安全な飲食を実現するために、政府は COCOA や マイナポイント をうまく活用して欲しい
街から密を消すのは困難
先日、友人が美味しいコーヒーを買ってきてくれるというので、川崎市まで取りに行きました。川崎市と言えば神奈川県の県境で多摩川を挟んで東京都と接していることから、緊急事態宣言で飲食店でお酒が提供されなくなった東京から越境して飲みに行く場として話題になっています。先月末には酒類の自粛要請も出ており、お酒を提供するお店もほとんど無いようです。
とは言え、数少ないお酒を提供する店は大変な繁盛ぶりで、そのお店に多くの人が群がり密を生み出す状況が現実としてあります。国や自治体は飲食が感染拡大の大きな要因としてお酒を提供する店の営業自粛や飲食店での酒類の提供自粛を呼びかけていますが、それに反発する因子も当然出てきますし、抜け道を求めて隠れて密をつくるような状況は拭い去れないと考えるべきかと私は思います。
自粛すべきは飲食自体ではなく、大人数での会食や飲み過ぎにより大声で会話してしまうなど、感染リスクを高める行為にあるはずなので、隠れてでもお酒の飲める場所をつくって密を発生させてしまう状況が現実としてあるならば、それをきちんと分散させて安全な状況をつくることを考えるのも大事かと思います。
COCOAで密の分散がはかれないか
そこで私が提案したいのが、短時間・少人数に限った飲食を認め、厚生労働省が提供する新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の機能を拡張して活用するというものです。拡張機能としては、利用した店舗でQRコードを読み取るなどして、誰がどの店舗を何時間利用したかを記録できるようにする機能(チェックイン/チェックアウト機能)が必要になります。
まず、できる限り安全な飲食を楽しめるように、例えば時間は1日2時間限定、同時に飲食できる人数も2人ないし3人1テーブルに限定します。利用者が来店したら COCOA でチェックインして飲食し、決済時に再度チェックアウトします。チェックアウトすると当日は再度チェックインをすることができず、飲み過ぎを防止することができます。
チェックアウト時間が2時間過ぎてしまうリスクに対しては、例えばバッファを30分だけ与え、チェックインから2時間30分以上経過した場合は以後2週間チェックインできないなどの施策があると良いかと思いますし、2人ないし3人1テーブルを守り、店舗の混雑を避けるためにチェックイン記録から同じ時間帯に店舗の設定人数を超える場合はアラートを店舗側に表示したり、行政指導が入るようにすることで概ねのリスクは回避できるような気がします。
マイナポイントも支援と経済活性に有効かもしれない
また、こちらは総務省の管轄だと思いますが、マイナポイントとの連携というのも効果を発揮するのではないかと思います。例えば、今後経済的ダメージを受ける方々に向けて政府としては現在の協力金や前年の特別給付金のような資金援助を行う必要が出てくると思うのですが、単純にお金を配るだけだと使われずに貯金に回ってしまうなど経済の活性化につながらない可能性もあります。その対策として、個人に限り、お金の代わりにマイナポイントを利用期限を設けて配布するのが良いと思っています。利用期限が決められていれば、使われないポイントは政府に返ってきますし、短期的な経済活性が可能になると思うのです。
そして、先ほどの COCOA との連携として、飲食店を一定期間利用しなかった利用者には協力のお礼としてマイナポイントを配布するというのも効果があると思っています。連続して利用しない日数が増えた場合は多くのポイントを付与することにより、そのポイントを取得するために不要不急の飲食は避けるという行動につながると思うからです。
まぁ、いま述べたように COCOA アプリを機能拡張し、マイナポイントと連携させるのは行政としては一筋縄ではいかないと思いますが、マイナポイント自体は PayPay など他のキャッシュレス決済との連携は実証済みなので、技術的なハードルは高くないと考えています。
政府にはいい意味で国民を裏切るような政策を
スマホを持っていない方や利用に不慣れな方に対しては代替策が必要ですが、政府としては COCOAで接触者を追跡したいでしょうし、マイナンバーカードを広めたり、DX を加速させたいという想いもあるはずなので、COCOA やマイナンバーカードの利用者数を増やし、利用者側に DX としての事例を指し示す絶好のチャンスなのではないかと思います。そして経済効果も多少なりともあげられるはずです。
現在のような医療崩壊が始まっている状況では外での飲食を推奨すべきではないかも知れないですし、様々なしがらみがあって当然こんなことは無理であろうとも思ってはいますが、内閣支持率も落ち込んでいる中、いい意味で国民の期待を裏切るような政策を立てていただきたいと思います。国民にとってきちんとプラスになるような新たな行動を切に願う限りです。
Photo by
Drew Beamer on Unsplash
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?