌の背景として選んだ写真については、冒頭で登場する小さな雪の結晶が、やがていくつも集まって水の流れへと姿を変えてゆき、水は草木を育て、草木は春に芽吹いていくようにして、さらに多くの生き物の命が支えられていくという過程を表現してみたつもりです。
初めは自分だけの小さな夢であっても、夢を追いかける過程の中でいろんな人たちと巡り合ったり、混じり合ったりしていき、そうしたひとつひとつの経験や人とのつながりによって、いつかその夢は自分だけのものではなく、共感し合える大きな夢へと姿を変えていく中で、自身も成長していけたらどんなに素晴らしいか…そんなことを、この歌から感じさせていただきました。
案外と、夢を叶えていくって、一人の力だけではなく、いろいろな人の存在があって、叶えられていくものなのかもしれませんね。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

最後に、藤田麻衣子さんご本人の歌を添えておきます。

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