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高校生と大人の女 (拝啓 あんこぼーろさん作品リライトまたはコラボ)
17歳の時の修学旅行は、中国地方。その日は倉敷。
同じ班の17歳達は、自由行動の昼食に、どこにでもあるファーストフードを選択した。
そげなのどこでだってん食べられるやん
僕はなんだかがっかりして、店の前でひとり待っていた。
少し離れた所に、「瀬戸内海鮮料理」のノボリがあって、やや年配の綺麗な女性がビラのようなものを手にして立っていた。
その前を通りかかると、彼女は目尻で優しく笑って、割引券を差し出した。
一人でも入れるよ。倉敷来たんじゃけぇ。今自由時間なん?班行動じゃねえんな。待ちょうるん?あーハンバーガーなあ。あはは、私も君と同じでそのチョイスは、せんかなあ。
君はなにゆうん、頑固なんじゃなぁ、あ、ええ意味でで?
私、ええと思うで、そういうの。損ひる時もあるかもしれんけど、ほんまにおえん時はおえんゆうて言わにゃあな、楽しめんが。ほん、これ持って、晩においでえ。
17歳修学旅行
思い出の一つ
大人の女性
睦ぶ時間
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拝啓 あんこぼーろさんの、本作です。
この記事のコメント欄での、修学旅行が倉敷だったら、という提案を、ノリで受けてのリライトです。または、コラボ。
400字ぴったり。倉敷の街角で、ぼーろ少年が出会ったやもしれぬ、「やや年配の綺麗な女性」、なりきり。
けしかけてくれたのは、あんこぼーろさんと水野うたさん。しめじさん企画のリレー小説で、知り合ったり、つながれたり、または、関係をさらに深めたりした方々です。この二人に言われたので、すぐ心を決めました。
二人には共通点があります。記事の文章はため息が出るようなものばかり。話題としてとりあげることも、語り口も、引き出しが多い。コメントやコメントへの返信が記事くらいおもしろい。記事にも、コメント欄で指摘することや語ることにも、驚異(また脅威?)と思わせられることが多い。
また、「旅する日本語」企画の400字制限が、短すぎて書きづらく思っている。それくらい、書くと言葉がどんどん出てくる。長い。そして、くらくらするくらい、表現も多彩。
うたさんは、写実的描写が圧巻。字で写真が撮れ、写真で心情が撮れる人。あんこぼーろさんは、うたさんからの受け売りですが、人物づくりの深みに、人並みでないものがある。表現の引き出しが限りなくて、どんな人物でも書ける。二人とも、こちらがアワワとなる、自分のそういうところを、普通のことだと思っている。
あんこぼーろさんが、いつか私の記事を読んだあと、「くっそー」と書かれていたことがありました。わりと、根も心も、いい子ちゃんみたいなところのある私は、否定的な言葉は避けがちです。(いい子ちゃんかどうか、それが理由かどうかも?ですが。)実際、あまり人のことをうらやんだりすることがないし、もしそのめったにない感情が出ても、それを認めようとすることにも、言葉で表すということにも抵抗を感じます。
でも、その「くっそー」がすごくさわやかで、まったくもってポジティブに聞こえることに、びっくりし、新鮮に思いました。あんこぼーろさんは、この企画の参加作品へのコメントで、「合戦」という言葉も使ってくれました。それから、私は、限られた人だけですが、「くっそー」も「ちっ」も「合戦」も使ったことがあります。魂の解放(?)。
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私たちを結んだ、思い出のリレー小説、「不確かな約束」。
書き手のほとんどの最初のつながりは、しめじさんだけでした。バラバラな私たちが紡いでいったのに、人物も設定も話の流れもうまく溶け合っています。書いている私たちも。リレー小説の3章分を、あんこぼーろさんが担当しています。私は、このリレー小説で、また皮がむける経験をしました。
リレーでない方は、序章、主人公と、10章仕立てと言うところは同じ。でも、しめじさんの独りラン。
伴走者のまつおさん。小説世界を詩にされました。
それから、このリレー小説「不確かな約束」としめじ編両方を、ていねいに読んで、言葉で励まし続けてくれた、熱い応援団長、こばやしきたるさん。
小説の一話一話にいっしょに感動し泣いてくれた、次の企画では参加することになっているらしい、チアリーダー、Shihoさん。
リレー編最終走者の上、強い要望に応えて、続編も書いてくれた、人を酔わせる書きものが得意な、水野うたさん。(酔って、自分は失敗したこともある、、)