愚か者の愚行~生活における欺瞞と自己欺瞞の論理
今回は"The folly of fools: The logic of deceit and self-deception in human life."という論文をわかりやすく解説してみたいと思います。
この論文は、進化生物学者であるロバート・トリヴァース博士が執筆したもので、人間がなぜ他人を欺くのか、そして自分自身を欺くのか、その理由とメカニズムを探っています。恋愛においても、これらの行動は意外と身近に存在しています。
欺瞞と自己欺瞞の基礎
まず、欺瞞と自己欺瞞について簡単に説明しましょう。
欺瞞とは、他人を騙すことです。たとえば、彼に「今日は忙しいから会えない」と言って、実は友達と遊びに行くのも欺瞞の一種です。
一方、自己欺瞞とは、自分自身を騙すことです。つまり、自分が本当はどう感じているか、何を望んでいるかを無意識に隠してしまうことです。
なぜ人は欺瞞と自己欺瞞をするのか?
トリヴァース博士によれば、欺瞞と自己欺瞞は進化の過程で生まれた生存戦略だと言います。
簡単に言えば、他人を欺くことで自分の利益を得ることができるからです。たとえば、ライバルよりも魅力的に見せるために、自分の良いところを誇張することは、恋愛でもよくあることですよね。
自己欺瞞に関しては、他人を騙すためにはまず自分を騙す必要があると言われています。自分が嘘を信じ込むことで、その嘘を他人に信じ込ませやすくなるのです。
恋愛においても、「彼は私に本気だ」と自分に言い聞かせることで、相手に自信を持って接することができるかもしれません。
恋愛における欺瞞の例
プロフィールの誇張 :
出会い系サイトやSNSで、自分を実際よりも魅力的に見せるために写真を加工したり、趣味を盛ったりすることがあります。これは、相手に興味を持ってもらうための戦略です。感情の隠蔽 :
初デートで緊張していても、それを隠してリラックスしているふりをすることがあります。相手に良い印象を与えるために、自分の本当の感情を隠すことも欺瞞の一種です。
自己欺瞞の恋愛への影響
自己欺瞞は、時には自分自身を守るために必要なこともあります。
たとえば、彼との関係がうまくいっていないと感じても、「彼は忙しいだけ」と自分に言い聞かせることで、自分を安心させることができます。
しかし、長期的には自己欺瞞は問題を悪化させる可能性があります。自分の本当の気持ちに向き合わないことで、関係が修復不可能になることもあります。
恋愛における正直さの重要性
この論文を読んで、恋愛において正直でいることの重要性を再確認しました。欺瞞や自己欺瞞は短期的にはうまくいくかもしれませんが、長期的な関係を築くためには、やはり正直であることが大切です。
自分を偽らず、相手にも正直に向き合うことで、信頼関係が築かれ、より深い絆が生まれるでしょう。
まとめ
"The folly of fools: The logic of deceit and self-deception in human life."は、なぜ人間が他人や自分を欺くのか、その背後にある進化論的な理由を探る興味深い論文です。
恋愛においても、これらの行動は身近であり、時には役立つこともありますが、長期的な関係を築くためには正直さが最も大切です。自分の本当の気持ちに向き合い、相手にも正直でいることで、より良い関係を築いていきましょう。
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