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暮らしの薬学【からだ用洗剤・洗浄編】~①体を洗う洗剤について
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ミズホ「薬剤師のナナコさんから食器洗い、衣類洗い、トイレの掃除などなど、色々なところで界面活性剤が使われていることを教わって、なんだか暮らしには界面活性剤ばっかり!って思えてきたわ。もしかして、体洗うボディソープにも食器やトイレを洗うのと同じような界面活性剤が入っているってこと?髪の毛も界面活性剤で洗ってるのかしら?」
薬剤師ナナコ「そのとおり!お風呂に入って体や髪の毛を洗うときに使うボディソープ、シャンプーや手洗いに使うハンドソープにももちろん界面活性剤が入っていて汚れを落としてくれるのよ。ミズホさん、洗うってことがよくわかってきましたね。界面活性剤(暮らしの薬学【家庭用洗剤・洗浄編】②界面活性剤について)や洗う(暮らしの薬学【衣類用洗剤・洗浄編】①洗浄について)ことは過去の「暮らしの薬学」もおさらいしてね。今回は“体を洗う”ことを勉強しましょう。
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ボディソープ、シャンプー、リンス、ハンドソープはどんな法律で規制されているの?
これまで「暮らしの薬学」シリーズでは、家庭用洗剤、衣類用洗剤で“洗うこと”について解説してきました。最終編は“体を洗う”洗剤について解説しましょう。
私たちの顔や体、髪に使うボディソープ、シャンプー・リンス、ハンドソープまたはスキンケア用品の商品パッケージには、「医薬部外品」とか「薬用」と書かれているものがありますよね。これらは何を意味しているのでしょうか。
◇医薬品
・・・病気などの治療を目的とした製品で、厚生労働省によって効能・効果が認められた有効成分が含まれています。
◇医薬部外品
・・・厚労省によって効能・効果が認められた有効成分が一定の濃度で配合されているもの。医薬品のように「疾病の診断、治療又は予防」が目的ではなく、効き目は穏やかで医薬品と化粧品の中間的な存在です。薬用シャンプー、薬用ハンドソープ、薬用せっけん、薬用化粧品などがこれに該当します。
◇化粧品
・・・医薬部外品より作用がおだやかで肌や皮膚を清潔にし、美しく健やかに保つことを目的とします。ただし、「ニキビを防ぐ」などの効能効果を表記することはできません。
ボディソープ、シャンプー・リンス、ハンドソープまたはスキンケア用品は体に直接使用するものですから、これまで説明した家庭用洗剤などの洗剤に対し、作用が強力でなく安全で無害なものでなければなりません。そこで、医薬部外品、化粧品の区分を明確にしてそれぞれ薬機法(*註)で規制しています。
*註 薬機法:医薬品医療機器等法の略で、正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。
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Q. 薬用シャンプーって薬?それとも化粧品?
薬用シャンプーは、「医薬部外品」の区分に入るものです。「医薬品」や「化粧品」とも違い、その中間的なものであり、厚生労働省が承認した特定の濃度で、特定の効能効果を発揮する有効成分が配合されています。その有効成分が持つ作用により、「フケかゆみを防ぐ」など薬効を標榜することができます。一方、化粧品の区分に入る商品は、薬効的標榜ができません。医薬部外品に配合されている有効成分は、成分表示において一番最初に記載することが決められています。
もっと勉強したい人に ~ 参考リンク・参考図書
●【薬剤師が解説】薬用(医薬部外品)のシャンプーは何が違う?おすすめの商品も紹介
<参考図書>
『化粧品成分事典 ―効果的な「組み合わせ」がわかるー』
『これでわかる!石けんと合成洗剤50のQ&A ―あなたは何を使って洗っていますか?―』
『トコトンやさしい化粧品の本 第2版』
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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。