突然のガン宣告:きっかけは健康診断でした
実は今でも間違いなんじゃないかと思うほど 自覚症状がありませんでした
1年に1回、いつもと変わらない健康診断を受けました。ただ今までと違ったことは、胃部の検診項目でした。毎年健康診断は受けていたものの、ごく一般的な項目のみで、大腸ガン検診、子宮ガン検診、内視鏡検査などは、オプションではありましたが、必須ではなかったので、受けていませんでした。(乳がん検診は年1回は受けていましたが)
なぜか今年からは健康診断での胃部の検査は必須だと言われ渋々受けることに。
「バリウム検査と胃カメラ検査がありますがどちらにしますか?」と聞かれ、なんとなくバリウム検査にしてしまいました…
バリウム検査は土曜日でも出来るけど、胃カメラは平日しか出来ないと言われ、仕事を休むのが嫌だったのでバリウムを選択。病院側は「バリウムでは精度が低いので何かあったらまた胃カメラをしないとダメですけどいいですか?」と言われました。やはり今は胃カメラがお勧めのようだ。
その時にどこか体調が悪ければ胃カメラにしたかもしれないけれど、全く自覚症状もなく元気だったので、なんの根拠も無くひっかかる訳がないと、バリウム検査にしました。(今思えば、すでに進行しているのでどちらにしても同じだった気がする)
後日、健康診断の結果が郵送で届き結果を見たら、「胃部の再検査が必要」と書かれていました「胃?でも、全然調子が悪いとは思わないんだけど…」
総合判定は「食道の中部に壁不整、隆起性変化あり」で精密検査が必要という結果でした。食道?少し不安を感じながらも、すぐに病院に連絡をとり、胃カメラ検査の予約を取りました。
胃カメラの前に診察があり、先生が言うには、「検診では当病院以外の医師3人にも診察していただき、2人は異常なし、もう1人が厳しめの医師で気になるようなので、再検査とせざるを得ません」と。自分はその時、「3人中2人が異常なしなら大丈夫かもな」と、これまた根拠のない自信がありました。
検査当日、私は緊張しながら胃カメラを鼻から挿入。鼻の局所麻酔が予想以上に気持ちが悪かった。以前に口から胃カメラを飲んだ時はそうでもなかったのに…やはり医師の腕の良し悪しによるんだなと。全身麻酔が出来ない病院だったので仕方がないけど、今度からは全身麻酔ができる病院を選ぼうとその時、心に誓った。
医師はモニターを見ながら、私の体の内部を丁寧に説明してくれました。鼻の局部麻酔なので自分で確認できますから。「今は鼻です、喉です、食道です、胃です…」
そして、カメラが患部に到達した時、医師は「ここですね」と言いながら、カメラでパシャパシャと写真を撮り始めました。
「病理検査をするので、組織を採取します」と医師は小さなハサミで4回ほど組織を採取しました。横になっていましたが、お腹が痛くて苦しかったのを覚えています。「早く終わってくれ〜」と。自分でも画像を見ましたが、ポリープのような大きな隆起物と、周りには白くなっている部分がはっきり見えました。それを見た時、これはちょっとヤバイかもしれないと覚悟をしました。
検査が終わり「先生何かありましたか?」と聞くと医師は画像を見ながら、「これですね。見た感じ初期ではないですね。この潰瘍は、顔つきから見てあまり良いものではないかもしれません…」と、表情を曇らせながら言いました。「最悪の場合は食道癌かもしれません」
その言葉に、私は頭が真っ白になりました。胃ではなく食道なのか…
この「食道ガン」というのが厄介なモノだということは、その時はまだ知りませんでした。
すぐに大きな病院で詳しい検査をしてもらった方が良いので「どこか希望の病院はありますか?と聞かれ、地元には大きな病院が1つしかないのと、通院や家族のことも考えてA病院に決めました。その後は怒涛のように時間が過ぎていきました。今思うと、3人中1人だけでも気づいてくれた事に感謝するしかない。もし3人とも異常なしと判断していたなら、私は手遅れになっていたかもしれないと。
翌日にA病院で診察を受け、その翌日はCT検査、翌々日はPET検査と、次々と検査が続きました。そして、1週間後には病理検査の結果も出るので、いよいよ最終診断の日です。
事前の検査は全て自分1人で行きましたが、この日は夫にも一緒に来てもらいました。医師からまず出た言葉は「病理検査の結果は残念ながら悪性でした」「食道癌ガンです」と宣告されました。「ただ他の臓器やリンパ転移はありません。食道進行癌ステージ2です」と。
正直、ガンだろうなとは覚悟していたのでガンだと言われてもそうショックは無く、むしろ転移の方が心配だったので、転移がないと聞きすごくホッとしたのを覚えています。しかし、PET検査の画像を見せてもらったのですが、食道のどの部分だったのかは全く頭に入ってない私。突然の出来事に、まだ現実を受け入れることで頭が一杯なんでしょうね。
病状がはっきり分かれば治療スケジュールもすぐに決まりました。今の食道がんの標準治療は、「術前抗がん剤(3薬)5日間投与➡︎3週休みを3回行い3〜4週間後に手術」するらしい。術前DCF療法 (国立がん研究センター参照)といって、今の自分にはベストらしい。どれも前知識がないから「らしい」としか言いようがない。
これからどんな治療が必要になるのか、どうなるのか…不安はありますが、まずは落ち着いて、医師の指示に従い、治療に専念しようと覚悟を決めました。まずは抗がん剤治療1回目が始まります。投与後、元気で文章を書く元気があれば報告したいと思います。
このブログでは、私の食道癌との闘いを記録していきたいと思います。同じ病気と闘っている方、そして、これから検査を受ける方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
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