不慣れな雪の日に一人を思う
ガリ、ガリと聞き慣れない何かを削るような音が窓の外から聞こえてきて、私は目を覚ました。暫く布団に潜ったままでガリガリという音に耳を傾けていると、音の正体の目星がついたので、私はのそのそと布団から這って起き、カーテンを開けた。
やっぱり。雪が、窓の向こうの山を、家々の屋根を、向かいの駐車場のアスファルトや車たちを、こんもりと白く覆っていた。ガリ、ガリという音は、シャベルや雪を運ぶプラスチック製のチリトリのような道具が、路面と雪との間でぶつかって鳴る音だ。気候の温暖さでは日本有数