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ガンになって思うこと

【家族との向き合い方】


「食道がんステージ2です」
その言葉を医者から告げられた時、「そうなのか〜」くらいなフワッとした感覚で、頭の中が真っ白に!なんて感じもありませんでした。最近の医者は、サラッと「ガンです」と告げる。まず現実を受け入れたところで、次に頭に浮かんだのは「家族にどう伝えるべきか」ということでした。

まず、一番身近にいた夫には再検査の時点で、「多分ガンかも」とは伝えていました。夫に伝えることは全く問題ではありませんでした。もともと何も期待はしていないし、想定内の反応なので書くまでもありません。

次に両親です。我が家は代々ドライな家族で、「知らせがないのが元気な証拠」ということで、普段は頻繁に連絡を取ることはなく、最低必要限の用事以外では会うこともほとんどなく。ただ実家からは割と近い距離に住んでいるので、もう若くはない両親ということで、何かあればすぐに駆けつけられるという気持ちはありました。何かあれば。。。こっちが助けてあげる番なのに、この歳にして逆に助けてもらわないといけないという、何とも親には申し訳ないガン告知となってしまいました。ゴメンよ両親

実は、2年前に父も肺ガンになっていて、今のところ再発はしていないのですが、かなり体力が落ちているのが心配です。その状態で娘のガン告知には、かなりのショックを受けていたようです。(口には出さないけど母曰く)
いつもドライな母も、今回ばかりは予想外だったようでしたが、ガンになった本人が意外とサバサバしているので、「なってしまったものはしょうがないし」と。そう言うしかないよね。まだ元気だし、実感沸かないし。

私には姉が1人いるのですが、この姉が輪をかけてドライな性格というか、何というか。遠くに住んでいるということもあり、ほとんど実家には帰って来ず、1〜2年に1回、お正月に帰省する感じの距離感でした。大事なことでも何でもほとんどLINEで済ますので、今回もLINEで報告。意外だったのが、かなりショックを受けているようだ。やっぱり歳の近い妹がガンになったのはキツイらしい。でもLINEの文字のやり取りだけなので、本当のところはよく分かりませんが。そういえば姉は、結婚の報告もLINEだったな。

子供への告知の難しさ

一番心苦しかったのが、やはり自分の娘への告知です。我が子も同じくドライな性格が遺伝し、学生時代から家を出て1人暮らしをしていましたが、私が娘の部屋へ行ったのは、入居と退去の2回のみでした。普段は全く連絡しないし家に行ったこともない。別にそれが我が家の普通なんだけど、周りから見ると不思議な家族のようだった。特に仲が悪いわけでもなく、必要であればすぐに連絡は取れるし会えるし。用もないのに電話したり、家に来られてもめんどくさいでしょ!って思うわけで。連絡も全てLINEでやり取りという、かなりドライな親子関係なのだけれど、今回ばかりは娘の声が聞きたくてというより、LINEで書くには長すぎるので、電話で話した方が早いでしょ。というわけで久しぶりに娘の声を聞いたのでした。

母「お母さんガンみたい」
娘「うん」
母「すぐにどうこうじゃないから大丈夫」「◯日から入院するから」
娘「うん」
母「抗がん剤するから毛が抜けるみたい、今度帰ってきた時は毛ないわ」
娘「ウィッグしたらいいやん」
母「我が家はガン家系やから、あんたも健康診断は絶対にしときよ」
娘「やってる やってる」

そんな たわいのない話 だったけど、子供への報告がやっぱり一番しんどかった。声のトーンで分かるものです。やはり親のガン告知はショックなようでした。

娘も独り立ちしたし、親としては「やり切った感」があったので、正直ガンと言われた時も、「まぁ〜もう子供も1人でやっていけるし、大丈夫かな」という思いが一番最初に頭に浮かんだような気がします。とにかく子供にだけは心配をかけたくないし、幸せになってもらいたいから。

ガンに対する誤解を解く

ガンと診断されて初めて、私自身がガンについて多くの誤解を持っていたことに気づきました。まず、ガンの主な原因は「偶発的要因」だということ。つまり、「運が悪かった」というだけなのです。「生活習慣病」というイメージが強いガンですが、実はそうではないようです。どんなに気をつけていても、ガンになる可能性は誰にでもある。そう思うと何だか少し気が楽になりました。

「うちはガン家系だからな」と、何となくいつも思っていました。遺伝は科学的な根拠はあるのだろうか…ガンの原因の第1位は偶然であるのは分かったけれど、少なからず環境要因はあるらしい。その中でトップなのがウィルス感染。そして次に喫煙が来る。偶然は避けられないからこそ、「環境的要因をなるべく少なくする」心がけは必要ですね。やっぱり喫煙ってかなりヤバいんだね。

参照:(国立ガン研究センター)


何となくこの動画にたどり着いたのでリンクしておきます


さて、明日から術前抗がん剤治療が始まります。



このブログでは、私の食道癌との闘いを記録していきたいと思います。同じ病気と闘っている方、そして、これから検査を受ける方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

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