家から出られないしずっとニトリデコホームの猫愛でてる
ニトリデコホームの猫が好きすぎる。
緊急事態宣言が発令され、家から出られない昨今。いや、そんな宣言が出ていなくても、家から出る用事のない、3月に仕事を辞めてから暫く無職の私。
そんな私の家でのお供は、「ニトリデコホームの猫」、この猫である。
正式名称は「モチモチクッション キャット」、ニトリデコホーム公式は「猫のもちもちクッション」と呼んでいるようだ。
当初発売は昨年(2019年)の冬で、この可愛さが話題を呼び、全国各地で品切れとなったという。
https://news.livedoor.com/article/detail/16414149/
https://twitter.com/decohome_nitori/status/1100352144144621569?s=20
この「モチモチクッション」と言いながら、単なるクッション以上の存在感を醸し出すこの猫、ちなみに私は話題になって再販された少し後に知った。
ブームには乗り遅れたが、世間の流行など別にどうだっていい。
いつ出会ったって絶対私はこいつを買う。
この猫と出会ったのはある秋の日、近所のニトリデコホームだった。
仕事の疲労がたたって体調を崩し、医者に行った帰りのことだった。病院帰りの私は、ぼろ雑巾みたいになった心身を引きずり、ふらふらと病院の隣のビルにあるショッピングモールに入った。
このモールの一階にはニトリデコホームがあって、特に買うものもないけれど、何となく店内をよろよろと一巡していたところ、棚の一角で、他の色違いのクッションたちと一緒に、もっちりと積まれた、かれを見つけた。
彼を一目見た瞬間、脳の中に蜘蛛の糸みたいに幾重にもぴんと張りめぐらされていた疲労感が、ふっと緩んでいくような感覚に襲われた。
こいつ、なんという目をしているのだ。なんという柔らかく、頼りないシルエット。おざなりに長いだけのやわらか胴体。
かわいい。
連れて帰ろう、と即断した。
医者にも「ちょっと疲れているので療養してください」と言われたし、こいつがいれば、何となく心が休まりそうな気がする。そんな面構えをしている。
よし、抱いてでも背負ってでもいい、大事に連れて帰ろう。そう意気込んで、レジに黒い奴を一匹抱き上げて持っていった。ただ、黒猫は店員によりあっさりと大きなナイロンの手提げ袋に入れられたので、抱く必要も背負う必要もなくなった。
こうして我が家にニトリデコホームの、あの猫がやってきた。
ある日、猫をベッドの枕元に転がして寝た。朝起きたらベッドの外に落ちていたのだが、長くて柔らかい胴体が畳にもたれかかっている感じがすごく可愛かったので、思わず写真に撮った。
そして、なぜか勢いでインスタグラムのアカウントを作った。
http://instagram.com/namekuromocchi
あまりにもこの猫が可愛いので、この猫専用のアルバムが欲しいと思ったのだ。
我が子の写真を撮り溜めてSNSに専用アカウントを作ってアップする人も、もしかして似たような衝動に駆られてやっているのだろうか。
でも、私の場合は子ではない。お手頃プライスが魅力の庶民向けインテリアショップチェーンの、猫型のクッションである。
もう、よっぽど疲れてやがる。
そして私はボチボチと、猫の写真を撮ってはインスタグラムにアップし始めた。誰かと交流したいわけでもない。うちの猫のことを積極的に見て欲しいわけでもない。
ただ、私が「ニトリデコホームの猫、可愛いな」って1人でニタニタして、見返したいだけ。
私はこのアカウントを「平和なインスタグラム」と呼ぶことにした。
他人同士の承認欲求がぶつかり合うことも、意見がぶつかり合うこともない、自分1人の世界で完結するSNS。
フォローも、ニトリとニトリデコホームの公式アカウントだけにした。猫はフォロー返しや交流にきっと興味はない。こいつは毎日、ただモチモチしていられれば、それでいいからだ。
でも、微々たるいいねがつくとちょっと嬉しいです、すいません。
こうして私は秋にニトリデコホームの猫に出会い、かれを愛でながら冬を過ごした。
手持ち無沙汰に触ったり抱きしめたり、たまにソファの上に置きっぱなしであることに気づかず尻で踏んづけたりして、中の詰め物が偏ってきた。
腕の綿がなくなってきた図。
それでもやはり、「モチモチクッション」と呼ばれるだけの心地よいモチモチ感と、優しく滑らかな生地の手触りは健在。
何よりこのなんとも言えない顔つきと体型が醸し出す、脱力感前回の愛らしさは、衰えることがない。
ちなみにこの方が、ニトリデコホームの猫の可愛さをかなり丁寧に説明してくださっている。
私はたまに読み返して、「そう、そうなんですよ。ああやっぱり可愛いですねえ」と画面の向こうで相槌を打っている。
https://shirokuro-044.hatenablog.jp/entry/2019/06/08/200842
そして春が来た。
猫のクッションのインスタアカウントを作るほどに疲れていた原因の仕事を辞めて、私は引越しをした。
引越し先に足りない家具やら何やらをニトリで調達しようと公式サイトを見ていたところ、
ニトリデコホームが、ニトリデコホームの猫グッズの新作を展開してきた。
まず、クッションカバー。
https://www.nitori-net.jp/ec/product/5780766s/?rc=set
結構でかい。本体より顔がでかい。
そして、スリッパ。
https://www.nitori-net.jp/ec/product/5782503s/?rc=set
あーかわいい。
さらには、ミニサイズのミラーまで。
https://www.nitori-net.jp/ec/product/5810744s/?rc=set
このデザイン、ファンサービス以外のなんの意図があろうか。
ええ、全部買った。
ニトリデコホームさんは今後、どこまでこの猫たちに魅せられた者たちを翻弄してくれるのだろうか。
とりあえずここに、ショッピングモールのデコホームにもっちり転がっていた1,000円そこらの猫型クッション1匹を愛でてやまない人間がいる。
今日も猫のスリッパを嬉々として履いて炊事をする。疲れたら、大きい方の猫のクッションにどっかりともたれかかって、猫本体を膝の上でもちもちと撫でて休憩。ああ、もし私が働いていて、在宅勤務とかしてたら、絶対膝に乗せてモチモチしながら仕事するのにー!残念ながら今無職!
そして、たまに猫の写真を撮ってはインスタにアップ。客観的に見れば、ぬいぐるみ型クッションにひとり黙々とiPhoneを向けてゴソゴソしている、ただの不審な30代女性。
…とまあ、そんなもちもち暮らし、今、本体は白い子達ならネットで買える模様。
https://www.nitori-net.jp/ec/product/5790055s/
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